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周辺機器 こだわりの一品


そして本物 Canon EOS 10Dその4(F2.8ズーム他)

EOS 10D その1 購入〜レンズ EOS 10Dその2 操作性〜ポーチ EOS 10Dその3 F2.8望遠ズーム

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 2004年1月。いとこの結婚式が間近に迫っていた。せっかくだから絞り開放でもキレイに撮れるレンズを用意したくなった。ボケが美しくて安心して使えるはずの…やっぱり口実である(^_^;)。

右の本体に付いているのが新しいF2.8標準ズーム  
● 安心できるレンズが欲しい ●
 EOS 10Dを購入した時に同時に購入したSIGMAの24-135mmF2.8-4.5だが、絞り開放での描写が少々悪く、シャープな像を得るためには多少気を使わなければならない(絞り込む必要がある)、ということで少しストレスがたまりつつあった。絞り開放から安心して使えるレンズがあればそんな心配はしなくていいはずだ。本来なら純正の24-85mmF3.5-4.5 USMを購入するべきなのかもしれないのだが、どうせ購入するのならもっといいものを、という気持ちはあった。

 そこへ降って沸いた、というほどでもないが、EOS 10Dを使えるであろうという、親戚の結婚式という話が出てきた。比較的暗い会場で数多くの撮影をする、という意味では明るい標準ズームが欲しくなる。焦点距離はダブるのだが、カメラ購入当初から欲しいと思っていたF2.8の標準ズームを買うことにした。

 最初のレンズ選びでも書いたが、F2.8の標準ズームレンズとなると、EOS 10Dの場合選択肢はほとんど無い。28mmからが十分使えるのならいいのだが、それだと35mm換算で約50mmからになってしまうため、広角側が全然足りない。最低24mmからということになる。そうすると、純正の24-70mmF2.8LUSMか、SIGUMAの24-70mmF2.8EXDGということになる。で、価格で比べるとこれまた3倍ぐらいの開きがある。実売20万円近くする純正なんかはとても買えないので、結局5万円程度で購入できるSIGMAになってしまうのだ。

 というわけで、後で話しにする予定のストロボと、前に話の出たQV-R40と一緒に、勢いで購入してしまった。ボディを購入して1年経たない間に、SIGMAのレンズが3本。うーん。別にそんなにSIGMAが好き、というわけではないのだが、価格が手ごろなんでねぇ。

 で、実際にカメラに取り付けてみた。大きさ重さのスペック的にはそれまで使っていた24-135mmF2.8-4.5とそれほど変わらないだろう、と思っていたのだが、実際は少し重いし、特に長さが若干長いこともあって、レンズが大きくなったような感じだ。塗装やデザインは重厚感が出て高級っぽい感じはするので、いかにも本格的な写真をしてますよ、という圧迫感(という優越感)はある。

 ただ、この大きさは常用レンズとするにはちょっと抵抗がある。例のウェストポーチには、カメラと一緒に入れて本当にギリギリの大きさ。もう少しでも大きければ常用レンズとしては使えないところだった。

テストに用いた新聞。中央やや右の白い部分を拡大  ネットや雑誌なんかでの情報では結構いい描写をしてくれる、という話だったので、絞り開放での描写は正直期待していた。普及レンズの24-135mmF2.8-4.5よりはかなりいい感じになってくれるのではないか、と思ったのだ。実際、取り付けてすぐに撮影した通常のスナップなんかではFの明るい事を生かしたボケの感じや、シャープな印象は結構あったので、常用レンズとしてもかなりイイ線いけるのでは?と思った。

 ということで、やってみました新聞撮影。今回の撮影でますます感じたのは、やはりこのテストはかなりシビアだということ。ピントのずれがまともに響くし、よほどきちんと写さないと本当の実力が出ないようだ。今回も最初に適当に撮影したらピントが十分出ていなかったようで、ひどい描写になった。とりあえず適正と思われる状態で撮影したのが次の写真だ。左が70mmF2.8開放、右が同じくF8まで絞ったものだ。中央部をトリミングして、明るさとコントラストを同じようにちょっといじって、再度保存してある。JPEG圧縮が再度かかっているので、違いがちょっとわかりにくくなってしまった。

