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伊豆の熱海付近でオメガ星団を狙う通称「オメガ砲」
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 小学生の頃から慣れ親しんできた天体観測だが、その頃から、「これは一生の趣味になるだろうな」という気はしていた。紆余曲折を経て、未だにあれやこれやと思い悩む天文おっさんとなった。写真撮影にまつわる顛末を記録してみた。「曇天」なのは、晴れればこのページを書いている暇が無い訳で、曇って星が見えない日に書いているから。例によってトラブルも多数…(^^;
ちなみにタイトルの写真は、春のケンタウルス座のオメガ星団を狙っているギガント。ほぼ水平に筒が向くため、通称「オメガ砲」という状態になる

2020年7月4日 ギガントの バラバラ事件簿 第1話


よく見ると斜鏡サポートがセンターに無い…
オライオンの斜鏡を同心円のフラット板に合わせてみてみたところ。斜鏡のサポートがセンターに無いことが判明
時は2020年GWの最終日、少しまとまった時間が取れそうだったので、それまで構想だけだったギガント(Orion 30cmF4カーボンSTD)改良にチャレンジしてみることにした。GWの最終日まで引っ張ったのは、前半に撮影とかをしてたので生活が不規則になって日中眠いということもあったりした(^^;。

ギガントの導入は2019年の10月なのだが、当時から色々問題の残る筒だなぁ、というのがあった。日本で購入すれば結構な値段なのだが、メーカーの英国だと割とリーズナブルな値段だと思われるので、まぁ、値段なりの作りこみなのかな、と思うしかないようだ。足りない部分はユーザー側で色々工夫するのが天文趣味の醍醐味だー!と、納得することにした(^^;

購入当初から、とにかくその巨大さには圧倒された。カーボン鏡筒で軽いので、大きいだけなら別にいいじゃん、とも思うのだが、実際には取り回しにとにかく苦労する。直径350mmは仕方ないとして、長さが1210mmもあるので、持ち上げて部屋から出し入れするたびにどこかぶつける(^^;かなり上に注意して運ばないとヤバイ。イメージとしては太さ長さともに違うけど、ドラム缶を持ち上げて運搬しようとしている、と思ってもらえると考えやすいかも…。

しかも車の中では後部座席で横にしてギリギリの長さだ。ちょっと何か挟まるとドアが閉められなくなる。まぁ、これは測ったうえで購入したのでギリなのは想定通りなんだが、やはり出し入れ時に結構神経を使う。同じ30cmカーボンを使っている「夜空の星狩り」YOCCHANさんのブログを見てみると、そちらはTSの別購入の筒ということもあって、長さは1160mmほど。よく見てみると、特に斜鏡サポートから先の長さがだいぶ違う(筒先が短い)ように思える。

ギガントの場合、斜鏡サポートのネジ穴から筒先までが11cmもある。強度の面もあるのである程度は必要だとは思うし、考え方によっては「カーボン製の高強度の固定フードが付いている」と思えなくはない…ないのだが、やはり取り回しが不便なのはイヤだ!。この部分は、遮光フード意外の光学的仕事はしていないはずなので、無駄だよなぁ、と思っていた。

そう見ると、主鏡セルの後ろも無駄に長い。実際にはセルサポートのネジ穴から光軸調整のネジの先端まで隠れた方が立てて置けるので、その長さ(3cm)だけは確保したいのだが、それでも正規のネジ穴から後端まで約7cmあるので4cmほどは無駄な感じだ。更に、先日ミラーを前にずらすために4cmほど前にシフトしたため、その無駄感が増強されていたりする。

ということで、最終的にはこの余分な?部分をばっさりカットしてやろうという魂胆だ。一度切ってしまえば取り返しはつかないし、強度的に不足したりしたら大変なのだが、せっかくのカーボン鏡筒。強度はなんとかなるだろうとタカと腹をくくって切ることにした。切るのは恐らく通常の万能鋸で問題ないが、切りくずやら繊維やら色々問題があるので、少なくとも主鏡と斜鏡は外しておく。接眼部も外した方がいいとは思うのだが、今回は面倒なのと後でスケアリングなどの調整が大変そうだったから接眼部は付けたままでカバーだけしておいた。ちなみに主鏡・斜鏡をセル事外した鏡筒本体、測ってみると重量5.2kgだった。おお、さすがに軽い。

