inserted by FC2 system

Live!な一眼 OLYUMPUS E-330


その1(購入〜使い勝手) その2(画質その他) その3(Liveな…)

デジカメIndexに戻る  パソコンの部屋に戻る  玄の館トップページに戻る


時は2006年3月。今年は「10台目のデジカメを」と企んでいた私にとって、かなりグラグラ来てしまう新星が現れた。意表を突いて発売されたOLYMPUSのE-330。必ずしも全ての要求を満たすものではないが、それでも魅力十分なシステムとして惹きつけるものがあった。果たして、欲求は満たされるのか…。

EOS 10D(左)は機能的には不満は少ないのだけど、無いわけではない  
● EOS 10Dの不満 ●
 2006年3月の時点で使用している一眼レフカメラはCanonのEOS 10Dである。現時点で既に購入してから3年近くが経ち、進歩の早いデジタル一眼レフカメラの中にあっては既に陳腐化している機能も少なくない。

 撮影枚数もだいたい年間1万ショット程度ずつ増えているので、既に3万ショット。以前聞いた話だと3万ショットぐらいでだいたいシャッターユニットがヘタってくるので、場合によってはユニット修理が必要になってくるのだとか。だいたい数万円の出費になるらしい。

 当時レンズ込みで23万円もしたカメラだが、現状の10Dの後継は30D。本体だけなら14万円を切る値段になっているし、機能的にも大幅にupしている。シャッターユニットは10万ショットぐらいまで耐えられるものが使われるのだとか。電子的な進歩だけでなくメカニカルにも進歩しているのがすごいぞ

 というわけで、正直なところぼちぼち新しい一眼レフに替えようかな、と思うようになってきた。今のEOS 10Dでは購入時点では少なかった不満も少しずつ出てくるようになったというのもある。機能や画質としては既に不満と思うところはほとんど無い。プロに近いような所になるともっと不満も出てくるのだろうけど、ただのカメラ好きなアマチュアでしかない私には過ぎた画質&連射だ。しかし、それでもいまいちだな、と思うところは多い。

 なにせ本体重量はバッテリー無しでも800gもある。ちょっとしたレンズを付ければ軽く1kgオーバー、現状常用しているSIGMA24-70mmF2.8だと、レンズそのものも700gもあるので、1.5kgは確実にオーバーしてしまう。レンズも本体も比較的大きいのでかさばるのはもちろん。重さも手伝ってやはり撮影するときにはある程度気合が必要だ。ウェストポーチもあるのでこれに入れてしまえば多少マシだが、結局重くかさばるのはあまり変わらない。一眼レフだとある程度は仕方ないのだけど、最近の機種はコンパクトで軽いのも出てきているのでちょっと悔しい。

 そしてどうしても気になってくるのが起動時間。最近の一眼レフモデルだと、だいたい1秒以下で立ち上がるのがほとんど。今のEOS10Dだと3秒ぐらいはかかってしまいっている。以前使用していたE-10とかに比べるとはるかにマシではあるのだけど、3秒となると、スイッチを入れてから一呼吸はおかなければならない。即撮影したい時なんかには少々イライラすることもある。

 実は去年EOS KissDNが出たとき、機能的には上になるし、価格的にもリーズナブル、ということでかなり買う気モードになったことがあった。しかし、このときはグリップが悪いのとシャッターチャージ音があまりに甲高いのに閉口し、やめてしまったという経緯がある。KissDN以降ならレンズもEF-Sが使えるということもあり選択の幅がかなり広がるのだけど、やっぱり魅力的、とまでは行かなかった。

 レンズラインナップは今のところ4本。最初に買った24-135mm望遠の70-200mm、買い足した24-70mm、そして遊び半分の50mmF1.8だ。望遠側は70-200mmF2.8があるのでさほど不満は無いのだけど、やはり広角側は24mmだと不足。コンパクトカメラのS60で広角側はある程度カバーしているのだけど、やっぱり一眼レフでも広角を撮影してみたい、という欲求がなくなったわけではない。

 最近になってようやく18mmスタートの明るいレンズがそろい出したので、それを買えばかなり改善されるのだけど、個人的には焦点距離の範囲と明るさとの兼ね合いで、いまいち食指の動くレンズが出ていない。

 
● 狙っていたシステム ●
Live! Viewを備えた一丸レフ。買った真意は?  で、以前から注目していたのが実はオリンパスフォーサーズ。撮像素子は小さめでノイズが多いといった問題点はあったのだけど、レンズラインナップが少ない分だけシンプル、かつ必要十分でリーズナブルな値段というのがあり、かなり気になっていた。もともとOLYMPUSは銀塩一眼レフでOM-2S/Pを使っていたし、デジタルでもE-10を使っていたということもあり、かなり気になるメーカーではあったのだ。