70mm望遠端での新聞撮影中央部。F2.8開放 70mm望遠端での新聞撮影中央部。F8まで絞った

 写真では差が分かりにくいのだが、絞り開放で撮影してみると、思ったような描写にならない。やはりどこか芯をはずしたような描写になり、いまひとつ眠いのだ。もしかしたらピントが微妙にずれているのかもしれないが、手動で調節してもあまり変わらない。しかし、F4まで絞ると改善されるし、F8まで絞ればかなりシャープになる。しかし、絞ればいいのであれば何もこんな明るいレンズでなくても、24-135mmF2.8-4.5でも十分使えるはず。開放での描写を比べてみると確かに多少良いのはわかるのだが、それが劇的に良くなっているか、というとかなり微妙な感じだ。絞り開放からかなり使えるに違いない、と思っていたのは多少裏切られたような気がする。

 ただ、実際の撮影ではここまでシビアな状態というのは少ない。24-135mmF2.8-4.5のときは目だって画像の芯がぼけていたのだが、24-70mmF2.8 EXDGであればさほど気にならない。新聞撮影よりももっと描写に差がある(EXDGの方が良い描写をする)ような感じがするのだ。まぁ特に望遠側では明るさにも差があるし、ここまで実写能力があるのなら価格に見合うだけの価値は持っているレンズではないかと思う。


右側が24-70F2.8EXDG、左が24-135F2.8-4.5。出目金状態とコーティングの違いが分かる  
● 不満もあるんです ●
 というわけで描写ではまぁなんとか合格、というレベルだったSIGMA 24-70mmF2.8 EXDG なのだが、実際の使い勝手となると、思いのほか今ひとつ、という感じがしてきた。EX機種なので高級感やハンドリングはそれなりにあるのだが、少なくとも私が使う分にはちょっと…という点を書いて見よう。

 なお、写真は左側がこれまで使っていた24-135mmF2.8-4.5。右側が24-70mmF2.8EXDG。大きさの違いはあまり目立たないのが分かるし、前球の大きさと出目金状態の差、更にはそのコーティングにも差がありそうなのが分かるかと思う。

1.でかくて重い

 まぁ、この辺はF2.8のズームレンズなのである程度は仕方ないところはある。まずそのいでたちなのだが、大きいのはある程度仕方ないとしても、やっぱりでかい(^^;)。重い。しかも、前球がかなり湾曲しており、デメキンのような形相になってしまっている。F2.8の明るさを確保するためにはこういう形になってしまうのかもしれないが、それをカバーするためにフィルター径が82mmになってしまっていて、これまた相当でかい。今のところ何かフィルターをつけるつもりは無いのだが、プロテクターフィルターとかをつける場合は思わぬ出費を強いられることになる。

2.ワイドで伸びーる

 まだある。レンズの機構上仕方ないのかもしれないが、ワイド側でレンズが伸びるということだ。通常のズームレンズでは望遠側でレンズが伸びて、ワイド側で縮むというのが多いのだが、このF2.8レンズだと動作が逆。しかも結構伸びる。(キヤノンの純正でも動作は同じようだが…)。レンズ&カメラを収納するときは一番縮んだ状態で行なうので、次に使うときにはレンズが望遠側になってしまっている。70mmは、35mm換算で112mm相当になっているわけだ。これは結構ツライ。スナップではどちらかというと広角側で使うことが多いので、出し入れする度に伸ばしたり縮めたりを繰り返さなければならない。特に初めのうちはズームリングが重いのでちょっと面倒だ。

3.うるさーい!

 AFは明るいこともあってあまり迷い無く動くが、動作音はちょっとうるさい。動作量が大きいときや、コンティニアスモードで被写体が動くときは周囲に迷惑ではないか?というぐらいジャーコジャーコと音が出る。結婚式ではAFが迷わないような被写体に向けてやら無いと非難のまなざしを浴びるかもしれない…。実際、式の方にも参加したのだが、音が気になるのでMFでの撮影になった。24-135mmF2.8-4.5でも音は結構大きいのだが、動作量が結構小さいので、「ヂャッ」という程度の音であまり気にならなかった。高級レンズを謳うのであれば本来ならUSM(シグマならHSMか)、そうでなくてももう少し音が小さくなるような工夫をして欲しかった。