長くて太いカーボン鏡筒。なんとかしたい
長くて太いカーボン鏡筒。せめて長さは少し短くできそうなので、上下を少しずつ切り詰めるつもり。ただし今回はここまで。
外してみても、結構歪んでいる
斜鏡サポートを外してみた。スパイダーが結構歪んでいる。
手でいじってみると、意外とまっすぐになった
手で調整してみると、意外とまっすぐになった。とりあえず今回はこの辺で勘弁してやろう

で、ようやく本題。今回は切る話ではなくて、斜鏡サポーター(スパイダー)のお話(ヲイ

そもそも、届いた時からスパイダー、よく見ると少し曲がっていた。輸送でどうこう、ではなくて、どうも取り付けセッティング時から結構曲がっていたようで、撮影してみても光条の先が割れている。光条を見てピントを合わせようとしても、割れててわからない状況だ(涙)。なので、どこかでこれをなんとかしたいと思ってたわけだ。しかも、先日フラット板をセットしてセンターを見てみたら、斜鏡サポートがセンターに無いことも発覚した。改めて良く見ると、取り付けネジに入り込んでいるネジの長さが、向きによって微妙に異なる。むむぅ、組み立てがかなりいーかげんだな。こりゃ。

ということで、外したついでになんとか調整できないか見てみた。スパイダーを外してよく見てみると、ねじれたり曲がったりして、真っすぐになっていない(…マヂかよ…)。1mm厚みの金属板なんだから簡単には…と押したり引いたりしてみたら…簡単に曲がるぞ。これ(^^;;

なんとかセンターに持ってきた
最終的にセンターに持ってきた斜鏡サポート。これでOKなのかどうかは不明。でもたぶんこれでいいんじゃないかと思う。
10分ほどああでもない、こうでもない、といじっていたら、そこそこ真っすぐになってしまった…。もしかしてこれ、自分で調整するのが前提で、てきとーに取り付けてあった?。光軸調整ならとにかく、斜鏡サポートまで自分で調整してね、という状況ならそこは説明を1枚入れておいてほしかったぞ…(たぶん違うと思う…)

さて、肝心なのは取り付けだ。筒をカット(後述)した後、スパイダーを曲げないように注意しながら取り付ける。が、どうやら穴の位置も少しいいかげんらしく、まっすぐに取り付けようとしてもちょっとだけ曲がってしまいそうな感じだ。それでも、今回は斜鏡サポートがセンターになるように、せっかく作ったフラットパネルを利用しながら取り付けました。あまり強く締め付けるとどうやら筒が少し歪んでしまいそうだったので、適度に締め込んで終了。少なくとも取り外し前よりはスパイダーは若干まっすぐに、そしてセンターに置けているはず…だ。ただ、本当にセンターに取り付けていいのかどうかはまだわかっていない(^^;;

後は光軸調整だ。斜鏡はセンターマークも何もないので、オフセット含めてどの辺に置くのが正解なのかわからないが、とりあえず最初に付いていた辺りにセッティング。ただ、これまでの経緯から考えると、この「最初にセットされていた位置」というのも限りなく怪しぃわけだ…。オフセット含めて斜鏡を正確な位置にもっていく方法は、別途「前向きに検討したい」と思う(^^;;


2020年7月5日 ギガントの バラバラ事件簿 第2話


切断前のギガントの長さ
切断前の筒の長さ。1210mm。白く書き込んだ線が鏡筒端部を示している。右側の写真と比較してみてほしい。実は、比較のため切断した後に切った部分を張り付けた状態(^^;
切断後のギガントの長さ
切断後のギガントの筒の長さ。合計110mmほど短くなっている。重量もほんの少しだけ軽くなって、取り回しは想像以上に楽になった感じだ
さて、スパイダーを少し修正した後、いよいよ本番。筒カットだ。ギガントの長さ1210mmという長大な筒を振り回すのが大変なので、前々から短くしたいとは思っていた。短くする場合、筒の前の部分、斜鏡サポートから筒先まで11cmほどあるので、ここを4cmほど残して、7cmほどカットする。可能なら一気に全長1100mmまで短くしたかったのだが、強度や迷光の関係もあるので、あまり無理はできない。筒のお尻、ミラーセルから後端までは、元のミラーの位置にした時に光軸調整ネジがはみ出さないレベル(実際には少し出るかもしれないが)として、4cmカットすることにした。これで合わせて110mm短くなるので、全長1100mmが見えてくる

