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周辺機器 こだわりの一品


ワイドな快感 Canon PowerShot S60その1(購入〜使い勝手)

その2(画質その他) その3(活用編)

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 2004年9月。懐に余裕など無いはずなのに、運動会シーズンを前にしてワイドレンズが欲しい、という欲求が再び出てきた。しかし、時は2004年夏。業界にひとつのブームが起きていた。またまた買うのか!?とは思うものの、やっぱりそこにはそれなりに理由がある。今のCanonならば間違いないはず、そう思ったのだが…。

広角レンズの代わりに買ってしまったS60。ホントに使える…!  
● 広角が欲しい! ●
 世間にはかなりの割合で行き渡り、既にカメラといえばデジタルカメラ、と言ってもおかしくない状態になってきた。こうなってくると商品の進歩も少しは鈍るというものなのだが、ことデジカメに関してはその気配がない。どんどん進化を続けていくもんだから、こちらもついつい目移りしてしまう。しかし、これまでにデジカメは7台も購入しているし、EOS 10DQV-R40を購入以後は、まぁ当面新しいのを買うことは無いだろう、と思っていた。

 しかし、実はそこでカメラ関係の購買意欲が衰えていたわけではない。EOS10Dを買ってからというもの、立て続けにレンズ3本を購入してしまったので標準〜望遠側についてはほぼ満足行くラインナップになったものの、こと広角側においては不満だらだらの状態が続いていた。

 そもそも、EOS 10Dだと24mmの広角レンズでも、表記の1.6倍相当の画角になるため、たかだか38.4mm相当の画角しか得られない。ヘタなコンパクトカメラより狭い状態だ(実際は縦横比が少し大きいので、これでもあまり不満は無い)。室内の状態や風景を撮ろうとすると物足りないことも多かった。

 銀塩カメラを使っていたときは28mmレンズを一本持っていて、コレを使えば画角の不満はほぼ出ることは無かった。したがって、EOS 10Dでも28mmに相当する画角、すなわち28÷1.6=17.5、まぁ17〜18mmのレンズが一本あればなんとかなるだろうと思っていたのだ。

 というわけで狙いを定めていたのがCanonの純正Lレンズ、EF17-40mmF4L USMだ。このレンズはシャープさに定評があり、多少大きくて高いけどLレンズとしてはリーズナブルで使いやすいので、広角レンズを買うならコレと決めていた。

 ただ、問題はその価格。定価で12万円、売値でもだいたい10万円近辺をウロウロする値段。これならEOS Kiss Digitalがもうちょっとで買えてしまう。ヘタをするとEOS Kiss Digitalのレンズキットを買って、その専用レンズ、18mm-55mmF3.5-5.6USMを使ったほうが手っ取り早いし便利かもしれない、というレベルになってしまう。

 まぁ広角レンズなら他にもSIGMAやTAMRONからも出ているのだが、私の場合、未だに純正レンズを1本も持っていないということもあり、どうせ買うのならきっちりした17-40mmF4L USMを欲しいと思っていた。んが、ここにきてまたまた問題が出始めていた。そう、例のPCのトラブル続きだ。Visorを筆頭に、プリンタージョイパッドディスプレイHDDと、結構高額な(ジョイパッドは格安だけど)トラブルが続いたため、先立つものがとても用意できるレベルにはなくなってしまったのだ。困った。

 しかし、この夏にかけてカメラ業界では気になる変化が起こった。まぁ、考え方によっては正常な状態に戻りつつある、と言った方が正しいのかもしれない。そう、この「気になる変化」というのがコンパクトカメラの広角化である。それまでも高級レンズ一体型カメラの一部では、28mm相当の広角寄りが撮れるカメラがあったのだが、コンパクトカメラ系では35mmスタートがほとんどで、モノによっては38mmとか39mmとか、望遠寄りのレンズも珍しくなかった。それが、ここ半年ほどで28mm相当が撮影できるコンパクトカメラが激増したのだ。直近ではNikonが高級コンパクトではあるが、24mm相当が撮影できるCOOL PIX8400を発表している。