 レンズとして気になっているのは、標準として14-54mm F2.8-3.5、そして望遠の50-200mmF2.8-3.5がある。この2本は比較的明るく、描写としても評判も良いのでかなり便利そうな感じがしている。一度に両方は買えないかもしれないけど、この2本があれば殆どのシチュエーションはまかなえるはずなので、今よりも相当シンプルになりそうな感じがするのだ。逆に、今まで使ってきたレンズの焦点距離や使用頻度を考えても、この2本があれば十分にカバーできると思えるようになってきた。この明るさと焦点距離レンジを備えたレンズは、実は現時点では他社にはあまり無いのだ。

 また、これ以外のラインナップにしても、ズイコーデジタルレンズはデジタル専用ということもあってか全体的に評判がいい。レンズラインナップも一通り揃ってきたし、期は熟したかと思った。

 となると、問題は本体。ついこないだまではE-500が候補だった。昨年末に発売になり、結構いい感じだった。かなり安い機種ではあるものの、以前の機種、E-1やE-300と比べるとノイズは減っているし、機能的にも十分。なんと言っても重さが450g程度で、とにかく軽くコンパクトなのがいい。ただ、連射が2.5コマ/秒だったり、ファインダーがいまいち、といった問題もあって価格がこなれてくるのを待っていた。

 で、待っている間に出てきたのがE-330だ。正直これはかなりびっくりした。E-500を発売したばかりだから、次の新機種なんて出るとは思っていなかったからだ。世間的にはLive Viewがかなり注目を集めているし、実際ウリもそうなんだけど、個人的には一眼レフなんでLive Viewはオマケみたいに考えていた。それよりも気になったのは新しい撮像素子だ。

 E-500でノイズは減ったとはいえ、Canonの強力なノイズリダクションに比べるとまだいまひとつの感じがあった。ただ、E-330では撮像素子も変更になり、更にノイズは低減されたらしい。E-500から比べると多少大きさ、重さ的には不利だけど、その分Live Viewがある事を考えると納得できる範囲。それでも550gぐらいだから、EOS10Dより300g近く軽い。レンズを含めると(14-54 F2.8-3.5を付けても)500gぐらいは軽くなる。

 ただ気になるのは起動時間。デフォルトだと3秒近くかかるらしい。電源ON時に超音波でダストリダクションをやっているらしいのだけど、その分どうしても時間がかかるとか。瞬時に起動する最近の一眼レフと比べるとちょっと気になるかもしれないとは思う…しかし、やっぱり欲しい。色々記事とか見ているとライブビューは思ったより使えそうだし…んで、発売から1ヶ月ほど経って値段的にも少し落ち着いてきた所で、思い切って購入してしまった。

 購入はいつもの通り地元のキタムラで、と思っていたのだが、今回は交渉がいまいちうまくいかず。というか、店舗ではやはり値引きに限界があった。で、結局購入したのはキタムラのインターネット店。他の通販ならもっと安いところもあったのだけど、初期不良とかがあった場合に店舗に持ち込むこともできるキタムラが便利、ということでキタムラにしてしまった。レンズキットにするという手もあったのだけど、どうせかぶってしまう焦点距離のを後で買うならトータルで安いように、とボディーのみと14-54mmF2.8-3.5を購入。リモコンも込みで合計16万円ちょいであった。ちーん。


やっと来た本体。思ったよりうるさい?  
● やっと来た本体の印象 ●
 悩みに悩んで思い切って買ってしまったE-330。購入は通販。注文して物があれば2,3日で来ると思っていたのだけど、実は期末の関係か、桜が咲く時期なのでカメラがよく売れているのか、とにかく本体の在庫が丁度メーカーにも無いらしく、1週間ほど待つハメになった。

 待っている間に他の通販の安い所はどんどん値段が下がっていく…悩ましい所だ。結局到着したのは土曜日の昼前。届いた箱はレンズも入っているはずなのに思ったより軽く、思わず「来た来たー」と、子供のようにはしゃいでしまった

 いそいそと取り出してカメラとレンズを接続。いつものように充電するまでも無く本体にリチウムイオン電池をセットして、早速撮影してみたんだけど、フラッシュを1〜2枚撮影しただけで電池切れ。うう、あまり充電状態ではなかったようだ。仕方が無いので電池は充電器に接続して充電。

 んが、説明書を見てみると満充電になるのに5時間もかかるという。普通この手の充電は2時間ぐらいまでしかかからないと思っていたのでちょっとこれは…という感じ。お急ぎの方はオプションの急速充電器を買ってください、との企みらしい。うむー。しかも例によってACコードは太くて長い。邪魔だぞぉ。