主鏡・斜鏡を外した後、接眼部にカバーを張り付けて、養生テープを貼りつけて罫書きする。寸法測定&罫書きは、本来なら筒を回転できる台とかに載せて行うのが良いのだが、今回は筒の端部がしっかりしている前提(ここまでの経緯で、そんな信頼性、無いのはわかってはいるのだが…)で、筒先から長さを測って印をつけていく。まぁ、現状でも見た目はまっすぐ(筒面に対して垂直)に見えているので、ひどいものにはならないと思って続ける。


切断前にけがきのためのテープを張った状態
再掲だが、罫書き済の状態。上は白い養生テープの、より白くなっている部分の上を、下は白い養生テープの下の部分をカットする予定で貼っている。
印をつけたら、屋外に引っ張り出して、パイプソーでひたすらゴリゴリ切っていく。穴あけをした時は切りくずも少なかったので屋内で行ったのだが、さすがに切断となると切粉も盛大に出るので、念のため屋外で実施した。屋外ならカーボン繊維が体に付くのも最低限で済むだろう、という算段だ。実際には鋸を持ってた右手のすそ部分が少しチクチクしたので、この辺のカバー(保護具)をちょっと考えた方が良かったかもしれない。

少し時間はかかったが、切断はなんとかできた。少なくとも金属を切るよりは簡単だと思われた。イメージとしてはちょっと硬めの塩ビを切っている感じだ。(実は、後日ノコ刃がだいぶくたびれていたことが判明。交換するとずいぶん切れ味が復活した)切断面は荒れているので、やすりで適当に丸めた後、軽くサンドペーパーをかけて、最後はアセテートテープで端部巻きして端部処理はおしまい。元々の端部もかなり荒れてたのでアセテートテープを巻いていたのだが、まぁこんなもんだろう。強度的にはあまり心配ない(と思い込んでいる)のだが、筒先の補強部分を切ってしまったので、本当なら強度のあるトップリングを付けた方がいいのだろうな…

問題なのは、切ったときに筒内に入り込んだ切りくずだ。可能な限り払い落として、付着したものはウェットティッシュなどでふき取っているのだが、もしかしたらどこかに残っているかもしれない。内部に植毛紙を貼ってしまっているので、丸洗いができるわけではない(できたとしても場所が無くてやらないが…)。植毛紙が無ければ丸洗いしたほうがよかったかも。まぁ、接眼部もあるし、この辺悩みどころだ。養生テープの粘着面なども使いながら、内部はできるだけほこり取りをしておいた。ミラーに落ちる分にはまだ掃除できるのだが、カメラの撮像素子とかに付いたらいやだもんな。

で、切断した長さは合計110mm。取り外した重量はさほどないだろうとは思ってただが、気になったので重量測定してみた。両方合わせると410g、なんと約0.4kgもある!。意外。この辺は植毛紙を貼ってあるのも影響しているのかもしれない。接眼部のついた筒だけを測ってみると5kgを切るところまで来ている。想定外に軽くなったのはラッキーだったかも。

切断で切り飛ばした前後の筒部分
切断した筒の前後の切り飛ばした部分。カーボンなので軽いが、重量は合わせて0.4kgあった。想定以上に軽くなったのは良かったかも。さて、こいつの使い道は…
切った筒の部分は今のところ使い道は無いのだが、捨てるのは忍びないので、とりあえず置いてある(後ほど役に立つ)。筒先を切ってしまったので、しっかりしたフードが必須になるので、今後フードを作ったりするときに型枠としてはうまく使えそうだ。

この後、せっかく外したので、ミラーセルの改造も少し行うのだが、その後ミラーと斜鏡を付けて、いつもの収納場所に置いてみると、…。全長1210mm→1100mmと、1割ほど短くなっただけなんだが、見た目の印象がずいぶんと変わった。置き場の前後に隙間がある!コンパクトな鏡筒に見えるのだ!。いや、直径35cmの筒がコンパクトに見えるなんてのは、もう既に何か基準が違ってしまっているのだが(^^;

