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正月早々ギガントを出したけど強風で実は困ったの図
今日も曇天16

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 小学生の頃から慣れ親しんできた天体観測だが、その頃から、「これは一生の趣味になるだろうな」という気はしていた。紆余曲折を経て、未だにあれやこれやと思い悩む天文おっさんとなった。写真撮影にまつわる顛末を記録してみた。「曇天」なのは、晴れればこのページを書いている暇が無い訳で、曇って星が見えない日に書いているから。例によってトラブルも多数…(^^;

2020年4月27日 絞り環と口径縮小(28cm相当)


爪隠しのためにマスクをしたら口径28cmになってしまったの図
オライオンのセルには爪が結構はみ出していたので、変な爪ゴーストが出ないように爪隠しマスクを付けたら…口径が28cmになってしまった…涙
ギガントこと植毛紙を貼ったオライオンカーボン。実際の初運用は長野の小海町へ持って行っての小海星フェスティバルの会場だった。事前に自宅で何度か組み立てをしてみてはいたが、ほとんどぶっつけ本番で小海持って行ったことになる。長さ1200mmもある筒は本当に車にきちんと乗るのか正直心配だったが、後部座席に横にしてなんとか収まることもこのとき初めて確認。一応、寸法上は丈夫だとは思っていたが、結構心配してたりした。

小海の暗い空で確認してみると、やはり30cmの口径はすごい。普段でも眼視することが少ないので、20cm以上の威力をしっかり確認していないことが多いのだが、30cm級になると、銀河や星団の見え方がひと味違っている感じだ。M33の銀河の回転方向が分かったときは感動的だった。

このオライオン、やはり結構な重さがある。更にロスマンディ互換の幅広プレート(14インチ)が1.3kg(結構重い…)、ファインダーが560g、鏡筒バンドは1本1kg弱。これらを全て合わせた状態で重量は約17kgであった。同様の装備で15kg弱だったビグレプ1号と比べても、ほぼ2kg重い。カーボンなんでもう少し軽くできるかなとも期待したのだが、さすがに30cmはそう甘くない

赤道儀にかかる負担としては、これに加えて真っ赤なロスマンディ互換デュアルアリミゾがあり、こいつが976gある。これまで使っていたビクセン互換のダブルブロックは431gだったので、この重さも倍ぐらいになっているわけだ。

軽量化もしてみたいが、実際には強度や振動もあり、当面はこのまま使うしか無い。実は一度ダブルブロック+ビクセンアタッチメントプレート化にチャレンジしてみた(合計1.5kgぐらい軽くなる)…のだが、実際には使用するバランスウェイト量を変えられなかった上に、大きさに対して保持部のバランスが相当悪くて振動しまくりだったので、すぐさま元に戻したというのもある(^^;。

対策としてはロスマンディ互換プレートだけでも三基さんとかの軽量な物に変更するだけで少し違うはずなのだが、このオライオンの軽量バンドのネジ間隔が少し特殊(か、日本のモノのが特殊なのか…)で、ネジ位置が合わないのだ。ある意味、専用となっているのでこのプレートは買っておいて正解だった。

猫は付属しません
オライオンのセルをよく見ると(猫は見なくていい)落下防止の爪が結構はみ出していたりする。このままだと爪が不要なスパイダーというかゴーストの原因になるので、爪隠しを作りたい。本当は背面から支える形にして爪を完全になくすのがいい
とはいえ、17kgを赤道儀に載せるのは実は結構大変。重さだけならなんとかなるのだが、いかんせん直径35cmの筒をかかえて載せるわけで、乗せる人にとってかなり負担になる。アリミゾにしっかり合わせてネジを締めるのだが、筒が太くてあまり見えないのでなかなかミゾに入らない上、ネジ位置にによっては腰を壊しそうになる。

