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周辺機器 こだわりの一品


そして本物 Canon EOS 10Dその1(購入〜レンズ)

EOS 10Dその2 操作性〜ポーチ EOS 10D その3 F2.8望遠ズーム その4 F2.8ズーム他

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 2003年7月。この年はいつになくパソコン関係への投資が抑えられてきた。というのも、パワーアップにあまり魅力を感じなくなってきていたというのもあるが、再びデジカメを買おうという話になってきたからだ。2003年までに既に5台以上のデジカメを購入し、そのうち4台はまだ手元にある。これ以上購入してどうするのか。しかし、そこにはちゃんとした(^_^;)理由があった。

新しい一眼レフ、10Dと満足できなかったE-10。10Dはその隙間を埋めてくれるのか  
● E-10の不満 ●
 2003年に入ってから、パソコン関係の投資を比較的押さえ込んできた。1月にはメモリの増強やHDDの増強をやっているのだが、12月に急遽購入したノートPCの余波とか、2月3月はスキーとかで思ったより出費が重なったということもあった。んが、3月以降は実は目的があった。3月に発売になった一眼レフカメラ、CanonEOS 10D(以下10Dと略)を何とかして手に入れたいと思うようになったからだ。

 デジタルカメラというのはここ5年程で急速に発達し、今やフィルムカメラを駆逐しようとしている感じになっているが、まだまだ発展途上で新しい物が出てくるとこれまでの物が陳腐に思えてきて、すぐに買い換えたくなってしまうのだ。

 ほぼ2年前に購入したCAMEDIA E-10も例外ではない。購入したときには既にE-20が発売になっていたので、そのときに既に旧機種になってしまっていたというのもあるのだが、最近は特にストレスを感じるようになってきていた。

※注:ここからしばらくは、OLYMPUS CAMEDIA E-10についての不満です。EOS 10Dの話ではありませんので、ご注意ください。

E-10については、だいたい購入したときからの不満ではあるのだが、ざっと挙げると次のようなことがある。

・起動、書き込み、再生、拡大等の動作がすごく遅い
ISO感度が80と低い。320までは増感度できるが、かなりノイズが出る。
・望遠側が少し弱い。テレコンを付けると200mm相当まで行けるが着脱がかなり面倒
・バッテリーの持ちが悪い
・長時間露出時のノイズが多く色再現が悪い

 動作に関しては今更書くまでもないかもしれないが、起動してから撮影できるまでに(場合によるが)10秒以上、撮影してから再生モードに移ってその画像を表示するまでにまた10秒以上を要する。画像はデジタルで記録されるし、画質は悪くないので一応デジタルカメラとしては合格しているのだが、その場で確認する、というデジカメならではの機能をまともに使うのはかなり苦しいのだ。

 一応、撮影直後のプレビューもできるのだが、プレビューをONにしているとプレビューされている間、次の撮影ができない。画像を確認したかろうがしたくなかろうが、そこで数秒は待たなければならないのだ。あまりにイライラするので結局プレビューはOFFにして使っていた。その分失敗しても分からないことも多く、ヘンな写真も数多く撮影してしまったものだ。

 ISO感度に関しては昼間の外であればまず問題にならない。また、室内でも三脚等に立ててじっくり撮影できればそれほど問題にはならないのだが、個人的には子供の撮影をメインにしているので、動き回る子供を相手にすると、室内でISO80というのは相当に苦しい。レンズはF2.0〜2.8と、十分に明るいし、開放から十分使えるちゃんとしたものではあるのだが、どうしても感度が不足している。

 参観日や音楽会とかになるとフラッシュも使えないのでなおさらだ。音楽会等では結局ISO320まで増感して撮影しているのだが、そうするとノイズはそれなりに発生している。写真として使えないわけではないが、結構くやしい。

 望遠が弱いのはレンズ固定のカメラなのである程度仕方ない。実際ズームとしては4倍ズームであり、35mm相当で35〜140mmまでカバーしてあるのでたいていの場合は問題ない。これでオッケーだ。ただ、子供の運動会とかになると140mmってのはまるで足りない。少なくとも200mm、できればそれ以上の望遠が欲しくなる。それまで銀塩で持っていたのが70-200mmのズームということもあり、1.4倍のテレコンバーターだけは用意しておいた。ただ、この場合、前玉のフィルターネジに取り付けるタイプで、一旦付けるとケラレの関係で最望遠側(200mm相当)でしか使えなくなる。望遠だけでなく近くのスナップとかも撮ろうとするとその度にテレコンをネジってつけたり外したりしなければならない。これがまた相当面倒であったりした。