 さすがに5時間も待っていられないので、1時間ぐらいでとりあえずテストを再開。本体の大きさと重さは、だいたい想像していた通り、と言っておこうか。これまでの1.5kgの重量から比べると大幅に軽くなっているけど、大きさはまぁ一回りちいさくなったかな、という感じ。昔のE-10に戻ったような感じだ。

 ポーチに入れてもかなり余裕があり、今までのパツパツだったEOS 10Dと比べると持ち運びや片手に持っている時の負担は相当軽減できそうだ。本体のペンタプリズム部が無いのでレンズが必要以上に飛び出した感じがするが、この辺はパンケーキレンズの登場を待ちたいところでもある。

 モードダイヤルの所にある電源スイッチを入れると超音波ダストリダクションが働いて起動する。起動画面があると2秒ほどかかるけど、これを省略してやると1秒ちょいで起動するようで、これまで3秒ほどかかっていたEOS 10Dに比べると十分な速さだと思う。ただ、どーもスリープモードから復帰する際にもダストリダクションが働いて1秒ちょいかかっているようで、なーんかいまいち無駄な気もする。

 気になっていた音は思ったより甲高く、大きい感じがする。音質そのものはちょっと敬遠したEOS KissDNと似たような感じで、「キャシーン」というような音だ。EOS 10Dだと「ジャコシャッ」という感じで鈍い感じがする。やはり小さい筐体で小さいモーター、高速なシャッターチャージをしようとすると甲高い種類の音にならざるを得ないのかもしれない。フォーサーズだとミラーとかも小さいのでこの辺の音は少しは抑えられているのかな、と期待したのだけどいまいちの結果だった。

 ただ、「かっこいいシャッター音」という意味ではアピール感はある。一般的には「シャッター音」としての感じは悪くないと思うが、静かな場面で使うときはちょっと躊躇しそうな音なので、可能なら「静音モード」とかがあればなぁ、と思ったりする。

 なお、「ジャコッ」とか「キャシーン」とか言ってもピンとこないと思ったので、とりあえず音を録音してみた。マイクから数センチ離れた所で連射したものを録音した音だ。
シャッター音 EOS 10D => E-330 (mp3)
いずれも3連射を2回ずつ行っている。音の質がだいぶ違うのがわかるかと思うが、実際にはEOS10Dの方がもっと鈍い感じがするし、E-330の方がもっと鋭い感じがする。録音がかなり適当だし、相当圧縮をかけてあるのでご勘弁を。

 シャッターボタンはグリップが気持ち小さいので、指が自然に吸い付く、とまでは行かないが位置的には違和感は無い。ただ、これまでOLYMPUSのシャッターボタンは半押しのクリック感が無かったのに、このE-330では明確な半押しクリックがある。これまで半押しのクリック感が無かったのは恐らく全押しするときのブレを低減する意味ではないかと思っていたのだけど、E-330ではついにクリック感がある。それほど強い感じはしないので、ブレに対する影響はあまり無いと思うけど、少し不思議

 個人的にはハイアングルやローアングルで撮影する際に持ち方やシャッターを押す指が変わったりするので、そういった通常とは違った状態でも半押し状態をきちんと把握できるように、ということでクリック感を持たせたのではないかと想像している。


ボタン数、メニューの操作性は一考してほしい所  
● 操作性あれこれ ●
 E-330は比較的エントリー機にあたる為か、ボタン類は比較的少なく、背面の十字キーにISO、WB、AF、測光を割り付けてあるので、あまりごちゃごちゃした感じはしない。ただ、ボタン数が少ないということは一歩間違えると操作性に難が出る。一つのボタンに色々機能を割り付けざるを得ないので、機能的に制限が出たりしているところもある。

 個人的にはあまり使わないけど、AFポイントの変更ボタンは無くなっているし、ワンタッチホワイトバランスや絞込みボタンは連射ボタンと共用で、しかも設定画面でそれぞれに設定しないと使えない。絞込み確認ボタンなんかはボディー前面に専用ボタンを設けて欲しい所だ。

 ちなみにこの連射モード変更ボタン、再生時なんかはメディアの変更ボタンになっているらしい。これはもう「マルチファンクションボタン」だなこりゃ。自分は連射モードの変更が最も頻度が高いのでデフォルトのままだけど、他の頻度との兼ね合いでは面倒に思う人も多いかと思う。

 操作性は慣れの部分もあるのでまだある程度はなんとかなるけど、デザイン的にちょっと気になるのは液晶と一部のボタンの周りにある金属光沢デザインだ。高級感を出すためにしているのかもしれないけど、明るい場所では結構反射して気になってしまう。デザインとして見た場合は悪くないかもしれないけど、こういったものは長年使っていると陳腐化してしまいやすい。やっぱりシンプルなデザインがいいなぁ。