 また、ピントの駆動も繰り出し式で、ピント調節にあわせてレンズ全長が変わる。繰り出し量はさほど大きくないので気にならないといえば気にならないのだが、接写等をしていると多少気になるかもしれない。

4.マニュアルフォーカスが面倒

 フォーカス機構でもうひとつ。マニュアルフォーカスの切り替えスイッチは他のレンズと同様にボディ近くに設けられた切り替えスイッチで行なうのだが、それとは別に「デュアルフォーカスシステム」と名づけられたフォーカスリングのスライドを行なう必要がある。これをすることでマニュアルフォーカス時には幅広のフォーカスリングでフォーカシングしやすい、ということらしい。AF時にはリングをAF側にスライドしてやればフリーになり、レンズのホールディングがしやすいわけだ。

 しかし、マニュアルフォーカスの使用頻度が少ない場合、これが結構面倒だったりする。通常のレンズであれば切り替えスイッチを切り替えるだけのワンアクションだけど、この場合はフォーカスリングの切り替えというツーアクション目が必要になる。両手で持っているときで、慣れればそれほど不便でもないが、三脚に固定しているときなどはフォーカスリングのスライド時に本体が動いてしまいそうでちょっと気を使う。アングルを固定した後ではかなり面倒だ。

 また、フォーカスリングをマニュアルにしたまま切り替えスイッチをAFにしてしまうとAFモーターに負荷がかかるため、かならずリングをAFに切り替えなければならない。結構面倒だ。そのままでも使えなくは無いのだが、AF速度が恐ろしく遅くなる。購入直後に店頭で確認したときはこの状態になってしまい、あまりのAFの遅さに「また不良か!?」とびっくりしたぐらいだ。やっぱりAF切り替えはワンアクションの方がいい。

5.こいつはケラれる

 レンズの大きさがほんの少し長くなっただけなのだが、それだけで内蔵ストロボでのケラレが大幅にひどくなった。元々24-135mmF2.8-4.5でのケラれ具合は我慢できそうな限界に近かったので、それより大きい今回のレンズでは致し方ないのかもしれないが、広角がわで盛大にせり出す機構と、近距離フォーカスで更に繰り出すレンズがそのケラレを増大させているようだ。室内撮影でストロボが必要な場合は、外部ストロボ必須となる。常用レンズとしては少々辛いか

 最後に、これは難点というより要望になるのだが、これだけAPS-Cサイズのデジタル一眼が普及したのだから、それ専用のレンズフードを発売して欲しい。特にSIGMAの場合、逆光やフレアに弱いという話をよく聞くので、デジカメのCCDサイズにあわせた大きめのフードを別売りでいいから用意して欲しいのだ。そんなに難しい話ではないと思うのだが、どうなんだろう。

 てなわけで使い勝手はちょっと問題がありそうな24-70mmF2.8EXDGだが、その描写はなかなかいい。あと、24-135mmF2.8-4.5と比較して、ということになるけど、比較的近接撮影が強い(50cm→40cmまで寄れる)。特に広角側で寄れるのはその独特の描写を楽しむ上では相当使える。撮影の楽しみを広げてくれそうなレンズではある。

 問題なのは、焦点距離がほとんどかぶってしまった24-135mmF2.8-4.5である。レンズの大きさはあまり変わらないので、どちらかが常用レンズになってしまえば、片方の出番はほとんどなくなってしまう可能性が高いので、どちらかは処分されてしまうかもしれない。ただ、今回のテストを見る限りでは、24-135mmF2.8-4.5の描写も、実はそれほど悪くないのでは?と思えるので、絞りを絞れる環境であったり、レンズを複数持っていけない旅行等では、135mmまでをカバーするその倍率が便利になるので、荷物を減らしたときは24-135mm、描写を優先させたいときは24-70mmF2.8、というふうに使い分けるようになるかもしれない。

 他人に進められるレンズかどうか、というとかなり微妙な所だ。なにせ選択肢があまり無いというのもある。が、最近SIGMAは古いレンズの設計を変えた新しいタイプをどんどん導入していることもあり、可能なら待って見るのも手なのかもしれない。