色々検討してみたが、背面(南側)からアプローチすると、ミゾ部分が見えなかったりして、前屈みになって大変なのだが、フロント、すなわち北側からアプローチしてみると、見ようと思えば見えるので、意外ととすんなり載せることができたりした。要はしっかりアリミゾに落とし込みができればいいので、慣れの部分も多分にあるのだが、組み立てを何度かやってみて、スムーズに、かつ安全(腰を痛めたり手を挟んだりしないように)に設置できるようにだんだんなってきた。軽量化については、もう少し使いこなしてからまた考えてみたい。

あと、この直径35cm、長さ1200mmの筒というのは重さを別にしてもとにかくかさばる。車に乗せ下ろしするときはもちろん、家の中で運搬しているときや、玄関から出る時も、とにかくあっちこっちにぶつけてしまうのだ。目が行き届きにくいところは仕方無いのである程度ぶつけてしまうのはしょうが無いかも知れないが、ぶつけても大きなダメージにならないようにカバーも考えた方がいいかもしれない…。

さて本題(をい。)R200SSや、ビグレプ1号でも主鏡の固定用爪がウニウニの原因になってて気になってたが、オライオンのセルもガッツリ爪がはみ出している。

主鏡の固定を見てみると、この爪は固定していると言うより落下防止用のようなので、将来的にはどこかで取っ払ってやろうかと企んでいる。とりあえず今は爪隠しで逃げよう

塩ビのクリアシートを使って作成。30cmもの大きなドーナッツを上手く描くことも切り取ることも自信が無い。なので、ワードで1/4の円を書いて、扇形の物を4枚作って貼り合わせとする。かなりてきとーだが、これなら材料もA4サイズで行けるし、扇形を重ねた形から切り抜くので、有効に使える。実際、7mmカバーで行けると思ったら爪がはみ出し、結局1cmカバーで作り直しになった。A3一発で作ってたら、材料足りないところだった…(^^;

爪隠し用の塩ビシートを4分割して切り取るの図
A3を用意しておいたクリアフォルダーに4分割した爪隠しマスクを写して、切り取りしてみる。この大きさで分割すれば、塩ビシートをかなり有効に使える。
最後は余った植毛紙を貼って出来上がりなんだが…これ、外周から1cmをカバーしてることになるので、口径30cm→28cmになっちゃってる。光量で10%強のロスだ。ううむ、やっぱしどこかで爪を無くしてやるー。

実際、オライオンのフォトニュートンでは鏡の固定を接着で行っていて、爪のないセルもある。落下防止さえしっかりできればなんとかなりそうな気がする。この辺のセルの構造やメンテナンスは、25cmで色々されてるななもへさんのブログが詳しいので参考にしたい(…が、当人はどうやら大きくて運用をあきらめた気配…)。 今回はとりあえず爪隠しを付けたら、筒に収めて光軸調整をして完了。この光軸調整もショートタイプのコリメーションアイピースでやっているので、今ひとつな気がしている。せめてこの光軸アイピースはロングタイプを用意しようかと思っている。


2020年5月24日 ギガント運用の工夫あれこれ


黒いのが付属していた外枠キャップ。薄い色のが内キャップ
ギガント付属の外キャップは丈夫だが、径が大きくすぐ外れてしまうため運用面では実用的ではない。しっかり付いて外れにくい内キャップを100均クッションマットで作成
ビグレプ1号の時も導入後は少しずつ改善を加えていったが、今回のギガントについても、小さな改善を色々やっている。このクラスの望遠鏡を持つ人というのもそんなにいないとは思うけど、少しでも参考になればと記録しておく。

その1 100均クッションマットを利用したフロントキャップ&リアキャップ
その2 養生プラダンを利用した簡易フード
その3 持ち運ぶためのゴムコーティング手袋
その4 端部はアセテートテープで保護
その5 光軸調整ネジにローレットRXを調達

