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デジカメ 一眼レフ


 小さな表現者 OLYMPUS E-620その2(機能と性能)

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 2009年4月。EOS SYSTEMから本格的にE-SYSTEMに乗換えを進めるために、小型軽量一眼レフが欲しくなっていた。そこに突然、本当に突然登場したのがE-620。いわゆる「全部入り」をひっさげてやってきたこのカメラ。はたして、期待通りの小型軽量カメラになってくれているのか

手振れ補正対決で使用したpdfの印刷物。A4の大きさ  
●静かな手振れ補正対決●

 E-620の手振れ補正は、E-520やE-3の超音波モーター式からステッピングモーター式になって、電源OFF時のリセット音も、「ガガガガガッ」というものから、「ウィーンシュイーン」と、静かになっていい感じがしている。効果はシャッタースピード4段分ということで、これだけ聞くとかなりあって、相当に安心して撮影できるはずなのだが、実際にも結構安心して撮影できている。特にシャッタースピードが遅くなるときは効果絶大で、ぶれが全くなくなるわけではないが、吸収される分、なんとか見られる画像になる。この辺はE-3も同じなのだが、実際にはどれぐらい効果があるものなのかは、実は良く分かっていなかったりする。

 では、手振れ補正の実力はどれぐらいあるのか?。コンパクトカメラと違いはあるのか?E-3との差もあるのか?以前から実験をしてみたかったのだが、厳密な意味での手振れ補正の実験なんてのはムリなので、あくまで実際の撮影を想定して、どれぐらいの画質が得られるのか試して見た。

 対象はコンパクトカメラのTZ7と、TX5。一眼レフではE-3E-620、そして、本稿を書いているときはまだ紹介していないが、EOS60D+SIGMA17-70mmF2.8-4DC MACRO OSの組み合わせだ。厳密に比較するならレンズやシャッタースピードをあわせる必要があるのだが、そんなことをやってもあまり意味は無い(というか、誰かがどこかでやっていそうな気がする…)ので、もっと手軽にお気楽に、実際に撮影する事を考えて、それぞれのレンズで、普段撮影しているモードでの比較をしてみた。要は。テキトーだ(^_^;)。

 撮影対象は、以前のファイルがうまく開けなくなったので、フォーサーズレンズのカタログのPDFを印刷したものだ。部屋のカベに貼って、蛍光灯の光りで印刷している。ISOは原則オートだ。100mm相当のズーム域にして、片手で持って前に突き出してシャッターを押しているので、結構条件は厳しい。比較は、一番左上のレンズ、マイクロフォーサーズのパナソニック7-14mmの紹介部分を切り出したものだ。こうして比較することで、手振れだけでなくて、画質の比較もできるのではないかと思う。

 E-3とE-620のレンズは、なるべく普段付けている物、ということで、E-3はZD12-60mm、E-620は40-150mmを装着して実施した。どっちも絞りはF4前後だ。想定外だったのは、この条件だと手振れ補正のON/OFFの差があまり顕著に現れなかった事だ。もう少しきつい条件でないと(ISO100固定とか)比較にならないのかもしれない。

結果は左側からTZ7のON/OFF。TX5のON(なんと、このカメラは手振れ補正のOFFの設定が見当たらない)。E-3のON/OFF、E-620のON/OFF、そしてEOS60DのON/OFFだ。ほとんどのカメラは1千万画素前後なのだが、EOS60Dだけが画素数が飛び抜けて多いので、画質的には有利になっている。同じカメラで撮っても写真の大きさが違うのは、手持ちで適当に撮っているので、位置(前後)が微妙にずれているからだ。

TZ7 補正ONTZ7 補正OFFTX5 補正ON
TZ7 手振れ補正ON TZ7 手振れ補正OFF TX5 手振れ補正ON
E-3 補正ONE-3 補正OFFE-620 補正ONE-620 補正OFF
E-3 手振れ補正ON E-3 手振れ補正OFF E-620 手振れ補正ON E-620 手振れ補正ON
EOS60D+SIGMA17-70mmOS 補正ONEOS60D+SIGMA17-70mmOS 補正OFF
EOS 60D +SIGMA 17-70mmOS手振れ補正ON EOS 60D +SIGMA 17-70mmOS手振れ補正OFF

