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Live!な一眼 OLYUMPUS E-330


その1(購入〜使い勝手) その2(画質その他) その3(Liveな…)

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時は2006年3月。今年は「10台目のデジカメを」と企んでいた私にとって、かなりグラグラ来てしまう新星が現れた。意表を突いて発売されたOLYMPUSのE-330。必ずしも全ての要求を満たすものではないが、それ以上の魅力を期待して購入。んが、実際に使ってみると…

可動式液晶を駆使してLive撮影ができる  
● つい使ってしまうLive View ●
E-330の印象を書いてしばらくしたんだけど、ハタと気が付いた。Live Viewの話が無い(^_^;)。まぁ別に無くてもいいんだけど、この話をしなければE-330を買った意味があんましない(ヲイ)ような気がするので、やっぱり語らねばなるまい

 正直な話、自分でも思っていた以上にLive Viewは使っていたりする。使うシチュエーションというのは限られているような気もするし、クリアに見えるファインダーがあるのだからわざわざ液晶を使って撮影しなくても、という考えもある。そもそもLive Viewとはいえ、液晶表示するためにはそれなりにタイムラグもある。これはAモードでもBモードでも変わらない。だいたいコンパクトカメラのタイムラグともあまり変わらないようだ。一番良くわかるのはカメラの前で手を振ってみればいい。意外とタイムラグが大きいのに気が付くかと思う。

 で、そんな液晶画面を見るLive Viewをなんでわざわざ使うのかというと、なんのことはない。面白いからだ。これまで一眼レフカメラでなくても液晶が可動できるものはあったのだけど、残念ながらE-10を除いてそういうカメラを使う機会はそうそう無かった。そのE-10にしても、液晶画面の反応性や視認性、操作性を考えるとあまり積極的には使いたくない性能でしかなかったのだ。

 んが、さすがにこのE-330はそれなりのデキになっている。上下のアングル変更ができる2.5型の大型液晶と一発で表示ができるライブビューボタンのおかげで、かなり手軽に便利に液晶を使った撮影ができるようになっている。とにかくこれが楽しい!面白い!遊べる!

 地面すれすれに撮影する接写や超ローアングルの撮影、又は子供の頭の上から見下ろすように撮影するハイアングル撮影、ウエストレベルに構えて自然な表情をこっそり撮影。腕をめいいっぱい伸ばして届きかねるような所の花や昆虫の接写、手すりの向こうまで腕を伸ばして下に向かって撮影するスリリングな表現。どれもこれも今までの一眼レフカメラではできなくは無かったけど、やろうとも思わなかったような表現が次々にやってみたくなる。実際、具体的な例はE-330のスペシャルサイトで見てもらうとして、とにかく面白いのは確かだ。

腕をめいっぱい伸ばして撮影。ちょっと怖い  ちなみにこの写真は愛媛県総合科学博物館での一こま。階段の上から腕をめいっぱい伸ばして下に向けて撮影。体を乗り出して撮影すれば似たようなものも撮影できるが、ちょっと(かなり)怖い体勢になる。Live Viewなら腕を伸ばすだけでOK。ま、カメラを落とさないような配慮は必要だけどね。

 こういったアングルの写真は別にLive Viewでなくても撮影しようと思えばできなくは無い場合もあるし、色々工夫すればできる場合もある。ただ、そのときには特定の道具が必要だったり、地面にはいつくばらなければならなかったりと、必ずしも楽にはできない。そもそも、そんなアングルを試そうとさえ思わない事のほうが多い。

 しかし、一度このLive Viewとマルチアングルディスプレイを手に入れてしまうと、積極的に色んなアングルを試してみようと思うから不思議だ。結果、結構面白い写真が増産されてしまうことになる。思ったように効果が出ない場合のほうが多いのだけど、それなりに撮影できてしまうことも多いのでやめられない。各所のレビューでも「Live Viewは面白い!」と書きたてられているのだけど、正直「そこまでは…」と疑っていた。だけど、やっぱり「面白い!」のだ。これはもうやってみないと分からない。