 バッテリーは悪名高き?ニッケル水素電池4本。リチウムイオン電池を搭載できるバッテリーグリップを購入すればほとんど電池の心配はしなくて良くなるのだが、それだとただでさえ大きく重いE-10が更に重くなるし、価格的にも割に合わないのでバッテリーホルダーの予備で運用してきた。ただ、自己放電の激しいニッケル水素電池はサンデーカメラマンの私のパターンには合わず、毎週末に自己放電補償の継ぎ足し充電をしてからカメラを持ち出すのはええかげんイヤになってきていた。だいたい、必ず予備バッテリーが必要なので、やっぱり重くてかさばるのだ。

 長時間露出時のノイズ等に関してはもともとあまり期待していなかったので、不満として書くとE-10にはかわいそうかもしれないが、使える銀塩一眼レフを手放してしまった今では、天体写真を撮影するのに気軽なノイズレスのデジカメが欲しくなってきていた。

 こういった不満点を特に気にしなければ(ムリ)、E-10は結構使えるし、画質もいいので気に入ったデジカメではあった。しかし、10Dの登場でレンズ交換式の一眼レフデジタルカメラが一気に普及価格(20万円以下)になり、ターゲットに入ってくると、もういてもたってもいられなくなってしまったのだ。結果、タンス預金突入モードとなったのであった。


  ついに購入してしまった本格一眼レフ。これぞ本物。  
● そして購入 ●
 今回の購入ではもっぱら関心は財務状況と購入のタイミングだけで、機種の選定はほぼ10Dで決まりだった。というのも問題なのはノイズで、EOS10Dのノイズレス画像は群を抜いていたからだ。実際にはS2Proもノイズは少ないようで、目的とする天体写真もかなりの人が撮影しているようなのだが、いかんせん情報が少ないのと、レンズのラインナップ上、(たとえ買えなくても)キヤノンの方が魅力的だったこともあり、操作性なども考慮してこちらを選択した。将来的にはどこかで後悔するかもしれない。

 現在(2003年7月)購入のターゲットに入る20万円前後の一眼レフデジタルカメラというと、今回購入したCanonのEOS 10D、NikonのD100、フジフィルムのFinePixS2Pro、そしてシグマのSD-9と4機種ほどがある(E-20は論外、ね)。つい先日OLYMPUSの一眼レフE-1の発表もあったのだが、発売が10月以降だし、プロをターゲットにしていることもありレンズ込みで30万程度になるという話だったので、こちらは候補外だった。だいたいレンズメーカーの安価な互換レンズが使えないというのは痛い。

 で、D100やSD-9の場合はノイズ性能が悪いとか、画角が1.7倍になってしまうとかの問題もあって候補から外れ、残ったのが10Dということだ。悩んだというよりも、コレしかない、というのが正直なところだ。

 購入のタイミングは夏のボーナスを当て込んでいたこともあり目標を7月〜8月と定めていた。9月になれば子供の運動会があるし、それまでに手に入れておきたかったのだ。5月〜6月ぐらいは色んな情報を見ながらモンモンとしていた。そんな時、レンズ本を見て簡単な情報だけは掴んでいたのだがシグマの24-135mmF2.8-4.5が発売になることを知った。似たようなレンズはタムロンが24-135mmF4.5-5.6を発売しているのだが、これよりは半絞り明るいし、価格的にもいい線行きそうだったのでこれを1本目のレンズとして選んだ。

 カタログやWebで色々情報を集め、資金繰りの目処が立ったのは7月の半ば。ほとんど買うつもりでいつものキタムラへ。で、比較的よく知っていそうな店員さんを捕まえて価格交渉。2週間ほど前に見積もりをしてもらおうと思ったときはまだレンズの情報が十分でなく、正確な価格は得られなかったのだが、7月も中旬となるとちゃんと情報が出てくる。結果、レンズと256MBのCFを込みにして税込みで23万円。予想しておいた価格ではあるが、この辺は資金繰りが相当苦しくなるレベルでもある。過去に購入したどんなカメラよりも、どんなPCよりも高い価格だ。しばらく悩んだがとりあえず押さえてもらうことにした。恐らくこの原稿を皆さんが読んでいるときはこれよりも安くなっているだろうし、何年か経ってから見たときには「うわ、こんなに高かったのか」と思うに違いない。デジタル機器の宿命かな。