使い始めてすぐに改善が必要となって、準備したのがキャップだ。付属してきたキャップ(黒いの)はフロント・リアともかぶせ式の簡単なもので、しかも少し大きく、ツバの浅いものだった。大きさの調整はフェルトが少し(4か所)取り付けてあって調整してあるが、とにかくツバが浅いので、外力があると簡単に外れてしまう。保管時はとにかく、運搬時にこれでは全然使えない

なので、とりあえずゴミが中に入らないものでいいので、簡単にふさげる蓋が必要だ。普段良く使っているのは100円均一のクッションマット。これをくりぬいて、内側に押し込んでやればとりあえずの蓋になる。外側はそもそもカーボン素材で硬いので、保護はいらないだろう。

鏡筒をクッションの上に置いてマジックで円を描いて、それを切り取った上で少しずつ削り切り取って、内円の大きさに合わせていく。それを押し込んでキャップにするのだけど、そのまま押し込んでしまったら出せなくなってしまうので、指を入れられる穴だけはあけておく。穴からごみが入っても面白くないので、その部分はシルバーシートで内側から袋にしておく。とりあえずこれだけでも十分キャップになる。しかも、100円だ(^^;

リアキャップも同じように作ったつもり…つもりだったのだが、少し切りすぎたので、簡単に外れるガバガバのものになってしまった。そんなに力がかからないからまぁいいか、と思っていたのだが、実は風が吹いたらベルヌーイ力の関係で簡単に外れて飛んで行ってしまうことが判明。そのうちしっかりした大きさのものを作り直すつもり。100円だ(^^;

プラダンを使った簡易フード。巻き取れるのでコンパクトになる
とりあえずのつもりで作成したプラダン活用のフード。コスト的にも安価だし、巻き取るとこんな風にコンパクトになるので便利に使えている。使用風景はこのページトップの写真を参考にしてほしい。
この他にも、反射望遠鏡なのでフードは必要。ただ、斜鏡の保持部から先端までは10cm以上あるので、それだけで結構遮光能力はあるはずで、植毛紙も貼りこんだので、実はあまりいらないのかもしれない(ただ、実際にはこの長さが結構不便)。とりあえず、完全ではないので少し延長のフードは用意しておく。

本当ならこれだけの筒なんでしっかりしたフードは作っておきたいところだが、色々面倒そうなので、いつもの簡単なものでごまかしている。実はリチャードでも使っているのだが、養生用のプラダンの内側に植毛紙を張り付けて、筒が当たる部分に100均クッションマットを張り付けて完成だ。

プラダンなので完全な円形にはならないが、マジックテープでの付け外しなので簡単だし、すごく軽いし、外した時も巻き巻きしておけばコンパクトになるので結構便利だったりする。問題なのは、いつものごとく、「とりあえず」、が結局このままになる可能性が高いということだ(^^;

滑り止め効果の高いラバー手袋
滑り止め効果の高いラバー手袋。これがあるとギガントを落としそうになることが激減。必須装備になっている
ギガントの運用面では何度も書いているが、ファインダーまで含めると17kgほど。しかも大きくて持つところも少ないため、運搬には非常に気を遣う。素手で動かすと滑って落としそうになること幾度か…

そこで、この時に便利に使えるのがゴムをコーティングしてあるラバー手袋。基本、工事や農業作業とかの作業用の手袋だけど、とにかく滑らないのと、手にフィットするので、赤道儀や筒の運搬時に非常に便利に使える。というか、これが無いとギガントはまともに運べない。ギガント運用時にはこれと腰痛防止ベルトが必須装備になってしまった。

なお、ラバー手袋は赤道儀など重いものを運搬するときは便利なのだが、実は摩擦力がありすぎるので、バランスウェイトとかを重ねて置いた時にその間にラバーが挟まりこんで逆にイライラのもとになったりすることもある。赤道儀には取っ手を付けているので、実はラバー軍手はギガントの筒専用として使われていたりする…