 うーん、どうだろう。コンパクトカメラの2機種のダメダメ画質が伝わるのはまぁいいのだが、一眼レフの3機種は、思ったほど差が出なかった。それでも、E-3の手振れ補正が優秀なんだろうな、というのは伝わるかと思う。EOS60Dは、ISOが800まで上がってシャッタースピードが1/100になっているので、思ったほど差が出なかったのが大きいのだろう。ISOを100ぐらいまで落とすと、もう少し差が出るのだが、それよりもレンズ補正なので、撮影時に像が安定しているのが結構でかかったりする。

 肝心のE-620だが、実行面ではこれだけ効いてくれればまずまずで、実際の撮影で、もっと条件の悪い時でも結構行けるので、「あと少し手振れを押さえたい」という時にはやはり強い見方になってくれる。弱点なのはボディが軽いため、大きいレンズをつけたときには不利になるということぐらいだろうか。ま、大きいレンズをつける時はE-3を引っ張り出すのでまず問題はないのだけどね。


E-620のモードダイヤル。アートフィルターは一番端にあるため、通常のS/A/Pモードからだと、すっごく回す必要がある  
●使えそうで使わないアートフィルター●

 このE-620の特徴の一つに、アートフィルターがある。2008年末に登場したE-30より搭載されていた機能だが、それ以降OLYMPUS一眼レフカメラの特徴のひとつにして押してきたようだ。が、実際に使って見ようとすると、モードダイヤルを思いっきり全部回さなければならない。この辺は他のメーカーのカメラでも似たようなところがあり、誤操作を防止する意味もあるのかもしれないが、カメラ機能の「ウリ」にするのであれば、もう少し考えた位置にして欲しかったところだ。

 E-620に付いているアートフィルターは、「ポップアート」、「ファンタジックフォーカス」、「デイドリーム」、「ライトトーン」、「ラフモノクローム」、「トイフォト」の6種類。モードダイヤルを一番端のART/SCNまで持っていって、上下キーで設定するが、このときに間違って左右キーを押してしまうと、シーンモードに切り替わって「あれ?」と、とまどってしまうことになる。また、一度アートフィルターを選ぶと、その後は特にメニューに何も表示されないので、違うアートフィルターをどうやって選べば良いか分からなくなってしまう。

 この辺は他にも悩んでいる人が結構いるようだ。正解は「もう一度[OK]ボタンを押す」だ。殆ど謎解きの世界だが、ちゃんとマニュアルにも載っている。しかし、載っているのは「かんたんガイド」の5ページ目で、詳細説明の後半には載っていない。この「かんたんガイド」には目次も何も無いので、結局巻末の「索引」で「アートフィルター」を検索してようやく見つけることができた。目次では、アートフィルターのアの字も出てこない。とてもウリの機能とは思えない扱いだ。この辺は製造側と、販売側の連携がうまく行ってないんだろうなぁ。

ラフモノクローム。ハードなモノクロファンタジックフォーカス。一気に暖かいほんわかした感じになる
 忘れるところだった。肝心のアートフィルターのデキだ。上に、少しだけ作例を出してみた。少しだけ雪の降った公園のベンチだ。特徴的な「ラフモノクローム」と「ファンタジックフォーカス」だ。乱暴に言えば、正直「ポップアート」は撮影画像の彩度を思い切って上げたのと同じ。デイドリームはその逆。ファンタジックフォーカスは自分の中では用途が制限されてしまう。結局、ラフモノクロームは使っても面白いのだけど、露出が難しい。ということで、数枚使っただけで、後は、モードダイヤルをそこまで持っていくことは無くなった。アートフィルターのデキが決して悪い訳ではないし、うまく使いこなせれば写真の幅が広がるのは間違いないのだが、まぁ、そんなもんだ