さて、切ってみた筒を使って、さっそく試射(写)をしてみたのだが、なんか星像が変だ。改めて焦点外像を見てみると、光軸が全然合っていない。おやぁ?確かしっかり合わせて挑んだはずなんだが…。
光軸がずれた理由はまだわかっていないが、もしかしたら、アレのせいだろうか…まさか。そう、第三話でアレをやってるのだ。主鏡セルのアレ。

それについては、また後日…



2020年7月7日 ギガントの バラバラ事件簿 第3話 (主鏡セルサポートカット=口径30cm化)


オライオン30cmセルの構造を横から
ギガント(オライオン30cmカーボンSTD)のミラーセルの構造を横から見てみたの図。一番下が筒への固定ベースで、その上にミラーを持たせるセル本体、9点フロートがある。セル本体の右に横と上をサポートする支持が見えている。この爪が曲者。
さて、ギガントのバラバラに切断されてしまった筒を紹介したが、せっかくバラしたので、(よせばいいのに)以前から懸案であったミラーセルの固定爪もカットすることにした。

ギガントのミラーは、固定用?の爪が3か所ついてて、この爪の張り出しが結構大きく、1cm近くある。干渉作用で変なゴースト(スパイダー)が出ないように、このミラーの固定用爪を隠すため、 1cm幅の爪隠しをセットしてあるのだ。ただ、元の鏡の大きさが300mmなので、この周囲10mmを隠してしまったことで実質口径は280mmとなってしまい、10%強の光量ロスが発生している。もしかしたら絞ることによる改善効果もあるかもしれないのだが、なんか悔しい

また、この「爪」は例によって?固定の役割はほとんどなく、何か大きな力がかかった際に鏡の落下を防止する程度の役割しかない…はずだ。オライオンのミラーセルの構造上、ミラーの固定はサイドからのテープ貼りによる固定(いいのか、これ…)がメインで、爪による固定はほとんどなされていないはず…※1 はずだったりする。

 横面からセルの構造を撮影したのが上の写真になる。ちょっと複雑でわかりにくいのだが、一番下のファンの付いてる板がセルを筒に固定するための板で、右端に固定用のネジ(実際は3か所ある)が見切れている。スプリングの付いるネジとその右の細い固定ネジが光軸調整用で、その上のセル本体をこの2本(実質6本)で支えているのだ。ミラーの荷重のほとんどは、セル本体の真ん中に見えてる9点フロートで白い樹脂ネジの9点で支えられている。これがいいのかどうか、というのはあるのだが、今回は面倒なのでここはいじらなかった。

問題はミラーの固定だ。セルの右端にサポートが立っているが、これはセルの端部をくわえ込むように取り付けてあり、鏡を上から押さえるというよりは、横から挟み込む、というような固定になっている。また、ミラーが動かないようにするための固定はこのサポートの中ほどにある樹脂ネジ(この写真では見えてない)でミラーを横から押すようになってて、樹脂ネジとミラーの間にはゴム板が一応あり、それで横から押しているのと、サポートに巻いてあるテープで引いてあり、その2つの力で固定しているようだ。このテープで固定がそれなりに行われているので、ミラーが動くことはなさそうだ。ただ、このサポートの固定はセルの下からネジ2本で留めてあり、そのネジ穴は一番下の固定板を外さないとアクセスできない。なので、鏡をバラすところまでが結構大変そうな気配。

国産や中国産のミラー固定の様に、落とし込んだミラーを上から押さえるような構造なら色々手はあるのだが、このオライオンのセル構造だとミラーを外すのもすごく手間だし(セルを全部バラさないとサポートが外れない)、上部のツメの所だけを外してどうこう、ということができないので今まで手を付けていなかったということもある。今回は思い切って全部バラして、普段はほぼ仕事をしていない(はず)なのに、ミラーの邪魔をしている爪を切り飛ばしてしまう算段だ。まさにバラバラ事件だ(^^;