 このときになって展示してあったEOS 10Dを初めて触らせてもらったのだが、感じとしては「重くてでかい」というのが印象。そもそも銀塩で使っていたのがコンパクトなOM-2S/Pだったこともあり、色んなユニットが内蔵されたAF機ってのはほとんど持ったことが無いのだ。それにしても大きく感じた。でかいでかいと思っていたE-10が小さく感じる。ファインダーを覗いた感じは特に違和感は無く、これなら使い勝手に困ることもあまり無いだろう、ということで発注。

 んが、レンズの発売が7月の19日。納期の関係も当日(休み)では分からないので、正式な発注は月曜日以降ということになった。月曜日に確認してみると、既にメーカー在庫はあるそうで、2,3日中に入荷とのこと。10D本体の方は一時あちこちで品不足も噂されたのだが、とりあえずキタムラには複数台があるようで、こちらは特に問題なかったようだ。

 CFの方は価格と容量の関係から256MBを選んだ。LargeFineで撮影すると1枚2MB以上になるので100枚前後しか撮影できないのだが、今までの経験から100枚を超えて撮影することはまれで、更にはLarge Nomalの圧縮率でもおそらくかなり満足できるであろうと踏んでいたので容量の心配はあまりしていなかった。E-10でもそうだったが、子供のスナップを撮影する程度であればFineの圧縮率とNomalの圧縮率では区別つかないのだ。(細かい所を見れば違いはあるが)。

 それよりも気になったのは購入するCFがハギワラのVシリーズという普及型ということだった。MZ-3の時に購入したZシリーズでは少々予算オーバーになるという。速度に不満が出ないかどうかかなり不安だったのだが、色んな情報を見るとEOS10DとVの相性は良く、VとZの差は、9連射した後の書き込みで10秒ちょい待つときにせいぜい数秒の誤差、という程度らしい。これならよほどの事が無い限り高速タイプが必要ということはなさそうだ。本体側の機能がしっかりしていれば筆を選ばず、といったところか。


  135mmにめいっぱいズームすると盛大に伸びるレンズ  
● シグマの24-135mmF2.8-4.5というレンズ ●
 EOS 10Dの場合、CMOSの大きさの制限の関係でレンズの焦点距離が1.6倍、というか中央がトリミングされた形になる。そのため普通のレンズだと広角側が不満になってしまう。これまで使っていたE-10だと広角側で35mm相当ということだったのだが、これで不満に思うことは少なかったので、まず35mm相当の画角があればOKということになる。

しかし、35mm÷1.6=21.8mmとなるので、十分な広角を得るための標準ズームなら20-40mmの超広角ズームレンズが必要になる。ただ、この場合だと望遠側に不満が出ることは必須なので、安価でもいいから望遠に強い標準ズームが欲しくなる。しかし、いきなり2本も購入する余裕は無いし、そもそも付け替えるのはやっぱり面倒だ。これが、広角側は24mm(=38.4mm相当)でもいいよ、という話になるとレンズの選択幅が相当に広くなる。

その中で特に気になっていたのが24-135mmというズームだ。広角側で24mmが使えるというのもあるが、望遠側で135mmというのは10Dの画角で135×1.6=216と、ほぼE10で使っていた範囲をカバーしてしまっているのだ。Nikonだと24-120mmというズームもあるのだが、Canonだとシグマとタムロンの24-135mmという選択しかなくなる。しかも、タムロンの24-135mmはホームページ上で10Dの場合はマニュアルフォーカスでお使い下さいということになってしまっているので(実際はAFも使える場合が多いようだが)、事実上レンズはシグマの24-135mmF2.8-4.5しか無くなってしまっているのだ。

 そういうわけで購入したシグマの24-135mmF2.8-4.5(それにしても長い名前だ。シグマの場合、簡単な型番というのが無いので表現する時は不便だ)だが、実売価格は45千円程。レンズの持っている数字から見るとずいぶん安価な印象を受けるのだが、普及型のレンズってのはこんなもんらしい。実は作りも結構安っぽい。シグマのレンズのうち、EXとある高級機種は表面の塗装やデザインも結構イケるのだが、普及タイプの無印品はそれなりにチープな印象だ。非球面レンズも使っているのだが「Asherical」の表示さえ無い。フードは2本爪だが、付け外しはあまりやり易くない。

 肝心の描画性能だが、これもあまり芳しくない。レンズから数m離れた位置で新聞紙を広げて、E-10と10Dの画質比べをしたのだが、このレンズの場合、絞り開放で撮影すると全体にもわっとしたソフトフォーカスのような描写になり、周辺でも苦しくなる。これを1−2段絞ってやるとかなり改善されてカリっとした映像になるのだが、開放で使うのは少々勇気が必要だ。当面は絞り優先で1−2段絞って使うことになるだろう。ちなみにE-10の場合、歪みも大きく必ずしも良好な画像とは言い切れないが、開放と絞った場合の差は少なく、違和感も少ない。

