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デジカメ 一眼レフ


「再会」 Canon EOS 60Dその1(購入〜使い勝手)

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 2010年11月末。デジタル一眼レフカメラシステムは、既にOLYMPUSのE-SYSTEMでほぼ完了していた。後は好きなレンズを揃えるだけ…なのだが、どうもOLYMPUSの動きがおかしい。どうやらE-SYSTEMを切り捨てる気配だ。これじゃあ面白くない。更に、ここに来て天体写真熱が再び上昇中。ここはやはり、アイツに戻ってきてもらうしかない…

ついに戻ってきた?EOS。そしてフリーアングル液晶  
●やはりここはEOSしか無いか●

 2010年の晩秋、私は密かに、いや、半分おおっぴらに、決意を固めていた。EOS-SYSTEMの復活だ。実はEOS-SYSTEMは、E-SYSTEMを本格的に導入した2008年を境に、ほとんど使わなくなってしまっていたため、カメラ標準レンズ超広角レンズ、そしてストロボを手放してしまっていたのだ。天体写真に使えるカメラではあったが、その天体写真もほとんど写さなくなってしまっていたというのもある。E-SYSTEMが充実してきたというのもある。が、実はレンズを全て手放したわけではなく、知人に売れなかった大口径望遠ズームなんかは手元に置いてあるままだった。

 時は流れて2010年。今住んでいる場所が非常に星空が綺麗な場所で、OLYMPUSのE-SYSTEMでも結構な星が撮影できていた。が、実はE-SYSTEMというか、Live-MOSでは赤い星雲が、ほぼ全く写らない。これはいかん。やはり星を撮影するにはEOS SYSTEMの復活しかない。しかも!これを狙ったかのようにCanonからEOS 60Dが発売になった。それまでの10Dや30Dの時のように中堅機種ではなく、どちらかというとエントリー向けの機種になってしまっていたが、それでも機能的には30Dの時より良いし、1800万画素のノイズレスなCMOSと、なんといっても便利そうなフリーアングル液晶、そして軽い(本体675g)ボディが魅力的であり、復活を誓ったわけだ。

 ほんの2年ちょっと前に「E-SYSTEMで行くぜ」と、EOSにお別れを告げたはずなのに、気が付くとまた戻ってきつつあるというのがもどかしいところではあるが、この2年間の間に、EOSも進歩している、というか進歩しまくっているのだ。

 まず、センサー類。ダストクリーニング機構が標準的になっている。OLYMPUSならSSWFが当たり前のように付いていて、これがE-SYSTEMに手を出す理由の一つにもなっていたのだが、各社センサーのゴミ対策は進んでいて、多少制限や性能の差はあるものの、以前ほど気にしなくてもよくなってきている。

 更にISO感度の上昇。これは元々EOSの得意としている領域ではあるが、標準でISO6400まで、拡張で12800まで行ける。12800が実用になるかどうかの話はあるものの、今のOLYMPUS(E-SYSTEM)には真似出来ない領域になっている。星を撮影する上でこれは重要なポイントだ。

んでもって手振れ補正レンズの充実。以前EOS-SYSTEMを構築していた頃は手振れ補正機能を得るには高価なCanon純正レンズ(しかもその一部のみ)を購入しなければならなかったが、今ではサードパーティーのシグマやタムロンからも、手振れ補正レンズのリーズナブルな値段のものが次々と出てきている。E-SYSTEMだとセンサー補正式なので全てのレンズが手振れ補正対応になるので、ある意味最強なのだが、かなりのレンズが対応になれば、その差は埋まってくる。そもそも、レンズ補正式の利点(見やすい・AFしやすい)を考えると、これはこれで魅力的だ。

 この他にも、このクラスの入門に近い機種でもリモートストロボコマンダーに対応するなど、着実な進化が見られて、今までOLYMPUSならでは、という機能がどんどん取り込まれてきてしまった。対するOLYMPUSはマイクロフォーサーズにかかりっきりで、そのうちCanonに追いつく、もしくは大きな差ではなくなるだろう、と思われていた感度や画質は不満の残るままになってしまっている。

 こうした状況の中で、EOS60Dが発売された。初めは価格も高くて、これならEOS 7Dを買った方がいいかなぁ、とも思ったりもしたが、実際には7Dの秒5コマ以上の連射性能は(おそらく私が使う限り)不要だし、7Dの大きさ重さを考えると、今回軽量化され、かつフリーアングル液晶が搭載された60Dは非常に魅力的であった。年末が近づくにしたがって価格は落ち着いて、11月には8万円を切るぐらいになってきた。ボーナスシーズンが来ると入手性とかの問題も出てくる可能性もあったので、ここはひとつ、ということで11月末に思い切って買うこととなった。