しっかり付いて糊残りの無いアセテートテープ
便利に使っているアセテートテープ。少々高価だが、糊残りも無く丈夫なので色んな所に使える。ウェイト増量のバーベルの統合にも使った
続いてよく使っているのが「アセテートテープ」これ、黒い布テープなのだが、その「糊」が少し特殊で、ある程度粘着力はある(ビニールテープより少し弱いぐらい)のだが、その糊残りがほとんどない上、強度はそれなりにあるけど手で切れる、という便利な機能性を持っているのだ。ネットで便利に使えるし糊が変質しない、というのを知ってから使い始めたのだが、ほこりっぽい所でも比較的しっかり付着するし、ベトついたり糊残りなどが今のところ無いので、すごく便利に使えている。

本来は自動車の電線類であるハーネスを束ねるためのテープらしくて、そのため耐熱性や耐久性については折り紙付きなわけだ。絶縁性からタイマーリモコン改造の時も使っている。価格は20mで600円ほどと、ビニールテープの10倍程度と高価だが、よく使われるパーマセルテープよりも安いぐらいだ。紙テープであるパーマセルテープと比較してもとにかく耐久性含めて便利なので最近使いまくっている。

ギガントの場合、カーボン鏡筒の端部も、切り取ったそのままの形状で売られているので、ほんの少しだけけば立っている。おそらくほとんど問題ないとは思うが、毛が出たり手触りをよくするため、この端部はアセテートテープで縁取りしておいた。こんな感じで色色使えてるわけだ。布テープで遮光性は完全には無いのだが、減光効果があるため、LEDインジケーターランプとかに貼ると、夜に邪魔にはならないけど光っているのはわかるぐらいになるので、実は相当便利だったりする。

光軸修正用のローレットナットを変更するとずいぶんと楽になった
amazonで手に入れたローレットナット。付属のネジがずいぶんとイタい仕様だったので交換でずいぶんと楽になった
最後に、光軸調整について少しだけ改善を。光軸修正の主鏡側のネジが結構イタい仕様で、一応手で回せるのだが、写真の黒いネジの様に、ローレット部が歯車というか、トゲトゲだった。このナット、回す時に指にささって結構痛い思いをする。修正ネジはスプリングで押し引きが同時に行われるのだが、スプリングが緩い状態だとずれ易いと思われるので、ある程度スプリングのテンションがかかるように締め込み気味で調整をしている。そうすると力が入るので、余計痛い(^^;

そこで、このM6ネジのローレットナットをもう少し大きなものに変えたかったのだが、amazonでは手頃なものがあまり見つからずじまい。でも、今回見つけたこのネジは縦幅が結構あるので、思ってたよりもしっかり力を入れられるし、痛くないし、ゆるみ止めのゴムリングまで付いてる。しかも見た目がいい(^^;。購入したのはamazonで「RXナット レッグタイプM6 4個入り」というヤツ(リンク先はamazon)。4本入りで840円。ちょっとした改善にはお手頃だ。

交換しすると見た目は少しだけハデにかっこよくなるが、どうせ普段はリアキャップをしてしまうのであまり意味は無い。その辺は気分の問題(^^;。いずれにしても、手触りも、調整しやすさも、各段に良くなった。

 とにかく大きくて運用するには色々大変なギガントだが、こうやって少しずつ運用面の不便を減らして、せっかくなのでできるだけ使ってやって、フル活用できるようにしていきたい。


2020年6月20日 画質は変わるか? SkyWatcher F4コマコレクター


ずいぶん長いが、画質良くなるというSkyWatcherのF4コマコレ
多少お高いが、倍率1.0倍で画質については評判の良いSkyWatcherのF4コマコレクター。ただ、長さがずいぶん長いのと、ピント位置はパラコアよりだいぶ前に…
2019年の秋に導入できたギガント(オライオン30cmF4カーボン)は、3か月ほどを経てなんとか運用できそうな目途は立ってきた。ただ、実際に撮影してその精度が上がってくると、画質に少し不満が出てきそうな感じになってきた。星像がどうしてもボテッとしているような…ような気がする。この辺は、もしかしたらコマコレクターを調整することで改善するかもしれない。

