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周辺機器 こだわりの一品


そして本物 Canon EOS 10Dその3(F2.8望遠ズーム)

EOS 10D その1 購入〜レンズ EOS 10Dその2 操作性〜ポーチ その4 F2.8ズーム他

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 2003年9月。子供の運動会が間近に迫っていた。子供の晴れ姿をデジカメで撮影したい。どうせならキレイに撮影してやりたい。親心であり、口実である(^_^;)。

良く見るとナナメになっている。どうしてもこれ以上入らないフード  
● 欲しくなった望遠レンズ ●
EOS10Dを購入するときに同時に購入したSIGMAの24-135mm F2.8-4.5だが、普通のスナップにつかう分から、35mm換算で216mmまで使えるため、これまで使ってきた200mm相当までの範囲はカバーできている。だからこれ以上のレンズは当面必要ない…はずだった

 ただ、実際に使い出すと24-135mmF2.8-4.5のレンズ性能そのものがあまり良くなく、少なくともF5.6以上に絞らないと苦しいこと。これまでの作例を確認してみると200mm相当の望遠でも不足しがちな写真が多いことがあり、実焦点距離で200mm以上のレンズが欲しくなってしまった

 一般的なレンズであれば、同じくSIGMAの70-300mmF4-5.6 MACRO SUPERIIというレンズが15千円程度なので安くて軽くて使いやすいようなのでいいのだが、300mmとなると1.6倍で480mmにもなるため、ちょっと扱いやすい、というわけにはいかないかもしれない。おまけにF値も暗いし、Webで色々探してみると、画質もかならずしも良いというわけではなさそうだ(相対的に同じクラスのレンズと比べて悪いわけでもないようだが)。

 運動会の後には室内での音楽会に使うつもりもあったので、レンズの明るさも気になった。E10で使っていたF2.8という明るさ+増感ISO320でも明るさが不足していたので、最終的にはF2.8の200mmレンズが欲しかった。どうせ最終的にはいいレンズが欲しくなるのなら、2重投資にならないように70-200mmF2.8クラスのレンズを選択することにした。

 しかし、Canon純正になると、ISの無い方、EF70-200mmF2.8L USMでも、実売は15万円ぐらいになってしまう。IS付きは魅力だが、そうなると20万円コースになってしまい、カメラ本体の価格を越えてしまう。カメラを買ったばっかりなのでさすがにそこまでの余裕は無い。

 となると、必然的にレンズメーカーのレンズになってしまう。しかし、レンズメーカーの片方、タムロンはこのクラスのレンズを出していない(というか、新機種が出るので旧機種は生産中止になってしまっている)。タムロンは最近コンパクトな28-75mmF2.8をリリースして話題になり、新機種の作りも結構いいのではないか、と気にしていたのだが、今のところ('03年9月)出てくる気配が無いので、更に必然的にもう一方のシグマのレンズになってしまった(^_^;)。ま、HSM(超音波モーター)ということもあり、気にはなっていたので丁度よかったのだが。

 シグマのこのレンズ、70-200mmF2.8 EX HMSについてWebでも色々調べては見たのだが、画質的には特に問題は無さそう。シグマレンズはフレアやゴーストに弱い、という話も良く聞くのだが、実写を行なって具体的に検証しているものもあまり無かった。なんと言っても実売で9万円前後という比較的安価な価格があり、この範囲でないと手が届かないというのもあった。

 8月の間はしばらく悩んでいたのだが、9月に入って運動会が近くなってきたことで購入を決意。いつものカメラ屋さんで注文し、3日程で入ってきた。結構早い。家に帰って早速試してみる。前回の格安レンズとは違い、EXレンズなのでケースもちゃんと付属している(ケースの作りは…ちょっと…)し、塗装や作りもしっかりしていそうだ。デザイン的にも悪くない。レンズを取り出して、大きさの割にはかなり軽く思えるフードを取り付け…取り付け…取り付かない??