 ただ、この面白さを手に入れた代わりに失ったものも少なからずあったりする。まず、その液晶の大きさだ。E-330は一眼レフカメラとしてはどちらかというと小型になる。その小型のカメラに2.5型の液晶ディスプレイを入れて、更にマルチアングルにするために縁取りが大きくなり、厚みも増してその機構が収められている。その分どうしても液晶画面周囲のレイアウトにしわ寄せがきてしまう。

 E-300では比較的余裕があったと思われる方向キーやその他のボタン類がどうしても液晶の影響でグリップ寄りに来てしまい、やや窮屈な印象になっている。実際、片手で無造作に持っていたりすると方向キーとかに親指の腹が触れてしまい、気が付くとISO変更メニューや連写モードメニューが出てたりする。

 また、この後でまた書くつもりだがLive Viewボタンが押しやすく目立つ位置にきてしまっているため、ここに来るべきAELやAFLボタンが別の位置に追いやられてしまっている。結果、操作性が犠牲になってしまっているわけだ。

 Live View時の機能ももう一つの点がある。オプション設定をすると暗いところではゲインアップして白黒でもとにかく見えるのはいいけど、Aモードで出て欲しい水平線等の補助線が、なぜか照明写真用枠しかないのはどーなのよ。その他にも、液晶そのものの見え味は多少赤っぽいのを除けばそこそこなんだけど、やっぱり昼間の屋外ではLive Viewとして使えるほど明るくはなかったり…

 とにかく便利で楽しいLive Viewだけど、詰めがもう一歩甘い。結局、一眼レフとしての性能は…つづく…。

親指AFはしにくいし、C-AF時は連写が…  
● 合わない性能 ●
 購入以後結構楽しく使わせてもらっているE-330だが、撮影枚数が増えてくるにつれて不満点も当然出てくるようになった。人によっては必ずしも欠点とならないことも多いと思うが、自分としては「これは…」というのもあり、始めに思っていた通りになっていないのもある。はたしてどうしたものか

 始めに気が付いたのは、体育館とかで集合写真を撮影したとき。低いアングルから天井のライトを入れて撮影してみたかったのでライブビューを活用し、地面すれすれの位置から撮影した。撮影直後のプレビューではそれなりに写っていて、面白いアングル(背景の大半は天井)でいけると思った。

 んが、帰ってPCで確認してみると、ほとんどピンボケなのだ。Lサイズでちょこっと見るぐらいならフォーサーズの焦点深度の深さも手伝ってさほど気にはならないのだけど、やっぱりピンボケしている。良く見ると、背景にはきちんとピントが合っている。中抜けしているような感じだ。

 おっかしいなぁ、ちゃんとフォーカスロックをしたつもりなんだけど…と思いながら他にもいろいろチェックしてみたが、どうやらライブビューでのピンボケ率が妙に高い。しかも、そのほとんどが中抜けしているような状態で背景にピントが合っているのだ。こりゃあまずい。

 E-330のフォーカスについてもう一度考えてみると、なーんとなくピンボケの原因がつかめてきた。EOS 10Dなんかと違って合焦した時にはスーパーインポーズのLEDは点灯しない。画面横、ライブビューなら液晶右上の合焦マークが緑に点灯した状態で初めてピントが合っているという状態が分かる。

 今までEOSのスーパーインポーズに慣れてしまっていたため、それが光った時点でピントが合ってしまったと勘違いして構図を動かしてしまった可能性がある。その場合、まだピントは合ってないわけで、カメラは構図を動かした後の背景にピントを合わせてしまい、結果として中抜けしたピントになってしまったのではないだろうか。

 だとしたら問題は二つ。一つはピント動作が全体にもっさりしていて鈍く、しかも2段階で合わせる独特の動きを示すためピントが瞬時に合わないこと。そしてもう一つはピントが合ったことを確認する手段が画面横もしくは外で分かり難く、瞬時に判断できないこと。合焦音の「ピピッ」をONにするという手もあるけど、静かな場所なんかでは恥ずかしくてとても使えない。かといって合焦マークをいちいち確認していたら構図から一旦目をそらす事になるため構図を決め難いし、手持ち(特にライブビュー状態)だと構図がずれてしまって思ったところにピントが来ない可能性もある。