 液晶画面はこのカメラ最大の特徴、Live! Viewを活かすために可動式。引き出せば真上を向くし、下45度まで向けることもできる。左右に動かないのは残念だけど、個人的にはこの動き、「懐かしい!」と思ってしまった。以前使っていたE-10と全く同じなのだ。もっとも、当時の液晶とは見え味も大きさも使い勝手もまるで違うのだけど。

 液晶に表示されるメニューは液晶画面が大きく見やすいこともあって、大きな文字はちょっと間抜けに見えるほど。機能的にかなり多いので、メニュー項目も多くて複雑。ちょっと慣れるまでに時間がかかる。

このメニュー項目順だけは勘弁して欲しい  そもそも設定メニューも撮影で2項目、それ以外の設定も2項目ある。特定のメニューを出したい場合でも、この4項目のウチのどこに入っていたか覚えておかないと2層目のメニューに入った後で「あれ?ここには無い!」となると一旦1層目に戻って再度別項目に入らなければならない。

 しばらく使っていてなんかMENUが使いにくいな、と思っていたのだが、その原因はどうやらMENUに入る度にメニューの最初に戻ってしまうことにあるようだ。しかもその最初の項目が、撮影設定の「カードセットアップ」、その次が「カスタムリセット設定」と続く。こんなのはその他設定のメニューに入れておいて欲しいし、カードセットアップなんかは間違って操作してしまえば画像を全部消していまいかねない。「何を考えてるんだ!」的なメニューシステム&順番。半分あきれてしまった。

 この辺を考えるとやっぱりEOS 10Dのコマンドダイヤルとそのメニュー構成(項目別に色分けだけされていて全体はダイヤルでシームレスにアクセスできる)はよく考えられたインターフェースだと思う。Canon、恐るべし。いや、OLYMPUS、もっと勉強せえよぉ。

 機能的に色々あるのでどうしてもメニューが増えて階層式にらなざるを得ないのは分かるが、ダイレクトボタンで呼び出せる項目を省略するとか、もう少しシンプルにして欲しい所だ。

 本体の大きさや価格の点からか、サブ液晶(OLYMPUS風に言えば「コンパネ」か)が無くて、ステータスは基本的に背面液晶に表示されるけど、撮影時に液晶画面が点灯したまま、というのはどーにもやりにくい。結果、液晶表示は常時OFFで使っている。各ダイレクトボタンを押したりOKボタンを押せばステータスやメニューが表示されるのでさほど迷わないが、残り枚数ぐらいはどこかに表示して欲しい感じだ。

 ファインダー視野は10Dに比べるとやっぱり小さいのだけど、縦横比が4:3ということもあってあまり違和感は無い。横幅だけ小さくなったかな、程度だ。横幅が短くなった分だけ眼鏡をかけたままでも横方向に余裕ができて、ファインダー右のステータス表示は見やすくなっている。ここに表示される合焦表示も見やすい。

 被写体の視認性やピントだけを言えばファインダー表示は大きければその方がいいにきまっているのだけど、眼鏡をかけて確認することを考えるとかならずしも大きければ良いというだけでもない。

 AFエリアの表示も赤ランプで見やすいのだけど、気になったのがこのランプ表示、「AFエリア」を示すだけで、「合焦」表示ではないのだ。10Dの場合だと、AFが合焦した時点でそのエリアが光って「ここにピントがあってますぜ、ダンナ」と教えてくれるのだけど、E-330の場合は「今からここでピントを合わせますぜ…」と、尻切れトンボ的な表現になっている。合焦そのものは右側のステータス表示の緑丸が点灯して初めてその状態なので、初めはずいぶんとまどってしまった(エリアランプが光った時点で合焦したかと思ってしまった)。なーんか中途半端な感じが残る。

 もっとも、そのとまどいの原因の一つはAF音がすごく小さいこともある。レンズの話になるが、通常使っているEOS用のレンズは70-200mmF2.8を除いて結構AF音がうるさい。AFが動いている間はジャコジャコと言っているので合焦した時というのが分かったりする(静かになる)。しかし、この14-54mmF2.8-3.5はモーター音がほとんどしないようだ。超音波ではないけど静かなのはまちがいない。

 ただ、静かなのは確かだけど、スピードはいまいち。音がしないから余計に遅く感じるのだとは思うけど、「ジャコッ」と合焦するのではなく、「んーんー」とほんの少し考えてから合焦するような感じだ。正確には計っていないのでなんとも言えないのだけど、少し不安は残る。デフォルトでは合焦したときに「ピピッ」と音は鳴るのだけど、例によってこっぱずかしいので音は出さないようにしてしまった。




その1(購入〜使い勝手) その2(画質その他) その3(Liveな…)

デジカメIndexに戻る  パソコンの部屋に戻る  玄の館トップページに戻る