 中でも気になったのがCanonの中堅どころのコンパクトカメラ、S60だ。500万画素がこなれた頃に出てきたというのもあるが、Canonの定評あるDIGIC処理によるコンパクトな28mmスタート3.6倍ズームレンズ、ということで安心感のある28mm広角コンパクト、という印象が強かった。

 同じ頃に出てきたリコーのCaplioGXというのもあり、こちらは価格も安いし、広角を推し進めて来たリコーだし、更にワイドコンバージョンレンズが格安でセットできる、ということもあり、広角ならコイツという感じでなかなかいい味を出しているらしい。実際、ネット上でも色んな話で盛り上がっている。

 しかし、それまでのリコーのカメラだと画像処理的に不満バリバリだったので敬遠していたし、このCaplioGXでも画像処理は(以前の300万画素クラスのリコーのカメラに比べると)格段によくなっているとは言え、いまいちのような気がする。特にこういったレビュー記事で画質を一度比べてしまうと、クリアに写るCanon PowerShot S60の画質にはどうしても惹かれてしまう。(実際に印刷してみると必ずしもそうとは言い切れないかもしれないが)

 そう、結論が遅くなってしまったが、デジタル一眼レフの広角レンズを買う代わりに、この広角コンパクトカメラを買おうという企みなのだ。広角レンズを買おうとすると、最低でも5万〜10万円、コンパクトカメラなら本体だけで5〜6万円で済むし、メモリーカードも一緒に買ってしまえばその分余分に撮影できる。

 しかも交換レンズを買うのと違って、運動会とかで部分的に広角で押さえておきたい時は、レンズ交換をする必要がなく、サブカメラとしても使える。広角側で撮影したいときは大体腰を落ち着けて撮る事が多く、一眼レフの高速AFや連写が必要になることは少ない。むしろレンズ交換をしなくてもシームレスに交互に撮影できるコンパクトカメラを追加購入するほうが色々便利だろう、いやきっとそうだ。そうにちがいない


機能的には不満は少ないが、デザイン的にはまだまだ  
● デザインに一言 ●
 というわけで、前回R40を購入してから半年余りでまた一台デジカメを買うことになってしまった。これで累積8台目だ。我ながらよくやる(^_^;)。ただ、直前にPSXを購入していたこともあり、実は余裕は殆ど無い。元々はもっと早く買う予定だったのだが、PowerShotS70(700万画素上位機種)が発表になったこともあり、もう少し待つと価格が下がってくるかな?ということもあって運動会ギリギリぐらいまで粘っていた(実は先立つモノが無かっただけだったりする)

 今回購入するときには、S60のメディアがCFということもあって、少し安くなってきた512MBのCFを購入して、S60にはEOS 10Dで使ってきた256MBをあてがって、撮影するときには大量に撮影するEOS 10Dの方に512MBを持っていくつもりだった。本来ならQV R40を購入するときにIXY DIGITALを購入してそうするつもりだったのだが、紆余曲折あって今回まで延びてしまった。ええ、どうせ、お金が足りませんよぉ(;_;)。

 泣いていてもしょうがない。とにかく安い所を探すしかないのだが、県内の電気屋さんを回ってもそれほど安い、というところは無い。やはり安いのは通販なのだが、初期不良が出るかも知れないことを考えるとできるだけ地元の店で購入したい。

 結局購入したのは例によって某カメラのK店。決め手は松山の店舗で付けられていた最安値の値札。こちらの予算より数千円安かったのだ。購入価格は512MBのCFを込みにして5万円台後半。しばらくすればもう少し安くなるのは間違いないのだろうけど、まぁこんなもんでしょう。今回はターゲットがはっきりしていたので、気絶したというよりも計画的犯行てな感じで購入。DIGICの気持ちよさにクラクラきてしまうことになる。

 購入したのが日曜日の夜だったこともあり、あまり触れないまま一週間が過ぎてしまった。操作性についてはあちこちでレビューされていることもあるのでそれほど述べるほどではないかな、とも思うけど一通り行ってみよう

 なお、例によって「いい点」ってのはあまり述べてない。使いやすい点はカタログなんかを参考にしてもらえればかなり書かれているので、ここでは主にカタログなんかでは出てこない、あまり印象の良くない点を中心に書いてある。だからといって「このカメラはダメだ」なんて早合点しないよーに。

