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比較的まともに撮影できたM42オリオン座大星雲EOS10D、200mmF2.8で露出30秒×3回。意外なほど良く写ったアンドロメダ大星雲
窓際天文台 2004年

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 動いているのかどうかさっぱり分からない窓際天文台(^_^;)。2004年こそは活発になるはず…だったのだけど、例によって例のごとく、全然更新できないままだった。ということでまとめて紹介。だんだんそれらしい成果は上がってきているんだけど…


2004年12月31日 '04最後の彗星撮影

「すばる」と一緒に写ったマックホルツ彗星  12月の末、年末休みに入り、年賀状を書くためにそろそろ「すばる」の写真でも撮影してみようかなぁ、でも年末年始は天気が悪いそうだからどうしようかなぁ、と思いながら天文関係のインターネットニュースをちらちら見ていた。

 と、ふと気になるニュースが。以前も話だけは少し見ていたのだが、マックホルツ彗星(横浜こども科学館へのリンク)が明るくなっているらしい。うまく行けば肉眼彗星になるのも夢じゃないし、1月上旬は比較的観察しやすい(ほとんど真上)にあるので、これなら我が家の窓際天文台でも確認可能かも。と一気にボルテージは上昇した。

 んが、やっぱり天気が悪いのはどうしようもない。この年末は過去に例が無いぐらい荒天で、ドカ雪が降りまくり状態だったので当然空なんぞ見上げても雲か雨か雪かぐらいだった。しかし、年末の夜、あきらめきれずにちょっと外を覗いてみた。

 なんと、晴れている。雲はかなり出ていて流れているものの、星が結構見えているのだ。オリオン座や牡牛座、すばるまで見えている。これならマックホルツ彗星も見えるかも、と思って概略の位置を頼りに慌てて双眼鏡を引っ張り出してみた。

 8×30mmの双眼鏡をそれらしき方角に適当に向けると、いきなり彗星が飛び込んできた。今回の彗星は尾がほとんどはっきりしないが、それでもかなり明るい。これならカメラの固定撮影でもなんとか存在ぐらいはわかるかな、ということで年末のあわただしい時にベランダに一眼レフカメラを取り出して撮影開始。相当寒かった(^_^;)。

 30秒露出を3枚のみ実行し、そそくさと退散。雲が結構流れてきているのでどっちみちあまり期待はできなかったのだが、そのうちの2枚には確実に彗星が撮影されていた。写真の矢印先がマックホルツ彗星で、固定撮影でも十分存在確認することができた。

 また、今回7日ぐらいには「すばる」のすぐそばを通るらしいのだが、そのすばるも同時に写野に収める事ができた。この後も晴れれば撮影をしてみたいのだが、いかんせん天気が悪い日が多く、なかなかそうも行かない。果たしてどうなるのやら。



2004年6月8日 かろうじて見た金星の太陽面通過

金星の太陽面通過を確認したツール。単眼鏡とサングラス  2004年の大きな天文イベントの一つに、金星の太陽面通過があった。以前起きた水星の太陽面通過の時は、昼間すっっかり忘れていて、夜になって思い出したのだが、その時は天候も悪かったのでどっちみち見られなかった。

 おんなじ様に忘れいていたのに部分日食があったが、これまたすっきり忘れて仕事をしていて、昼のニュースで思い出した。この時は天気も良かったのだが、どっちみち仕事で忙しくてそれどころではなかったのでまぁ仕方なかっただろう。

 話がそれた。金星の太陽面通過だ。水星の場合はたまーにあるのだけど、金星の太陽面通過なんてのはそうそう見られるものではない。これはぜひ見ておきたい、と思っていたのだが、これまた当日は昼から雨。雨雨。しかも結構強く降っていて、こりゃー絶対ムリだと思っていた。

 ただ、この時は憶えていて準備だけはしていて、写真の単眼鏡(8×20mm)と、望遠鏡用のサングラスを持っていた。このサングラスを単眼鏡の前に置いて、太陽を覗いてやろう、というものだ。

 このセット、単眼鏡は近くのDIYの店で1000円ほどで購入した激安品なんだけど、結構使い勝手が良くて、ポケットに忍ばせておくことが多かった(使用目的は主に子供と散歩した時の子供を楽しませる用)。実際、以前の肉眼黒点が出た時も会社に持っていき、このセットで太陽と黒点を皆で確認して面白がった事もあった。

 また話が脱線した。修正しよう。当日は金星の太陽面通過は、ほぼ日没まで続くはずだった。あきらめきれずに雲をうらめしそうに眺めながら仕事をしていたのだが、19時ぐらいだっただろうか。ふと外を見ると、向かいの道路が茜色に染まっている!あああっ!!っと思わず声をあげてしまった(^_^;)。

 ということは太陽が見えているはず!。あわてて単眼鏡を取り出して屋上に走った(業務時間は終わっているのである程度自由がきく)。見ると、隣の工場の屋根に隠れそうな太陽が雲の切れ間から顔を出している。単眼鏡にサングラスをセットして、太陽を覗く…み、見えない…。