堂々たる外観になってしまうガイドナンバー40の純正ストロボ。420EX  
● 必要な光モノ ●
 前述のレンズを購入した目的の一つが、親戚の結婚式で使う、というものだったのだが、このときにやっぱり内蔵ストロボでは苦しいと思い、同時に外部ストロボ(Canonならスピードライト?)を調達することにした。

 ストロボを購入する理由はいくつかあるが、一つはやはり少し大きなレンズを使うと、内蔵ストロボではケラレ(レンズによる影)がでてしまうことだ。幸い今まで使っていた標準ズームの24-135mmF2.8-4.5ではあまりケラレないのだが、それでも近接撮影をすると少々出る。

 後、内蔵ストロボでは直射しかできない。人物スナップを撮影するときにこれでは顔の面にストロボの反射がきつく出てしまうこともあるし、人物の背面に影が写って変に浮いた感じになりがちだ。外部ストロボで天井等をつかったバウンス撮影ができればその辺はかなり緩和されるはず

 まだある。内蔵ストロボは内蔵バッテリーから電気を使うため、内蔵ストロボをあまり使いすぎるとバッテリーの減りが早くなってしまう。通常はそんなにストロボ撮影をする機会は無いのだが、結婚式とかでほとんど全てストロボ撮影になる状態で、枚数もかなり撮るのが分かっている場合はちょっと不安がある。外部ストロボならバッテリーは別になるので、カメラの電池を気にすることはあまり無くなる。

 そして一番大きいのが、ガイドナンバーだ。内蔵ストロボはガイドナンバー13で、内蔵としてはそこそこなんだろうけど、ちょっと離れた被写体を撮影するのには全然足りない。以前同窓会に持って行った事があるのだけど、そこで集合写真を撮ったときは悲惨な状態になっていた。感度を少し上げていたので部屋の照明で一応撮影はできていたのだが、ストロボの光はほぼ届いていないのでホワイトバランスは変になっていたし、ちょっと動いてしまっていた人はブレブレ状態だったのだ。やはり外部ストロボで十分な光量をもたしてやるのが正解だろう。

 購入機種としてはサードパーティー製もいくつかは出ているようなのだが、調べるのが面倒なのと、純正のスペックが値段(2万円程度)の割には結構いい感じだったので、これについては純正のストロボ、420EXを購入した。実はレンズを含めて、Canon純正のオプションというのはコレが初めてだったりする(^_^;)。

 後で気が付いたのだが、同時に購入したレンズ、24-70mmF2.8EXDGでは内蔵ストロボでケラレがでてしまうため、外部ストロボ必須だったのだ。イヤー、危なかった。

 ガイドナンバーが40ということもあり、結構大柄なストロボだが、その重さもそれなりにある。EOS10Dに24-70mmF2.8EXDGを取り付け、さらにこの420EXを取り付けると、相当立派な(^_^;)状態になる。電池が単三型4本(Ni-MH可)ということもあり、結構な重さになるので、カメラを持つ方もそれなりに構えてしまうし、これだけゴツイ形になると、カメラを向けられた被写体もそれなりに構えてしまうのが難点だ。

 ストロボの下半分にはAF補助光の放射部があり、ストロボを使うような暗い場所ではAF時、瞬間的にここから赤い補助光が放射される。カメラを向けられた方は少々まぶしいのだが、内蔵ストロボの場合の補助光の場合だと連続発行でビビビビビとストロボを焚かれるので、それよりははるかにマシだ。ちなみにこの内蔵ストロボの補助光、一部では「デビルビーム」と呼ばれて恐れられているとか(笑)。

 撮影するときは絞り優先(A)を良く使うのだが、ストロボ撮影になると絞り優先は同時にスローシンクロ撮影状態となる。周囲がかなり暗い場合はシャッタースピードが極端に遅くなり、ブレやすい写真になる。かといってシャッタースピード制限をかけると、シンクロ限界の1/200秒までで制限がかかるので、逆に周囲の明るさが不足してしまいがちだ。となると、結局はマニュアルで撮影したほうがいい、ということで暗い場所でのストロボ撮影ではシャッタースピードを1/30〜1/60ぐらいにして、絞りを適当に調節しての撮影が多い。少し明るくて被写体の暗部を起こしてやる程度の場合は絞り優先でOKだ。