これまで使っていたのは、鹿児島時代(もう10年も前だ)に星仲間に物々交換でせしめた(^^;テレビューのパラコア(1)だ。正直良くわからないというのがあったのだが、当時それまで使っていたビクセンのコマコレ(無印)よりはいい感じで周辺部まできっちり解像していた。ただ、ピント位置が意外と長くて、R200SSの時もビグレプ1号の時も、標準のフォーカサーの長さが足りなくて、接眼部に全部入れないように(はみ出して)少し調整して使っていた。あとは倍率が1.15倍になるので、ほんの少し焦点距離が長くなってFが暗くなるという弱点もあった。爪隠しで周辺部の口径を削ってしまったギガントでは、更に暗くなってしまう(実質F4.9。ほぼF5だ)のだ。なんか損した気分だ。(銀河とかの小さい対象を撮るときは必ずしも弱点ではないけどね)

これに対して、結構評判が良いのがSkyWacherのコマコレクター(F4)。話によるとこれはどうやらハンガリーのGPU OPTICSが制作しているもののOEMだそうで(どっちがどっちを作っている?)バックフォーカスの調整が必要になる場合もあるが、色んな人が使っていて、評判がすこぶる良い

色々あるけど、ここは星男さんのブログを参照させてもらうことにしよう。

ドイツのTS社では各種F4鏡筒で焦点距離ごとにバックフォーカスを指定しています

F=600mm, working distance = 51.66mm ← ZWO-CN15F4はココ
F=800mm, working distance = 53.66mm
F=1000mm, working distance = 55.0mm
F=1200mm, working distance = 54.66mm ← 300FNはココ
> 1500mm, working distance = 54.60mm

 ただ、実際にリンク先のページを見てみてもここまで細かい数値はない。こちら側を見てみると、焦点距離750mm以上は55mmとあるだけだ。実際は55mmがベストなのだろうか?。ちなみに、Canonのバックフォーカスは44mm。10mmのアダプターがあればほぼほぼOKということになる。一緒に購入した径48mmのEOSマウントアダプターは、ほぼ10mmの光路長のようなので、これでベストの結果が得られる…はずだ。

 そのほかのコマコレクターと比較してみると、先のテレビューのパラコア2(約7万円…高い!)や、カサイの2インチコマコレクター、(2万円弱)やMPCCなんかもあるのだが、パラコアはとにかく、他の評判はいまひとつ。ということで、1.0倍のコマコレクターとしては恐らく後悔しないであろうSkyWatcherのコマコレ(F4)を導入することにした。税込み4万円以上で必ずしも安くはないが、評判を見る限り、これで使えなければ使い方が悪いというレベルの気配だ。

導入したのは2020年の2月。EOS用の48mmTリングや、ついでに(^^; IDASのNB-1フィルターも一緒に購入した。NB-1についてはまた後ほど…。

購入後、最終的に撮影できるようになった後、まだ完全な実力は発揮できていないが、それなりの結果が得られているのは間違いないので、導入した効果はあったとは思っている。ただ、まともに使えるようになるまでには大きな障壁が一つだけあったのだ。

最初に運用したのは2月の後半。遠征先で初使用をしようとしたのだが、この時に「やはり」ピントが出ないことが発覚。あと数cmは奥に入れないとピントが出ないのだ。そもそも、パラコアを使用した際に普通にピントが合うということで警戒はしていたのだ。先に述べたように、R200SSで使っていた時もビグレプ1号で使っていた時も、そのままではピントが合わず、2インチを全部差し込まないで少し浮かした状態で使っていたのだ。そう、少し繰り出さないとピントが合わない。