セルの鏡を乗せてあるフロート部分。これは固定されていないので、落下防止にならない
ミラーセルの鏡を乗せてあるフロート部分。このフロート部分が主板に固定されていないので、落下防止にならない
セルの鏡サポート部(サイドからの押さえの爪を切り飛ばす
ミラーサポートの爪を思い切って切り飛ばしてしまったの図 右側が爪を切断したもの ギガントのセル構造 ミラーサポートの形状と爪カット後
最後に鏡をセットして横からテープで固定する
最後に鏡をセットしてサイドサポートを固定し、横からアセテートテープでしっかり固定する。固定…できているはず…
その場合、ミラーの落下防止策をもう少し強化してやらねばならない。最初検討していたのは、9点フロートの部分をやわらかい両面テープ(いわゆる、魔法テープ)で固定してやろうと考えてた。しかし、バラしてみると、左の写真のように、この9点フロートは3点ずつ、セルに「乗せてあるだけ」なので、このフロートとミラーを固定しても落下防止にはなりえない…。なので、落下防止はミラーサイドからのテープ補強の強化ということだけにした。

で、ミラーサポートの爪を切り飛ばしたのが中央の写真だ。左が元の形。右が切り飛ばした状態だ。材質はアルミニウムだと思われる。結構小さい上に、形が中途半端なので、固定がしずらくて切断するのにずいぶんと苦労した。鏡筒を切るより大変だったかも。

ここではサポートの下部、セルに固定する構造にも注目してみてほしい。セル本体にこのコの字部分を挟み込んだ後、左のに付けてある2本のネジで固定する。ただ、セル側にはネジが切ってなくて、コの字の上の部分(下から2段目のでっぱり)にのみネジが切ってあるのだ。そのままだとしっかりは固定されない。なので、右のコの字の下に見えているもう一つの穴に、六角ネジが仕込んであるのだ。セルにねじ込んだ後、この六角ネジを締めてやることで強固に固定され、ネジのゆるみ止めになっているようだ。実際、最初にネジを緩める時にずいぶんと苦労した。

後は、元通りにミラーセルをくみ上げて、ミラーをテープで固定してやる。もともと付いてたテープに加えて、写真の様にアセテートテープで更に補強した。もともと、ミラーサイドにはある程度凸凹があるので、3点のサポートを横から押してる状態では簡単には落下しないが、テープでこれだけ固定しておけば、動くこともないだろう(甘)。アセテートテープは適度に丈夫で、かつ高温でも糊残りとかが無いので、こうした固定にはなかなか良い。本当はもうちょっと丈夫なテープがいいかもしれないが…。最後にセルを持ち上げて90度以上傾けて、動いたり落下したりしないことを確認しておいた。重いのですぐ元に戻した※2 が(^^;

無駄な張り出しが無くなって30cmフルに使えるようになったはずの鏡
爪やマスクの張り出しがなくなったので口径30cmをフルに使えるようになったはずのミラー。ガンガン撮影するぞー。
爪の部分をカットしたので、ミラーには邪魔な影が無くなった。もちろん爪隠しの1cmのドーナツも外しておいた。これで30cmをフルに使えるはず…だ。30cmをフルに使えてもそれを生かせる技術を持っているかどうかはまた別の話なのだが…(^^;

ということで、三話をもってバラバラ事件の第一部は「完」だ。そのはずだ。第二部があるかどうかは、リクエスト次第ってちがーう。次にバラす時はたぶんミラー清掃の時だと思うのだが、更に色々切り飛ばすことは…たぶん無いと思う(^^;;

※1 フラグその1…
※2 フラグその2 …

…ということで、フラグの通り、舌の根も乾かないうちに、後日談(第4話)が出るハメになっています。 「光軸も合わせて、これでテスト撮影ダっ!」

「なんかファインダーがずいぶんズレてるなぁ」

「薄雲だけど、M13は綺麗に…おや?星像がずいぶんいびつ…なぜだ!」

「こいつ… 動くぞ!」

次回、刮目して待て!(ヲイ



2020年7月11日 ギガントの バラバラ事件簿 第4話 (光軸の迷走化)


試しに撮影してみたM13。よく見ると星像がなんかおかしい…
ギガントバラバラ事件の後、試しに撮影してみた球状星団M13。しかし、なんだか星像がおかしい。微妙に歪んでいるような…こ、これは光軸がおかしい?
さて、無駄に派手な予告をしたバラバラ事件だが、その後迷走していて、2020年7月現在でも解決できていなかったりする。何がどうなっているのか?、何ができるのか?、解決策はあるのか?。いやもう、迷走状態となっている。事の起こりは、第3話でミラーセルのサポートの爪を切断してしまったことに…ありそうだ。いや、もしかしたら原因は他かもしれない…※1 (^^;;