キャンペーンで付いてきたPREMIUM BOX!!!。ケースはいまひとつ使いにくい  購入したのは11月末。価格は標準ズームを同時に購入して11万円ちょい。いやもう、一眼レフカメラを買う度に思うけど、どんどん安くなっている気がする。確かE-330と標準ズームで16万円ぐらいしたはずだぞ(^^;。購入時は丁度60Dのキャンペーンが始まっていて、購入者には店頭で「EOS60DPREMIUM BOX」が手渡された。いや実は店員さんはスッキリ忘れていて、「確かキャンペーンキットが付いているんですよね」と質問したらあわてて持ってきてくれた。中身は専用バッグと、格カメラ誌が企画したEOS60Dのスペシャルムックのいずれかが付属してくる。どのムックになるかは指定できないのだが、私の場合は日本カメラの「EOS 60Dマニュアル」が付属してきた。こうした雑誌は本当は本体購入前に予習&購入確認のために見るのがいいのだが、格機能をまんべんなく確認するには結構便利ではある。

 バッグの方は「キットレンズを付属したEOS60Dと、レンズ1本が入ります」という説明になっているのだが、そのためにはレンズを付けたカメラを横にして入れる必要があるはず。が、その場合はペンタ部が蓋側に結構当たるので、入らなくはないのだが、多少不安は残る。その他の小物入れ部分は薄くて収納力が低く、その割にはショルダーにしかならないので運搬方法に融通が利かず、結局普段使っているウェストポーチである   には及ばないことが判明した。ウエストポーチもEOS 10Dのころから使っていてだいぶくたびれているのだが、既に店頭では見かけないため、そのうち2代目を検討しなければならなくなってくるのだろうが、はたして同等の機能のものが見つかるのか、ちょっと不安。

 話を戻そう。60D本体のメモリーカードは今回一眼レフとしては珍しく(いや、最近のトレンドではあるが)SDカードとなっている。これも同時に買い求めたが、PQI製で価格は8GBで1600円ほど。いやぁ、これまた本当に安くなった。本当は本体と同時に予備バッテリーも購入したかったのだが、こちらは残念ながら品切れ。実際には年末に再度買い求めることになった。


操作の殆どはこの右グリップ近辺で行えるけど…  
●質感&操作感その1●

 ついに我が家にやってきたEOS60D。重さは電池無しで675gと、700gを切る軽量化がされていて、EOS30Dを買ったときも「軽くなったなぁ」と思ったのだが、プラボディのこいつは更に軽くなっている。いや実際軽い、軽いはずなんだが、実際に持ってみるとそんなに軽い感じがしないのはボディが少し大柄だからだろうか、それとも付けているレンズがSIGMAの17-70mmF2.8-4.0IS HSMでこれが思ったより重いからだろうか。イメージとしては、大きさやカバン等への納まりも含めて、E-3あまり変わらない。持ち比べてみると確実に軽いんだけどなぁ。

 少し心配していたのは、ボディがプラスチック化されることで、持った感じがちゃっちい感じにになってしまっていないか、ということだった。確かにプラスチック独特のパコパコ感はあるが、握った感じは悪くない。グリップは思っていたより大きめで、しっかりと握れる。腐っても中級機というべきか、小型化を変に追求していないので使いやすくしているのか、コストをかけられないので大きくなっているのか、理由はとにかく、使いやすいのはいい。ま、大きい分ポーチなどへの収まりは悪いので、トレードオフなのは仕方ないところか。

 グリップした時のAF-ONのボタンの位置は親指が自然に届く位置。この位置自体は悪くないのでE-3より使いやすいが、E-3の場合は少し奥まっていて、E-3で言うAF/AEボタンの位置にEOS60Dのライブビューボタンがあるため、やはり間違いそうになることがある。

 バリアングル液晶の採用で、カメラ左側のボタンはサブダイヤルの周辺にまばらに配置された。カメラの曲線に沿ってなめらかなボタン形状になっているのはデザイン的にはいいが、手探りでボタンを押そうとすると、フラットな形になってしまっているので、どこがボタンなのか分かりにくくてしょうがない。普段は目で見れば済む話だが、天体写真撮影時などは真っ暗な中で操作しなければならないため、とても使えたものではなかったりする。せめてMenuボタンと再生ボタンぐらいは何か分かりやすくして欲しいところだ。何かシールでも貼るかなぁ。

 電源ボタンも左上のモードダイヤルと同軸という、今までのEOSから言えば信じられない位置に付いた上、やったらめったら固い。電源なんぞはしょっちゅう触るものではないから固めにしてあるのかもしれないが、三脚や望遠鏡につけている状態でセンサークリーニングさせようと電源をON/OFFさせようとして、カメラがグイッと動かしてしまいそうで怖い。どっちにしてもこんな突拍子も無い位置は勘弁して欲しいぞ。おかげで今持っている一眼レフカメラ4台の電源スイッチ位置、全部違う。トホホ。

 カメラ上部の4つのボタンはそれぞれ単独機能セレクトになった。AF,DRIVE,ISO,測光モードだ。1ボタン1機能になったのは個人的には大歓迎。EOS 10Dの頃に使いにくいと思っていたヤツがようやく改善された気配だ。自分の場合はホワイトバランスを触ることはそんなに無いので、Quickメニューの中に入っても殆ど問題は無い。