そのパラコアが、今のギガントだと普通に使えてしまうということは、そのほかのコマコレを使ったときにもっと繰り入れないとピントが合わないかもしれない…というのが予想されたわけだ。この悪い予感は的中して、遠征先で「あっちゃー」となったわけだ。まぁ、ある程度予想していたので、この時は何も慌てず、パラコアを取り出して何事もなかったかのように撮影は続けたのだが(^^;

さて、問題はせっかく買ったSkyWatcherコマコレ(F4)を使わないわけにはいかない。接眼部を改造してもこれ以上繰り入れるのは不可能そうなので、残る手は主鏡を前にシフトする方法だ。はたして… つづく。


2020年6月26日 カーボンに穴あけ! F4コマコレ用にミラーを前出し


黒いカーボン鏡筒に穴をあけるため、目印がわかりやすいように白い養生テープを巻いて印を付けて穴あけ
黒いカーボン鏡筒に穴をあけるため、目印が判りやすいように白い養生テープを巻いて、元の穴を参考に印を付けて穴あけ
さて、せっかく買った高級?コマコレ、SkyWatcherのF4コマコレクターだけど、これを入れても、あと数cm奥に入れないとピントが出ない状態で、このままでは使えない。せっかく買った評判のコマコレが使えないのは悔しいので、ピントが出るように主鏡を手前にシフトすることにした。

ギガントの主鏡セルの固定は、3か所のネジでカーボン筒に留めてあるだけで、3か所のφ6mmの穴があれば固定できるわけだ。それなら、数cm筒先側に鏡(セル)をずらせるように穴を追加で開けてやればいいだけとなる。色々調べてみると、カーボンの鏡筒に穴をあけるだけなら、さして難しくないようだ。

ということで、真っ黒な筒にマジックで描いてもわからないので、養生テープを貼ってその上から穴を開ける場所を決める。鏡のシフト量は、ドロチューブの繰り出し量が5cmなのと、今パラコアでピントが合う位置が1cmほど繰り出した場所、ということで、4cm前に出すことにした。眼視の時にどうなるかは微妙なのだが、足りなくなれば延長チューブでいかようにでもなる?ので、そこは無視することにした(ヲイ

更に、この際なので更に4cm手前にももう一つ穴を開けておくことにした。これは、眼視で接眼部に天頂プリズム(というか45度成立プリズム)を付けられるようにするため。通常では反射にプリズムは邪道なんだが、この大きな筒を振り回して色んな人に見てもらうためには、プリズムがあると便利そう。こんなに鏡を前に出すと斜鏡が小さすぎるだろうとは思うのだが、まぁ、その辺はやってみてからとなる(^^;

とりあえず、今回はF4コマコレでピントが合う場所を、ということで4cm前を主として穴をあける。キリでポンチした後、3mmドリルで下穴、6mmドリルで本穴をあけてみた。切粉は散らないように掃除機で吸ったあと、きっちり掃除しておく。そして空いた穴にセルをセット。今回は4cmシフトしたところにセットし…セット…ネジ穴が合わないいいぃぃ(涙

穴ずれた…
なぜか一か所だけ、微妙にずれて穴が開いてしまった
しっかり印を付けて穴をあけたはずなのに、何故か一か所だけ穴が微妙にずれてしまった。いかに適当にやってるかバレバレだが、ムリヤリ広げてなんとかなった…
よく見ると、1か所だけ何をとち狂ったのか、穴の位置が微妙に左に寄っている。そのためセルのネジ穴と合わないわけだ。てきとーに工作しているのがバレバレなんだが、なんとかしなければならない。いや、たいしたことではなくて、単に棒やすりで穴をゴリゴリ広げただけ。ブザマだな。はい…。

なんとか主鏡セルはセットできて、形の上では元通り。本当は鏡も外してあれやこれやしたかったのだが、ちょっと今回は時間も無くて主鏡セルそのものはいじっていない。その辺はまた次回…。

鏡をセットしたら光軸合わせを実施。光軸アイピースを付けて見てみると、斜鏡も微妙にズレてたのでそこから修正し、主鏡もごにょごにょと調整する。光軸修正アイピースを使うと割と簡単に合わせることができた。レーザーを使っても一応真ん中に帰ってくるので、てきとーにあけた穴でもそれなりに平行は取れているようだ。