 実際の写りを見てみると、思いのほかキレイに調光してくれるのにびっくりしてしまった。カメラ側のアルゴリズムも進歩しているのだろうけど、逆光状態なんかでは、本当に影の部分だけをキレイに起こしてくれる程度で、決して光量オーバーになったりはしない。ガイドナンバーが大きいだけ扱いはシビアかな?という不安もあったのだが、そんな心配はするだけ無駄、という感じだ。通常の室内撮影ではほとんどストロボつけっぱなしでオート撮影すればバッチリ。

ストロボの背面、各種スイッチとレンズの焦点距離を示すランプがある  電池の持ちも思ったより長い。今は1600mAHのNi-MH電池を使っているのだが、先日の結婚式でも200枚程ストロボ撮影をしたのに、まだまだ余裕だったし、ストロボチャージでストレスを感じることもほぼ無かった。上と左右に首を振ることもできるのでバウンス撮影も結構イケる。ただ、上バウンスだと顔の下に影ができやすいので、何でもかんでもバウンスさせればいいというほどでもないし、ダイレクトに照射しても結構やわらかい光になるので、壁際でない限りはさほど気にしなくてもいいようだ。あと、残念ながら下方向には首を振れない。

 というわけで結構気に入ってしまった420EXだが、強いて難点を挙げるとしたらその大きさ、重さと、イザというときのためのX接点が無い、ということぐらいだろうか。説明書には他のカメラに使ってはいけない、とは書いていないのだが、接点の位置や数から言ってな〜んか変に使うと壊れそうだし、ちゃんとシンクロしてくれないような気がする。EOS専用と割り切った方がよさそうだ。

 そうそう、あと一つ難点があった。どうやらEOS10D等のデジカメの場合は、デジカメ相当の焦点距離に換算してくれないようだ。420EXはズームストロボなので、レンズの焦点距離にあわせた照射範囲を自動的にズーミングしてくれるのだが、手持ちのレンズで試した限りでは、その焦点距離表示がレンズの実焦点距離表示にしかならない。EOS10Dの場合だと35mm換算では実焦点距離×1.6なので、ストロボもそれにあわせたズーミング(1.6倍)をしてくれればいいのだが、どうやらそうは行かないらしい。

50mmF1.8II  
● 超軽量レンズ 50mmF1.8II ●
 ここのところデジカメに関するアップデートはしばらく落ち着いていた。というのも、春〜秋の子どものイベントが多い時期をはずれたこと、家の中のカメラが一通りデジカメになったので当面増強する必要性が薄れたこと等がある。EOS10Dにしても、広角系のレンズが無くて不満なのは相変わらずなのだが、その辺はPowerShot60で代用できることもあり、なんとかなっている。冬場はスキーに行くことが多くて出費が多いことも関係しているが、デジカメそのものは不必要に高画素化しているばっかりで追加投資したくなるほど欲しいものがないのも一つだ。

 ということで、以前から欲しかったけど必要性の観点から少し購入を控えていたものに手を出してしまった。交換レンズだ。ただ、今のレンズラインナップにそれほど不満はないのでそれほど高価なレンズには手を出せない。価格が安くてある程度購入できる意味にあるレンズということで、50mmF1.8Uというわけだ。

 実は二カ月ほど前にも購入しようとしていつものカメラ屋さんに行ったことがあった。んが、そのときは丁度EOS KissDNの発売直後。そこに展示してあるKissDNとその値段を見てしまったのだ。カタログスペックを見る限りでは現状のEOS10Dとほぼ同じか、起動時間等は上回る点も多い。これは欲しい。と思ってしまったのが運の尽き。タンス預金モードに突入し、その場はレンズの注文をしないままになってしまった。

 しかし、その後実機をさわる機会があって実際に撮影してみたのだが、気になったのはその音。特にモーターの音は連射したときにかなり甲高く響き渡る感じがした。今の10Dではそれほど気にならない場面でも周りの注目を浴びてしまうことは必死。コンパクトなのはかなり魅力的なんだけど、今の10Dと入れ替えてまで…ということで購入候補からは外してしまった。