モードダイヤルはロックボタン付き。あまり使わないが使いにくい…  モードダイヤルは中央にロックボタンが付いた。今までロックボタンが付いていないことによる不具合ってのはほとんど記憶に無い(全く無いわけではないが)ので、自分としては余分なアクションが増えただけで不便になってしまった。EOS7Dや5DMkIIなんかは「ロックボタンをつけるサービス」なんてのがあるみたいなんだけど、「外すサービス」があってもいいぞ。というか、ピンか何かでより深く押し込んだらロックボタンが無効になるモードがあるとか、もう一工夫して欲しい。

 モードダイヤルが不便に感じる理由の一つに、動画モードの位置がある。これはOLYMPUSのアートフィルターよろしく、モードダイヤルの一番端っこについているのだ。動画モードにするために、ロックボタンを押してダイヤルを延々回さなければならないし、元の絞り優先モード(Av)に戻すためにも、また延々回さなければならないのだ。やっとられるかぁっ。(いや、動画モードはそれほど使わないので、そこまでは不便ではないのだが…)

 まぁボタンの配置が変わって慣れるまで少し時間がかかるが、この辺は慣れの範囲でもある。(速射など、色んな意味を含めて)シャッターの「キレ」が良いのは使っていて安心感があるし、とりあえず、慣れるまで、まだまだ使い込んでみたい。


バリアングル液晶はやはり便利  
●操作感その2●

 OLYMPUSのE-SYSTEMと違って少し違和感があるのが、露出補正だろうか。E-3やE-620では、露出補正ボタンを押しながらダイヤルを回すのだが、EOSの場合は露出補正ボタンが無い。測光をしている段階で、サブダイヤル(ホイール)を回すと露出補正になるので、慣れればこれはこれで便利なのだが、逆に測光していない段階では補正できないので、ちょっとまどろっこしいこともある。やっぱり、この辺も慣れの範囲だろうか。

 今回の60Dの特徴として便利に使えるのは、このバリアングル液晶だろうか。液晶そのものの表示品質もかなり良くて、明るさを一番明るい形にすれば昼間でも十分に見えるし、一番暗い設定にすればこの上なく暗くなって夜間の撮影に丁度良い感じになってくれる。普段は真ん中の設定の明るさにしていて、それでも十分に明るい。

 バリアングルの振り方はE-3,E-620と全く同じで、この辺はほとんど違和感無く使える。ライブビューボタンの位置が違うことを除けば、ほとんど同じように使えるのでこれはこれで非常に便利だ。液晶画面がJE-3/E-620よりも大きく高精細なので、ライブビュー時のAFや構図についても少し見やすく感じて、安心感もある。

 ライブビューのAFについてはライブビューモードと、顔認識モード、そしてクイックモードがある。デフォルトはライブビューモードになっているのでそれで使っていたのだが、やはりこれは相当に時間がかかる。全部スキャンするわけではないが、行って来て、ゆっくり行って、戻って、もういっかい行ってなんとか合焦、という所だ。確実にあわせているのだろうけど、普通に使うにはイライラしまくりとなる。で、クイックモードにしてみると、位相差AFになるのでブラックアウトはするのだけど、思いのほかクイックに合焦してくれる。普通はこっちを使うべきかな。

メディアは今最もスタンダードなSDカード。まずは8GBをセッティング  ただ、OLYMPUS以外のライブビューでの位相差AFを初めて見たので「あれ?」と思った事がある。ミラーアップした時にブラックアウトしてしまうのだ。「当たり前じゃん」と思うかもしれないが、OLYMPUSの場合は完全にブラックアウトせず、直前まで見えていた画像を少し暗くして表示してくれている。この辺は少しでも画像が見えていると安心感が全然違うので、精神的に楽になるし、変にカメラを動かしてしまわないという抑止力もあるのじゃないかと思う。この辺はOLYMPUSの特許なのかなぁ。

 メモリーカードがSDカード。とりあえず手頃な8GBの製品をチョイスした。今までの一眼レフは全部CFカードだったので、大柄なグリップにSDカードスロットだけ、というのはいかにも隙間空間が大きいんじゃないかと思ってしまう。ま、カード自体がSDなのは使いやすい。CFだと出し入れに専用のレバーが必要なのだが、SDカードの場合は自身を押してやれば飛び出してくるので片手での操作がしやすい。もうほとんどデファクトスタンダードのカードとなっただけあって、今後もSDカードが主流になってくるのだろう。カードの蓋にパッキンらしきものは見当たらないのだが、「EOS 60Dマニュアル」には「簡易防滴」という表現がある。実際に水をかけるのはご法度だとは思うのだが、ある程度シール性を考慮した構造になっている(ラビリンス構造)んじゃないかと勝手に想像している。あとは、スペース的には恐らく余裕があるのだろうから、デュアルスロットとかになればなぁ、という所か。




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