 本当はRAWで撮影しておけば、その後アートフィルターを現像で再現することができるのだが、そもそもRAWで撮影する習慣が無いのと、結局アートフィルターを意識して撮影しなければ、その効果も半減してしまうので、いまひとつというのが事実。最近は天体写真を撮影することもあるので、RAWで撮ることが全く無いというわけではないが、やはりRAW撮影が面倒なのと、ファイルサイズがどうしても大きくなるのであまり多用したくない、というところだ。もうちょっと、簡単に撮影できればねぇ。


ホントは窓際天文台に載せるべきかな。夏の天の川中心部  
●進化したISO感度とノイズ除去●

 これまでのE-SYSTEMのカメラはE-3を含めて高感度撮影をすると暗部に縞模様のノイズが乗りやすかった。普通の撮影ではあまり気にならないが、暗い場所での撮影や、星の撮影とかをすると一撃でアウト。正直ISOを上げなければいけないような環境では使いにくかった。画像処理エンジンの改善が行われたE-30からはこのノイズがランダムになって、縞模様、いわゆるバンドノイズは気にならなくなった。進歩した、というよりはようやく他社に追いついた、と言ったほうが適正だろう。

 E-620も同様のエンジンを使っているようで、画素数が1200万画素に上がったにもかかわらず、ISO耐性は上がっているようだ。が、バンドノイズが目立たなくなっただけで、実際のノイズ性能が上がったかどうか、というのは少し微妙。特に夕日の撮影など、個人的には彩度をめいっぱい上げて楽しみたくなる被写体が結構多いので、そんなときはカラーノイズが残っているとひどい目にあう。そうした点を考えると、使えるISOはだいたい500前後。E-3がISO400ぐらいが限界かなぁ、と思っているので、こうして比較して見ると、さほど変わっていないことになる。

 それでもバンドノイズがほぼ無いのは色々使いやすい。E-3ではあまり試さなかったホタルの撮影や、天体写真なんかもチャレンジしてみている。特に天体写真ではYIMGという長時間ノイズ除去ソフトがフリーソフトで使えるようになってきたので、それを利用してISO1600の数十秒露光で行っても結構まともな絵が撮れるようになってきた。

 望遠鏡につけたときもE-620の小型軽量さは特に便利。更にライブビューによるピントあわせができたり、フリーアングル液晶による真上での撮影時の画像確認なんかには本当に重宝する。天体写真向けじゃないかと思うぐらいだ。

 が、赤い星雲は写らない。これはE-620が悪いというより、どの辺の赤外からカットするか、という思想や技術的問題からだろうと思っている。パナの製品も似たような感じなので、OLYMPUSの味付けというよりはLive-MOSの赤外カットフィルターの特性じゃないかと感じている。この辺の赤外カットの特性によるおかげで、OLYMPUSは色がきれいだという人もいるが、個人的にはCanonとかとあまり差は感じていない。少なくとも紫はまともに出ないので、必ずしも色再現がしっかりしているというわけではないと思う。

 脱線しかけた。天体写真の場合、MOSの特性はまぁ仕方ないとして、ファインダーが小さく必ずしも見やすくは無いので星を導入するのはかなり苦労する。この辺はE-3の見やすいファインダーがうらやましい。E-620のMOS特性とE-3のファインダーを合わせて欲しいのだが、それなら当時としてはE-30、今(2011年1月)となってはE-5を買って下さいということか。

 そうそう、天体写真やホタルなど、夜の写真を撮影するときに実は重宝したのは、各ボタンがバックライトで明るく表示されることだ。正直これはかなり新鮮、かつ便利だ。このE-620以降のOLYMPUSのカメラで採用されているかどうかも知らないのだが、とにかく夜の撮影ではボタンが分からなくなることも多く、とにかく便利に使える。かつまぶしくて困るということも無い。少しコストはかかるのかもしれないけど、他のカメラでも標準装備にして欲しい機能だ。





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