絞り開放だとどうもぼやっとした描写になる F8まで絞ると少しまともな像になり、周辺部もマシになる。

 写真は135mm時。新聞紙を画角一杯にして撮影したもののうち、中央部分をトリミングしたものだ(実寸)。ぼやっとした方が絞り開放のF4.5。少し締まって見えるのがF8まで絞ったものだ。トリミングして再圧縮しているので更に画質が落ちてはいるのだが、画面中央部でコレだから、周辺部は推して知るべしだ。夜空を撮影してみると思いのほか画質の荒れは感じないのだが、この開放でぼやっとした描写はいかんともしがたい。プログラムモードで撮影すると、光量が少しでも足りないと節操無くすぐ開放になってしまうので、ボケボケの写真を量産してしまうことになる。「開放より1段絞るプログラムモード」というのがあると便利なのだが…(^_^;)。

ちなみに、Canon Image Gatewayにこれらの元画像を上げておいた。参考にしたい場合はどうぞ。

 他の使い勝手から言うと、実は大きさがかなり大きい。24mmの状態では短くコンパクトなのだが、それでも直径83mmとかなりあるので左手に持つにしても少々持て余す程。重量も530gとそれなりにあるのでカメラを片手で持つのは少し苦しい。この直径が太いのには理由があって、全長をコンパクトに収めるためにズーミングしたときの繰り出しが2段チューブ式になっているからだ。135mmまでズームするとそれはもう盛大に伸びる(^_^;)。フードをつけた状態だと結構な威圧感がある。繰り出した先端部はそれほど重量が無いのでズームロック機能が無くてもレンズが勝手に伸びたりすることは無いが、伸ばした状態で先端を押し込んでやると短くなってくれる。少し不安な気もするが便利といえば便利だ。

 ※しばらく使い込むと、ズームリングが緩くなってきて、上に向けるだけでワイドに勝手になってくれる。少々問題だ。

 AFは高速(というか一眼レフの比較対照が無いので多分だが)で不満は少ない。ただ、AIサーボ状態で常にフォーカスが変化する状態だとジャコジャコジャコとかなりうるさいのも事実だ。この価格で超音波モーターを期待するのは無理かもしれないが、シャッターも含めて音には少し気をつけたほうがいいかも。そのシャッター音だが、それなりに音が押さえ込まれているのか、「カシャッ」と言うよりは、「カコポッ」というこもった感じの音になっている。最近の一眼レフの音を知っているわけではないのだが、気になるような音ではない。なによりフィルムの巻き上げ音が無いから銀塩よりは格段に静かだ。

 標準ではフォーカスが合ったところで「ピピッ」と音が鳴るようになっている。フォーカスが合ったことが明確に分かるし、撮影のリズムも掴みやすいので鳴ったほうがいいという人もいるのだが、この音が結構騒々しいし、個人的には恥ずかしいので、ちょっとだけ試したら後はOFFにしてしまった。10Dの場合(D60でもそうらしいが)フォーカスが合ったところでそのフォーカスゾーンが赤く光るのでファインダーを覗いていてもピントが合ったかどうか分かりやすい(スクリーンマットが見やすいという意味ではない)。一応ファインダーの右下にはフォーカスが合っているかどうかの緑丸があるのだが、被写体に集中しているときは見難くなるのであくまで補助的な表示だろう。

 レンズが太いと内蔵ストロボのケラレが心配になる。10Dの場合は、というかCanonのストロボ内蔵一眼レフの場合はストロボのポップアップを自動で行なうためなのか、全体にポップアップ量が少ない(高さが足りない)のでケラレやすいはずだ。さっそく、ものは試しに白い壁を対象にストロボを焚いてみた。

 結果、意外なほどケラレが少なかった。50cmの再接近状態で撮影するとさすがにそれなりにケラレが出るが、どの焦点距離でも1m程離れればほとんど目立たなくなり、2mも離れると全く見えなくなった。これは広角側でも望遠側でもそれほど差は無い。これはかなり意外だった。但し、フードを付けてしまうとさすがに盛大にケラレるので注意が必要だ。



EOS 10Dその2 操作性〜ポーチ EOS 10D その3 F2.8望遠ズーム その4 F2.8ズーム他

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