 その後知人の*istDSをさわる機会があったのだが、コレにつけてあったのが50mmF1.4(MF)。また今となってはずいぶんマニアックなレンズだが、あらためてそのコンパクトさにほれぼれしてしまったのだ。ファインダーを覗くと75mm相当の視野になるのでちょっと使いにくい感じはしたものの、これだけコンパクトだと色々使いやすそうだな、とも思った。

   今持っているレンズはいずれも500gを余ってあるレンズなので、大きく、重く、使いやすいとは言いにくい。その分ズームだったり明るいれんずだったりするわけだが。

 それなら、一度軽くて小さいレンズを使ってみよう、ということになったわけだ。EOS10Dだと本体が大きくて重いのでそれほどコンパクトな感じはしないかもしれないが、それでも現行発売されているレンズの中で一番安くて軽いレンズならキャップ代わりに一つぐらい持っていてもいいかもしれない。いろいろな情報を集めてみると、その1万円を切る価格の割には写りもいいらしい。ええい、勢いだ。とにかく発注。

 店頭に並べてあるのは見たこと無いので、もちろん注文。価格は予想通りの9800円だった。税込みだからまぁこんなもんだろう。二日ほどで届いて、店頭でお店の人と現物を確認。持った瞬間「うわ。軽っ」。100gちょい(130g)のレンズだから、とにかく軽く感じる。レンズマウントはプラスチックだし、距離目盛りさえもない。AFで動作させるとジャコジャコと音を立ててAFする。うーん。安っぽい(^_^;)。ま、実際安いんだけどね。

 実際にEOS10Dに装着してみると、10Dってこんなに軽かったっけ?と思うほどアンバランス。ボディが今となっては大きめのカメラだから、レンズが完全にボディに負けてしまっている。その分コンパクトになるわけで。思い切ってこれ1本で出かけることができれば、これはまた違った使い方ができるようになる感じだ。

50mmF1.8開放。ピントがなかなかあわない F8まで絞った。中央部は多少良くなった程度だが、周辺の描写がかなり良くなる

 肝心の写りの方はどうか。上の写真はいつもの新聞1面写真の中央部トリミング。左側がF1.8の開放。右側はF8まで絞ったモノだ。EOS10DのAFは(少なくとも今持っているレンズでは)完璧からはほど遠いのであまり期待はしていなかったのだが、やっぱりその通りという感じだ。AF速度そのものはどうこう無いのだが、AF動作をするたびに微妙に動く。被写体にもよるが、ピントがいまいちな場合があるようだ。

 ただ、ピントが合ってしまうと後はそれなりに写る。中心部はF1.8の解放から悪くない描写を見せてくれる。普通はここから絞っていけば画質があがってくるのだが、多少絞ったところであまり変わらないような感じだ。これなら思い切って解放近辺で薄い被写界深度を生かした写真を撮ることもできる。いいかも。

 んが、今回テスト撮影の画像をよく見てみると、周辺部でかなりの差が見られた。要は開放だと周辺部の画像は使えた物ではなくなるし、周辺減光もバカにならない。実際には人物等の撮影では中央部に被写体を据えるのであまり気にならなくなるものの、新聞などのきっちりしたものだと周辺部の画像の悪さは目を覆いたくなる。ま、F5.6〜F8まで絞っていけば中央部と変わらないレベルまで改善される。

 焦点距離が50mm、EOS10Dでは80mm相当になるため、使い勝手としては中途半端。ポートレートとかを中心に撮影する場合は丁度いいんだけど、普段撮影するのはもっぱら子どもなのでモデルを撮影するのとは違って広角寄りでの撮影が多い。うーん。中途半端(^_^;)。

 それならもっと違ったレンズを購入すれば、という話にもなるのだが、今後のカメラをどうするかという問題もあってこれ以上レンズにあまりお金をかけたくない。しかし、純正のレンズを1本ぐらい持ってた方が何かあったときに安心できるというのもある。しばらくは物珍しさも手伝って使ってみることになるけど、飽きてきたらちょっと?高級なレンズキャップ、といった感じになってしまうか?もう少しつきあってみたい。



EOS 10D その1 購入〜レンズ EOS 10Dその2 操作性〜ポーチ EOS 10Dその3 F2.8望遠ズーム

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