 本体はゴロンとした少し横長のデザイン。リチウムイオン電池を使っていることもあるからなのか、大きさの割にはそれほど重い感じはしない。それでもIXY等よりそれなりに重いので取り扱いには少し注意が必要だ。特に丸っこいデザインになっているのでストラップとかをしっかり持っておかないと「つるっ」と落としてしまいそう

 厚みは新技術のレンズを使う等してかなりがんばって薄くしてあるということもあり、最近の薄型カメラにはかなわないものの、思ったより厚くはない。従来使ってきたSANYOのMZ-3とほぼ同じだ。厚み、高さがほとんど同じで、横長さだけが一回り長い。これぐらいの厚みだとギリギリ胸ポケットに収まる感じで、首かけ式のストラップを付けておけば胸ポケットに入れて使いたいときにさっと出して撮影することも可能だ。

ストラップの紐がずれるとスライドカバーが完全にスライドできず、スイッチが入らない  起動や終了についてはレンズが出きってから撮影可能になるまで2〜3秒待たされるのでそれほど高速、というわけではないが、レンズの出し入れは比較的クイックだし、ストロボチャージに待たされる感じは皆無なので「とっさに撮りたい」という時意外はあまり待たされるという感じは無い。ただ、フォーカスだけはかなりゆったりしていて待たされる感じがする。この辺はまだまだと言える。

 気になったのはやはりレンズカバー開閉によるスイッチング。ロジック的には悪くないと思うのだが、このカバー、厚みやデザイン性を優先したためか引っかかりが少ない。少し汗をかいている湿った手なら全然問題ないのだが、少し乾燥したりして湿り気が無いと滑って開けられない。ボディが横長なのにカバーが左側に寄っていて指がとどきにくいこともあり、あまりいい操作性ではない。

 しかも、ストラップの取り付け部の金具がヘンに大きくてアールが大きいため、ストラップのヒモがこのアール部を前に滑って、カバーを開いた時にカバーが当たる部分まで来てしまうことがある。この部分が丁度角張っていてここにストラップの取り付け部が入ってしまうと入ったままになりがちだ。が、その場合だとカバーを開けたときにストラップが当たってしまってスイッチが入らない!あれぇ?と思ってよく見たらストラップが邪魔をしている。角張っているからなかなか外れない。うがーっ(おたけび)。

 メーカーとしてはデザイン的にもがんばっているつもりなんだろうが、持ちにくい丸っこいボディや、ダサダサの背面の丸を基調としたデザインなんかも含めて、どうも失敗しているような気がする。前機種のS50までのデザインから見るとかなり改善されているらしいのだが、使いやすさ、という点からいうともう一つかと思う。


割と使いやすいダイヤルモードとシャッター。向こうは以前使っていたMZ3  
● 使える機能と使えない機能 ●
 最近のデジカメらしく、色々モードがあって機能も盛りだくさんなんだけど、一つ一つ確認していたら時間がいくらあっても足りないので、まずは主要な機能の使い勝手をば紹介しておこう。思いつくままバラバラと書いてみましたが、読みにくかったらごめんなさい。

●便利な物理ダイヤル
 機能がたくさんあるということは、撮影モードもいっぱい。ということで上面にはモードダイヤルがある。最近のデジカメだとモード切替がメニューの中になってしまっているものもあるが、やはり物理的なダイヤルがあるのは便利だ。電源を入れる前にプログラムにするのか、夜景モードにするのか、はたまたムービーを撮るのか決められるし、決めるのもエンドレスに回るダイヤルを「ぐりぐりぐりっ」と回すだけだ。ダイヤルは硬めで少し力が要るが、軽すぎてくりくり回って意図しない所になっているよりはいいかと思う。

●もう一声欲しいサウンド
 電源を入れると大きな起動音がして立ち上がるが、この起動画面や音は「Myカメラ」機能で色々切り替えられる。デフォルトで3種類が登録されているが、工夫しだいで増やすことも可能らしい。遊び心は結構イイし、起動、シャッター、操作、セルフタイマーと、それぞれの音の種類とボリュームを変えられるはいい。んが、このメニューの中にAFの合焦音だけは無い。すなわち、AFの合焦音だけは音の一括ON/OFFでしか調整できないのだ。