さて、ピントを確かめるためにテストのためのベランダに展開してみる。今回7kgのウェイトも入手したので、いつものバーベルテープ取り付けウェイトから、純正ウェイトのみへの変更もチェックしてみる。カーボン筒+ファインダー+X-T1のセットで、ウェイトは7kg+3.5kgの2個でギリ、バランスすることがわかった。なかなか微妙…。

で、肝心のピントだが、問題なく出ることが判明。繰り出し量1.5cmぐらいできちんとピントが来た。一応パラコアにも変更してみてみると、こちらは全伸ばしから1cmほど縮めたところでピントが来た。どちらも使えるのでピントのバランス的にはいい感じになった。あれこれ苦労したけど、とりあえずなんとか使える状態にはなりそうだ。ただ、眼視用のアイピースは案の定、1cmほど繰り出し量が足りなくなった…。延長チューブを使うほどでもないので、1.25インチアダプターを少し繰り出して対応している。


2020年7月4日 なんでも置けるか? ASG-CB90の物置板


三脚のステーの上に板を載せるだけで結構便利
三脚のステーの上に板を乗せるだけで結構便利に使えるのだけど、その形や置き方で結構悩んだりして
さて、色々改善して少しずつ使い勝手がよくなってきたみぞかさんギガントだが、更に使いやすくするため、今後に備えて、色々整備を進めている。ギガントにはでかい改造を施すつもりでいるのだが、とりあえずはAXJの三脚、ASG-CB90周りの便利改善を紹介しておこう。
このビクセン製の三脚、真ん中に補強用の棒があるので、各脚からの3本のステーがあっても、結構邪魔になってモノが置けなかったりする。もちろん、これまでのビクセンのアルミ三脚の様に三角板が標準又はオプションで付いていたりは…しない。この三脚の下というのは色んなものを置いておく一等地みたいなもんで、特に電源やコントローラーをこんな風に置いておくにはもってこいだったりする。しかし、そのままでは細いステーがあるだけなので、落ちないようにバランスを取ってそおっと置いても、気が付いたら地面に落ちてたりして…。

近くにテーブルや椅子をスタンバイしてもいいのだが、せっかくこのステーがあるので、そこに板を渡して、電源やコントローラーが置けるようにしたかった。板の形は三角形とか色々考えて段ボールでシミュレートしたりしたのだが、結局こんな風に幅43cm×奥行15cmぐらいの板を用意して、ステーの部分を丸くφ5cmでくりぬいてやれば、2本のステーに渡して物置にすることができる。リチウムイオン電池とコントローラーぐらい置いてやっても耐荷重としては全然問題無いレベル。私の場合はこの二つが置ければだいたい事足りるので、設置スペースとしてはこれでOKだ。ただ、固定を考えると、もう一つ用意して、重なった部分をマジックテープで固定してやれば完璧かもしれない。

真ん中にへこみを付けたただの板。さて、運用は…
真ん中に少しへこみを付けたような形にした板。これだけで物置ができあがり。標準で似たようなのをつけてほしいぐらいだ。
板そのものは全然たいしたものではないのだが、実は穴の大きさや深さなど、加工も含めて意外と苦労してしまった。今まで電源やコントローラーの置き場所をいつも悩んでたのだが、こんな風にちょっとした工夫で使い勝手は劇的に変わったりするので面白い。段取り時にはまだ色々工夫が必要なので、ちょっとずつ改善は進めていきたい。

なお、この板。あまり何も考えずに(というか、設置のことだけを考えて)この大きさにしてしまったのだが、三脚の袋にギリギリ入るレベルだった。その辺を考えるともう少し、あと1〜2cm幅を短くした方が良かったようだ。今から切るのは面倒なので、そのうち考えたい…



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