 
● ヘンなのはフードだけでは無い ●
 フードは2本爪のクリックストップ式で、今持っている24-135mmF2.8-4.5とほぼ同じ構造(作りは違うが)。はめ込んで90度ほど左へ回せばクリック感があって取り付けられるはずだが、実際は45度ほど回ったところでどうしてもそれ以上奥へはめられない。無理にはめようとすると今度は抜けなくなってしまいそうになった。フードは花形になっているので、きちんとした位置にはめられないとフードでケラレが出てしまう(実際には10DのCMOSは小さいのでケラレは出ないのだが)。
 翌日あわててカメラ屋に持ち込んだのだが、店員さんはすぐに理解してくれなかった(とりあえず付けられるので勘違いしたようだ)。さんざん説明してなんとか代替レンズをすぐ手配してもらうことになった。フードだけかもしれないが、他に症例がなければレンズ本体ごと換えてもらうことになり、最終的には実際にレンズ本体ごと交換になった。

AFの精度をテストするためにプリンタのインクカートリッジの空箱を並べてみた。前から二つ目にピントを合わせる  代替レンズが来るまで営業日で3日程かかり、間に休日を挟むということもあり、とりあえずフード無しでもいいから使わせてもらうことにした。使い始めた印象は、さすがにF2.8のレンズということもあり、明るいファインダーと、狭い被写界深度が印象的だった。普段ならこれまでのレンズ(24-135mmF2.8-4.5)を使って撮影するところでも、わざわざ70-200mmF2.8を持ち出して撮影してみたりした。やはり明るくてしっかり作ってある?レンズは違う。解放からしっかり使えるし、使っていても静かで気持ちがいい

 しかあし!。世の中そううまく行くことばかりではなかった。何十枚もの写真を撮影し、色々確認していくうちに何かおかしいことに気がついた。ピントが今一つ合っていない写真があるのだ。全てとは言えないが、殆どの写真は微妙に後ピン(後ろにピントが合う)になっている。AFエリアの合わせ方や被写体の動きでずれたのかな、とも思ったが、いずれのせいでもないと思われるものも複数あり、これはどうもレンズ固体の問題ではないか、と思うようになった。

 実際に室内で同じようなものを複数、少しずつずらして撮影してみた。使ったのは今使っているプリンター、PM-900Cのカラーインクカートリッジの空箱。何かに使えないかな、と思って取っておいたのだが、まさかこんなものに使えるとは思わなかった。

いちばん右側にピントを合わせたはずが、後ろの二つにピンが来ている  上の写真のように箱半分ずつずらして設置し、数m離れた地点から撮影する。カメラは三脚に固定し、セルフタイマーで撮影するのでブレは無いはずである。ピントは前から2番目、一つ引っ込んだ部分に合わせる。結果、写真の一部を切り取って3つの箱の説明部分を写真(原寸)で出してみた。一番右側の箱がピントを合わせた部分。ここはピンボケで、後ろの二つの箱、特に一番後ろの箱にピントが来ているのが分かるだろうか。

 このようにやはりピントのずれは認められた。ただ、面白いのはズーム全域で同じような傾向があるわけではなく、70-90mm以下ぐらいまでは直前のピントの位置に左右され、どちらかに微妙にずれている。90mm−200mm未満までは、ほぼ全て後ピンになっており、1〜2個後ろの箱にピントが合ってしまっているのだ。これでは思ったところにピントが来ないのも無理は無い。しかし、ズーム一杯にかけた200mmになると、とたんに精度が良くなって、ピントのずれは気にならなくなる。

ズームレンズを使用するときはワイド端やテレ端を使うことが多いので気がつきにくかったのだが、10Dの場合テレ端だと360mm相当になり、スナップで使うには望遠過ぎるためにズームを微妙に調節することも多く、気になり始めたようだ。このままでは使えない、と思っていたのだが、幸いにもフードの件で本体ごと交換となり、ギリギリで息子の運動会には間に合った。