 個人的には全ての音をOFFにして、セルフタイマーと動画の再生音だけを好きなボリュームで使いたい(場合によってはシャッター音も)のだが、それをしようとすると音が出るモードにしなければならず、AF合焦音が必ずONになってしまう。AF音は便利な事もあるのだが、AFする度にいちいちピピ・ピピと音が出るのは少々わずらわしい。結局、全ての音を消して使っている。もう一歩足りないんだよなぁ。

●もう3段欲しい9段階ズーム
 ズームレバーはとりたてて使いやすいわけではないが、片手でグリップした状態で操作するのはほぼ不可能。もっとも、これはMZ3でも同じだった。同じように3.6倍ズームは実は9段階ズームである。これぐらいのクラスになるともう少しズーミングのステップ数を多くして欲しい気もする。例えば、広角に近い所でフレーミングぎりぎりのものをカットしたい、というときはやっぱり微妙なズーミングが欲しいのだ。

●少し遅い再生
 再生は再生ボタンで行うが、再生した状態で前面カバーを閉めてレンズを収納しても電源は切れない。電源を切るにはもう一度再生ボタンを押す必要がある。このロジックは便利ではあるのだけど、つい電源を切り忘れてしまうことも多くてちょっと気になる。まぁオートパワーオフがあるので実質上あまり問題にはならないのだけどね。

 再生速度は必ずしも速くないが、拡大が10倍まで行ける所なんかはなかなかいいし、拡大/縮小の速度も速い。縦横の自動判別機能もあり、これは便利だ、と思った。んが、こいつが曲者で、ただでさえ遅い再生速度が縦位置撮影の画像を表示したとたんに更に3倍ぐらい遅くなってしまう。縦画像を再生する時はいちいち変換しているんじゃないかと思うぐらい遅い。一瞬壊れたのかと思ってしまったぐらいだ。あまりにイライラするので、この縦横自動判別機能もOFFにしてしまった。あー使えねぇ〜(使いたいのにぃ)。

●絶対シャッター優先主義!
 再生から撮影への切り替えはシームレスで、レンズが出ていればシャッターボタン半押しで即撮影モードとなる。このロジックを備えているカメラは意外と少なく、私が触った限りではEOS10Dだけだ(もちろん他の一眼レフデジカメも皆そうだとは思うが)。これは撮影時にメニューを出している時も同じで、何をしていてもとにかくシャッターボタン半押しで即撮影ができる(カバーが開いていれば、の話)。

 この「シャッター絶対優先主義」というのはすごくあたりまえのような気もするのだが、やっぱり使っていても気持ちがいい。全てのカメラはかくあるべき?かと思ってしまう。

●すぐあきらめるAF
 AFはウワサ通り、というか、やっぱりというか、あまり早くない。つうか遅いと思う。ヘタをするとMZ3より遅いのではないかと思ってしまう。しかも、やや暗い所が苦手らしく、夜の室内(当然蛍光灯はついている)でテストをすると1回では絶対に?合焦しない。2回、3回と合わせなおすとなんとか合焦する(ダメな時は何回やってもダメ)のだが、はっきりいってイライラしまくりである。明るい屋外ではだいたい一発合焦なので、やはり暗い所に弱いのだろう。ただ、得られる画質を考えるとAFを厳密にやっている?ような感じがするので、ある程度遅いのは仕方ないのかも…しれない…けどやっぱりもう少し速くして欲しいぃぃ。

●オマケの域を出ない動画
 で、オマケ機能的に動画モードがあるのだけど、MZ3を使っていた身としてはかなーり物足りない。撮影が始まると露出やAFまでも固定されてしまうし、デジタルズームも効かない。マイクはとにかくスピーカーがかなりショボいようで、再生すると音がすごく悪くて話している言葉さえほとんど分からない。画像のジャギーがかなり目立つ、等など…。とりあえずあるだけでもマシではあるけど、本当にオマケとしてしか考えない方がいいようです。編集機能とかは妙に充実していたりするので、先に基本機能をなんとかして欲しいところ。たはは。





その2(画質その他) その3(活用編)

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