とにかく、光軸をしっかり調整した後、

「しめしめ、これで爪も無く完全に30cmを使った撮影ができるぜ。これでテスト撮影ダッ!」

と宅撮りを始めました。現状の撮影位置からだと、撮れる対象は北東から天頂付近と、かなり限られる。少しでも南に寄ると写らないのだ。比較的明るくて星が多いところ…ということでM13をターゲットにした。しかし、ファインダーがずいぶんとずれていてアライメントに苦労してしまった。

「おっかしぃなぁ、こんなにファインダーがずれてたことは無かったのに…」※2

薄雲が多少あったが、テスト撮影には大きな支障ではない。出てきた絵を現場で拡大してみてみると…んんんん?なんか星がイビツでないかい?何かがおかしい??やばいか!?という状況であった。それがタイトルの写真だ。これはまず光軸が怪しいと、焦点内外像を見てチェックしてみると…。確かに光軸合ってない…(涙

ただ、直前に光軸はしっかり合わせたはずだ。こんなに簡単にずれるなんて…?そう言えば、筒を振り回しているときに時折「カタン」と音がしていたような気がした。まさかと思って、筒の後ろからミラーセルに手を入れて※3 、例の9点サポートを触ってみる。と!

「こいつ…動くぞ!」


案の定、サポートによってはミラーに接触していなくて、フリーの状態になってしまっています。ということは、ミラーがセルに接触していない=ミラーが動いてしまっている、ということかッ!?

実際、少しミラーを押してみると、動くような感じだ。これは…ミラーが落下するようなことは無いとしても、角度によってミラーが動いてしまうようでは使い物にならない。これが、爪をカットしたことによるものかどうかはわからないが、一番疑わしい原因には違いない。では、なんとかしてミラーをセル側に押し付けるか引っ張るかしなければなるまい。爪がなくなっている今、押し付けるのは無理(そもそも元からそんな機構は無いのだが…)なので、引っ張るしかない。ここはやっぱりアセテートテープ君の出番だ。

光軸がずれるので、とりあえずミラーを背面から張る!
とりあえずミラーを背面からアセテートテープで引っ張っる。張る!張る!。これでかなり改善したはず?
光軸調整の図。これで合わせても…
判りにくいが、光軸調整の図。とりあえず完ぺきではないがそこそこ合った状態。これで南北を振って、反対側に傾けてみると…
筒の向きを変えるとセンターマークが中心からずれてしまっている…
反対側に筒を傾けるとセンターマークが逃げるようにずれてしまう。どこかがたるんでいる…
あまり方法は無いのだが、とりあえずアセテートテープでミラーとセルとを引っ張る。これだとテープが長いのであまり効果は期待できないのだが…とりあえずこのまま光軸を合わせて、筒を振ってみた。
それなりにテープにテンションをかけたつもりだったので、ミラーが動くことは無いだろうと思ってたのだが、筒を南東側に向けた後、今度は南西側に向けてみると…(要は反転)…光軸がずれる。ミラーや9点サポートは動いていないようだったが、何度か繰り返すうちにどうやら動き出しているようだ。これでは不足かッ!?

仕方ないので、もう少しだけ分解して、今度はミラーのサポート方面に垂直にミラーを引っ張るようにテンションをかける。この状況だともう少ししっかり引っ張れるようだ。このままセルを筒に戻して、もう一度確認…やはりズレる。うううぅぅ(涙

最後に下に向かってテープを張る
今度は斜め方向ではなく、ミラーの側面から下に向かってテンションをかけるようにアセテートテープを張る。この方が晴れる。いや張れる。
ただ、ミラーや9点サポートの動きは感じられていない。光軸のずれを良く見てみると、写真ではうまく再現できないが、主鏡が動いているというよりも斜鏡が動いているようなずれ方をする。ただ、実際に斜鏡がずれたのであれば、ミラーも動いているようなずれ方をするはずだ。光軸アイピースの十字部分からだけ、ずれていくような動きをしている。しかも再現性がある…。