 で、交換後のレンズ。また不具合が出てはたまらないので、店頭にカメラも持ち込んで動作確認をし、持って帰ってもピントのチェックをしてみた。まだ微妙に誤差があるような気もするが、AFの範囲やばらつきから見ても、それほど不満の無いレベルに収まっている。やはり本体にも何か問題があったと見るべきだろう。

 更にレンズ本体になにか異常があったに違いない、と思ったことの一つに、レンズを交換してからAFスピードが明らかに速くなっている、という事実もある。交換前のレンズは単に「静かな」AFだったのだが、交換後は「静かで速いAF」に変貌していた。実際に速度を計り比べたわけではないので表現しにくいのだが、交換前は「スーックククッ」という感じで合焦していたのが、交換後は「シャキーン!」という感じで(多少オーバーか)一撃でピントが合う、というような感じがしている。迷いが無くなった、と言ったほうがしくりくるかもしれない。

2本のレンズのズームリング部分。確かに向きが逆になっている。これで同じメーカー?  
● 妙な違和感 ●
 うまくフードも付いて、ピント等の動作もほぼ問題無くなった70-200mmF2.8だが、子供の運動会で早速実力を発揮することになった。運動会は天気が良くて、絞りをF5.6〜8まで絞っても十分なシャッタースピードを得られたため、F2.8の明るさそのものを発揮することはあまりなかったのだが、それでも明るくクリアなファインダーは、子供を見つけるのに役だったし、高速なHSMのAFは使っていて気持ちよかった。

 ただ、70-200mmという焦点距離は35mm版換算で105m〜320mmにもなる。テレ側は300mm超ということで結構重宝したのだが、ワイド側は通常のスナップを撮影する、というには不向きで、その時は手持ちの24-135mmF2.8-4.5とレンズを付け替えて撮影することになる。ホコリっぽい運動場でこのレンズの付け替えはちょっと問題。レンズを仮に置く場所も無いため、結構苦労した。そういう意味では今回購入候補には含めなかったが、軽量コンパクトな28-200mmレンズというのが結構便利かもしれない。

 で、このレンズの付け替えを時々していて気がついたのだが、70-200mmレンズを付けて使用したときに妙な違和感があった。何かおかしい。何?。と、ズーミングしていて気がついた。ズームリングの向きが逆なのだ。

 同じシグマのレンズで、同じEOS用なのだから当然フォーカスやズーミングの方向は同じ、と思っていたのだが、ズームリングの回す向きは逆になっている。24-135mmレンズは、カメラを構えて右に回すとワイド側、左に回すとテレ側になるのだが、70-200mmレンズは右に回すとテレ側、左に回すとワイド側になるのだ。このため、慣れるまでは思わぬ方向にズーミングしてしまい慌ててしまった。

 なんでこんなことになっているのかは判らないが、他のレンズはどうなっているのだろうと手持ちのカタログで確認してみた。すると、SIGMAのカタログでは、70-200mmF2.8を初めとする殆どのズームレンズは右回しがテレになっている。これはNikon系の仕様だ。しかし、24-135、28-200等を初めとする高倍率ズームや、120-300mmF2.8等、一部のレンズに付いては右回しがワイドになっている。理由は特に書かれていないので何故このようになっているのかは不明だ。これだとユーザーは混乱するだけだと思うのだが…。

 ちなみに、CanonのEFレンズについては徹底されていて、全て右回しがワイドになっているし、TAMRONだと全て右回しがテレにちゃんと統一されている。確認はしていないが、Nikonやミノルタも統一されているに違いない。左手の動きから言うと、Canonの右回しがワイドの方が自然だと思う(左手からこぼれるようになる=画像が遠くなる)のだが、この辺は慣れでどーにでもなる範囲なのでとにかく統一さえされていれば問題は少ないはず。SIGMAにはもう少しポリシーを持ってもらいたい。




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