 単眼鏡には三脚座が無いので固定はムリ。手で持って見るしかないのだけど、サングラスをセットした時点で何にも見えないので、太陽を探すのに一苦労してしまうのだ。なんとか方角を見定めた所で太陽が視界に飛び込んできた。「あ!」…はからずもまた思わず声が出てしまった。

 確かに金星が太陽面を通過している。黒点とは明らかに異なるまん丸、かつまっ黒い点が太陽のはじっこにポツッとシミを落としているのだ。まるで、太陽にホクロができたかのように…。

 席に取って返して同僚に話をし、2〜3人と一緒に再度屋上へ。神秘の金星太陽面通過を目撃する事ができた。残念ながら写真は撮れなかったが、非常に心に残るイベントであった。



2004年5月14日 久々のほうき星

自宅の窓から尾が写ったニート彗星  ヘール・ボップ彗星以降、あまり明るい彗星の話は聞いていない。肉眼彗星としてはいくつかあったのだろうけど、いずれもそれほど明るいものではなかったし、尾を撮影するところまでは行かなかった。しかし、今回のリニアー彗星およびニート彗星は期待を抱かせるだけのものはあった。ずいぶん前から天文雑誌をにぎわしていたからだ。

 んが、日本からの観測条件は必ずしも良くない。西の空低く、明るさも思っていたほど上がっていないようだった。しかし、西の空でまだ比較的高いところにいるニート彗星だけはウチの窓際からでもなんとか観測対象になりそうだった。これだけ話題になった彗星なんだから、なんとか撮影してみたいということもあった。

 ベランダから西の空を眺め、プレセベの辺りに双眼鏡を向けると、なにやらぼやーっとした光芒が目に入る。ニート彗星だ。思っていたよりあっさりと見えたけど、肉眼ではちょっと見えない。もう少し空の暗いところなら何とかなるのかもしれないけど、西の市街地の明かりでこのへんが限界だ。

自宅の屋根(上)と隣家の屋根(下)の間に見つけたニート彗星。矢印の先にあった  自分の家の屋根と隣の家の屋根との間、わずかに見える範囲に無理やり望遠レンズを向け、かろうじて撮影に成功。始めは広角で位置だけを確認しながら徐々に範囲を狭めていき、200mmF2.8のレンズでなんとか尾まで写し取る事に成功した。最初の写真は3枚をコンポジットしてコントラストをめいっぱい上げたものだ。もっと空の暗いところで長時間露出をかけることができればもう少し長い尾が撮影できたに違いない。

 それにしてもベランダから西の空を観測するというのは至難の業。実際このときも隣家の屋根に彗星がかくれるまで、わずかな時間しか許されなかった。ピントを合わせたり構図を決めたりガイドを確認したり、ホワイトバランスを調整したり、としていたらあっと言う間に時間が無くなり、撮影終了となった。ちなみに写真の上の屋根が我が家のベランダの上の屋根、そして下に黒く移っているのが隣家の屋根である。

 いずれにしても、久しぶりに天体の神秘に触れた気がした。ちなみに、もう一方のもっと明るくなるだろうというリニアー彗星の方はさっぱりで、結局見ることができなかった。難しいぃ。



2004年5月5日 雨に泣いた月食

腹いせに撮影した夜景。手持ちでブレてる  5月の連休の最終日、久しぶりの皆既月食が起こるはずだった。というか、実際は起こっていたはずだった。西日本では月没にあわせるかのように皆既月食になるという話だったので、西の空が良く見える場所を探していた。そもそも、我が家の窓際天文台は南にしか向いていないので、西側はほぼ全滅。窓を変えたとしても東、北側が少し見える程度なのだ。

 その上、西側は市街地に当たるため、強力な光害が空を照らしていて、いくら月とは言えども皆既状態になるとちょっとムリかなぁ、という感じだ。それなら窓際天文台のコンセプトはチト外れるけど、どこか近所で西の空が開けたところを探したほうがいいかな、と色々探していた。

 地図を広げていろいろ候補を探したものの、すぐそば、という所ではなかなかいい場所は無い。結局子供を連れてあっちこっちの公園を渡り歩いた結果、手ごろな場所としては市の東側の方にある漁港がいいかな、ということになった。西側は半分程が海で、海の向こうには工場がある。夜は工場のライトが結構じゃまだが、西の視界はいいし、相手は月なのでまぁなんとかなるかな、と思ったのだ。

 で、当日、朝起きてみるとどーも雲行きがあやしい。完全に曇ってしまっているのだ。天気予報ではまだ可能性があるのでとにかく出発。未明から漁港に車で乗り付け、望遠鏡を準備(といっても外には出さない)して密かに天候の回復を待った。

 ゴールデンウィークとは言え、未明の海沿いはまだ寒い。毛布を車の中でかぶって待つのだが、一向に雲は切れる気配は無い。おっかしぃなぁ、と外に出てよく見てみると、なにやらパラつき始めた…雨ぢゃん

 結局薄明るくなるまで待ったのだけど、月は一度も顔をのぞかせてくれることなく沈んでしまったらしい。写真は全然晴れない空を腹いせに一枚夜景撮影したもの。手持ちなもんだから完全にブレブレになっている。これだけの光害があるなら星の撮影場所としてはあまり適当ではない…。

 結局、早朝からムリして起きた疲れだけが残ってしまった…。



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