ここで詰んでるのだ。イメージとしては、接眼部が動いているような感じだが、手で接眼部を持ってひねってみても、ここまで動かない。ただ、筒を短く切断してしまったので、もしかしたら強度が落ちて接眼部がたわんでいる可能性も捨てきれない(違うと思いたいが…)。光軸修正アイピースだけがたわんでいるのかとも思ったのだが、アイピースを持って動かしてみても、そんなに動かないし、ショートタイプを付けてみても同じようにずれる。

ただ、最初に光軸を合わせた状態で、垂直に持っていくぐらいまではほとんどずれが認められなくて、反対側に筒を倒すと、徐々にずれていくのだ。むむぅ、なんぢゃこりゃ〜?

ここでタイムアップ。どうやらこれ以上はひどくならないようだったので、とりあえずこのまま撮影してみた。対象は同じくM13。焦点内外像を見てみると、若干光軸はずれてるのだが、それでも前回みたいなことはなさそうだ。まだ星像はおかしいと言われればおかしい気もするが、とりあえず個人的には許容範囲内だ。ただ、気持ち悪さは残る…。

ミラー固定補強した後のM13。少しマシ
ミラー固定を補強した後のM13。よく見るとまだおかしいような気もするが、個人的には許容範囲内。とりあえずこれで行くしかない。
そもそも、バラバラ事件前では光軸の詳細をこんな風にチェックしたことなども無いのだ。床置きで調整して、そのまま使って問題を感じていなかったというのもあるのだが、もしかしたら、元々こんなもんかもしれない(希望的観測)(^^;

ただ、何度か振り回していると、現状のテンションのかけ方でもミラーサポートは動くことがあるようで、もう少しテンションのかけ方を工夫するか、ミラーの固定方法そのものを検討する必要があるかもしれない。このバラバラ事件、真相究明には時間がかかりそうだ…コナン※4に助けを呼ぶか?いや、ラオ博士か?

※1 そもそも複数の改造を結果を見ずにやると、こうなる。一つずつ確認しましょう…
※2 光軸がずいぶんずれてたんで、視野がずれて、ファインダーが合わなかったようだ
※3 ギガントは、ミラー径30cmで筒内径35cm、シースルーセルなんで、手がミラー面まで届く…
※4 もちろん、名探偵コナンと、ギガントなんで未来少年コナンをかけている…



2020年9月6日 ギガントの バラバラ事件簿 第5話 (筒先補強)


スパイダーで引っ張ると少したわんでしまうカーボン筒
斜鏡をしっかり固定しようと、サポートを締め上げてみると筒が少したわんで歪んでしまっている。これはちょっとマズい…
さて、バラバラ事件以後、ギガントの光軸が今一つ決まらない状態が続いていたのだが、2020年5月以降、天気もいまひとつで遠征できないまま、明けない梅雨をののしりつつ、7月に至るまで悶々と妄想していた。そしてまずたどり着いたのは、斜鏡サポート、すなわちスパイダーの補強だ。 そもそも取り付けてあるスパイダーが歪んでいるとか簡単に曲がるとかの状態だから、光軸が安定しないのはこの辺が弱いからでは?と思うようになった。素材が弱くても、テンションをかけてやれば固定はしっかりできるのでは?とも思ったのだが、実際に締め込んでみるとカーボン鏡筒はそこまでソリッドではなくて微妙にたわんでしまう。確かにテンションはかかるが、写真の下半分の様に、筒が内側に引っ張り込まれてしまっているのだ。わかりにくい写真で申し訳ないのだが、上の(汚い)部分は力のかかっていない筒(切断した切れ端)であり、下の部分がテンションがかかって少し手前に出てしまった筒の端部になっている。

このままではスケアリング含めて各所に影響が出そうなので、筒そのものを補強してスパイダーのテンションに耐えられる形にしたいな、と考えたわけだ。しかし、筒の補強と言っても工作能力のそんなに無い私にはハードルが高い。斜鏡サポートの内側か外側にでも貼り付けて、強度が大幅にアップして、なおかつ軽量な素材…。そう、例えばこのカーボン鏡筒と同じような素材、厚み、直径で幅5cm前後の材料が…

あれば…

あれば…

あるぢゃねーか!