 このほかにも、セルフタイマーで中抜けした、ということもあった。これはシャッターボタンにAFを割り当てていると言うこともあり、構図が決まった状態でシャッターを押してセルフタイマーを動作させるとピントが中抜けしてしまうのだ。こういった状態を防いだり置きピンをしやすくするためにEOS 10DではAELボタンにAFを割り当てる、いわゆる「親指AF」をしている。

 E-330でもAELボタンがあり、同じ機能はあるのだが、実はこのAELボタンがやや下の方に追いやられているのだ。それはライブビューボタンを優先的に押しやすい位置に配置されているからに他ならない。個人的にはライブビューボタンは意識して押すものだし、ファインダーから目を離して押すものだからもっとへんぴな位置にあってもいいと思うのだが、AELボタンがありそうな位置に居座ってしまっているため、親指AFをしようとすると結構親指が迷うことになる。

 もう一つ親指AFをしにくい理由として、ライブビューがある。ローアングルでライブビュー撮影をしようとすると、カメラの上下を挟んで親指でシャッターを押す格好になるのがやりやすい。この場合、AELボタンを押す指が無いのだ。これではライブビューでの使い勝手が悪い。というわけで、現時点ではAFはシャッターボタン半押しに割り当てられたままになっている。

 レンズはどちらかと言うとEシステムでは高級な方だし、これ以上の動作は余り望めないと思う。本体のシステム的にも現時点ではピンボケの根本的な解決は難しそうだ。後は慣れるしかないんだけど、もう少し時間はかかりそうな気配。

 実はAFにはもう一つ重要な問題がある。連続AFであるC-AFモードだ。C-AF自体は普通の連続AFであり、シャッター半押しで延々AFし続けてくれるのでそれはそれで問題ないのだけど、問題なのはE-330のシステムの力不足にある。今のE-330がそれなりに使えるのであれば望遠レンズやストロボを買い足して、子供の運動会とかでも使ってやろうと思っていた。んが、ある日WebでE-330の不満が出ていた。速写ができないと言うものだ。

 速写は単発撮影モードで、シャッターを手で押して連続的に撮影する方法だ。普段連写までは必要なくても、子供の動きを撮影したいとき等は、続けざまにシャッターを押したくなることもある。ただ、このクラスのカメラだと速写があまりできない場合も多い。理想的には連写速度と同じまで速写ができればいいのだけど、試してみるとE-330の場合、AFを動作させなくても速写は結構遅い。1コマ/秒ぐらいだろうか。これはまた悩ましい。

 で、色々撮影モードを切り替えて試していたところ、妙なことに気が付いた。C-AFで連写をしてみると連写速度が遅い…。

 なぬ?何かの間違いではないかと思って色々試してみたのだけど、やはりC-AFにしたとたんに連射が遅くなる。AFの状態にもよるようだけど、通常のシングルAFだと3コマ/秒の連写はほぼ確実にできるようなのに、C-AFにしたとたんに1〜2コマ/秒ぐらいまで極端に落ちるのだ。こ、これでは運動会の子供の撮影には使いにくい…。

 思うに、連写などのCPUに負担のかかる作業が行われると、AF等の動作の影響がかなり大きくなるのではないかと思う。ライブビューの切り替えもそうなんだろうけど、システム全体を使おうとするととにかく負荷がかかって連写が遅くなるようだ。再生時には拡大/縮小やサムネイル表示なんかも結構速くて「おっ、やるじゃん」と思っていたのだけど、こんな所に落とし穴があったとは…。

 レンズや本体の解像度がもうひとつという点や、今回の件も含めてこのE-SYSTEMを揃えるのはちょっと…という気がしてきた。その場合、システムとしてそろえるのはEOSシステムの方になる。しかし、投資の関係があってそうそう充実させるのも…難しい。




その1(購入〜使い勝手) その2(画質その他) その3(Liveな…)

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