<そうなのだ。バラバラ事件で切り飛ばした筒が、幅4cmと7cmで2つある。大きさ的には幅4cmで十分だろう。これを切って少し直径を狭めて内側から貼り込めば、強度倍増。重さも知れている。この切れ端は、まさに補強に使ってくださいと言わんばかりの素材ではないか!ひょっとして俺って天才?(違

スタンバイした補強用の筒と取り外したスパイダー
スタンバイした補強用の筒と、取り外したスパイダー。これでなんとかなるはず…
…落ち着こう。やり方としては、4cmのものを使って斜鏡スパイダーの取り付け部分を2重化して補強する。鏡筒の厚みは約3mm。リングを切って鏡筒の内側に合わせてみると、想定通り2cmほど短くすればぴったりになる。きちんと合わせられるように1.5cmほどを更にノコでズコズコと切り飛ばし、あと数mm、ということを確認した上で、やすりで少しずつ仕上げていった。最終的には内側にピッタリはまるようになった。

そこで再びセメダインスーパーXの出番だ。コイツを塗ってしっかり張り付けて、万力で固定して一晩置いた。ただ、このままではスパイダーを取り付ける部分の穴が開いていない。以前主鏡を前に出した時の様に、キリで印を付けて3mmのドリルでガイドホールをあけて、9mmのドリルで本穴を…実際には10mmの直径が必要なので、若干偏芯して空いた穴を棒やすりでゴリゴリと削ってネジが通るだけの穴にした。これを4か所繰り返すので、結構ホネが折れる。

なんとか4か所の穴をあけて、実際に鏡筒をグッと押してみてもタワミがほとんどないことを確認し、「よし、これならいけるぞ」と半分期待を込めてスパイダーを取り付け…取り付け…んんん?結構歪んでいる?

スパイダーのひずみを補正するために、長孔になってしまった取り付け穴
スパイダーの歪を補正するためには、位置を変えなければならないので長孔になってしまったスパイダーの取付穴
そうなのだ。この筒の穴、元々少し不正確だったようで、従来開いていた穴の場所にスパイダーを挿入して張ると、一か所だけスパイダーが曲がってしまうのだ。後から考えたらその穴の位置を補正する形で穴をあけ直せばよかった。あああふたーかーにばる…。仕方がないので、その一か所の穴を更に棒ヤスリでゴリゴリ削って長孔にし、なんとかスパイダーがそこそこ真っすぐに取り付けられるようにした。おかげでしっかりまっすぐに…まっすぐに…たぶん、まっすぐに付いてるはずだ…。

気を取り直して前に進もう。せっかく補強した筒が更にたわむぐらいまでキンキンに締め込んだスパイダーに、斜鏡、主鏡を取り付けて、光軸を合わせたうえで赤道儀に載せてみた。これで振り回して光軸が狂わなければ今回の工作は成功なのだが…結果は…

…な゛にも… 変わらな゛かった … (がくっ…)

いや、まぁ、薄々気が付いてはいたんだけどね…。色々やっている間に、少しずつ原因がわかってきたような気がしている。消去法だが、光軸がずれる原因としては、主鏡側にありそうだということ。主鏡側が原因だとしたら、光軸ずれ=鏡の傾きの問題ではなく、主鏡が角度によってシフトしてしまっているのではないか、という懸念が残っている。この辺は鏡の周辺をテープで固定しているので考えにくいのだが、主鏡の再度サポートを改造した際に、横からのネジの締め込みはしていないので、もしかしたらシフトしているのかも知れない。それほど難しい話ではないので、検証予定だ。

後、もう一つ問題点が出てきた。前回光軸をあれこれしてた際に、斜鏡にセンターマークを付けたのだが、このセンターマークが合わない。筒を横にした際に、上にずれているような状況だ。これは、スパイダー側で調整しなくてはならない。となると、最初に斜鏡サポートがセンターに無かったのは、実は斜鏡そのもののセンターを合わせるためにその位置が正解だったのかも、ということになる。この辺も今回はっきりしてきたので、もう少し調整が必要そうだ。


※本ページの内容は、過去にブログで「ギガントのバラバラ事件簿」 として掲載したもののまとめです。ブログは第一話 第二話 第三話 第四話 スパイダー補強などで紹介しています。将来的にはサイト側の関係で見られなくなるかもしれませんが、興味のある方はブログもご覧ください。
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