inserted by FC2 system

窓際天文台のシステム。室内で15cm反射赤道儀を駆使しているのだが、重たくってしょうがない初めてデジカメでまともに撮れた月面写真。一応形になっているが、まだまだ改良の余地あり
窓際天文台

玄の館トップページに戻る 窓際天文台 窓際天文台'02 窓際天文台'00

窓際天文台INDEX

 使えるデジカメを手に入れて、ようやく復活の兆しを見せ始めた窓際天文台。ホントに「窓際」なので、観察される対象はかなり限られるが、それなりに楽しめるものもある。望遠鏡本体等のシステムを紹介しつつ、デジカメでの天体写真への挑戦を記録してみた。
 なお、文中意味不明な言葉(コリメート、とか)が出てくることがあるかもしれんが、それはきっと天文用語だと思って適当に流すように(おいおい)。時間ができれば用語説明コーナーでも作りたいが…誰か用語集のページ知りません?

8月30日 月面撮影

なんとか撮影できた月。思ったより全体に眠い印象になってしまった。ちなみにコレは原寸大  待ちに待った夜。望遠鏡の組立ても何とか終わって(久しぶりの稼動だから、モータードライブのバッテリー接点に問題があったりして結構あわてた)スタンバイはOK。窓から覗くと、8月の初秋の月が少しだけ欠けてこうこうと輝いている。さっそく15cmの反射望遠鏡にルーペ接眼レンズを取り付けて撮影準備。

 月が満月に近いこともあってかなり明るいのでシャッタースピードは手ぶれが起きない程度、1/60ぐらいまでOKなようだ。実際にはC-2000zoomのシャッタースピード優先モードで撮影して、絞りが開放以上になるときはシャッタースピードを変更して行った。ただ、スポット測光を使うと多少露出アンダーになるようで、露出補正は目いっぱい(+2)かけてある。

 露出以外の結果はあまり気にせずバシバシ撮影したのだが、場合によってはシャッタースピードが遅くなってしまうので、ゲインアップも試みた(ISO感度で100→400)。合計10カットぐらい撮影しただろうか。デジカメだからフィルムを気にせずガンガン撮影できるのがいい。

 で、早速パソコンに取り込んで画像確認。ここで「はうぅっ!」思ったより撮れていない事が発覚。特に全体に眠い感じの画像になってしまっている。直接覗いたときはもっとシャープに見えていたのに…やはり太陽撮影のときと同じように、手持ちによるブレやピントの問題があるのだろう。室内で撮影しているのでシンチレーションの問題もあるのかもしれない。また、ゲインアップした画像は殆ど全体にむらっとノイズが虹色にかかってしまっており、ほとんど使えない状態になっていた。どうも手持ちのC-2000ZOOMはノイズが多いような気がする。かなり高精度な半導体だから、CPUみたいにCCDの当たりハズレがあるのかもしれない…。

 とりあえず比較的マシなカットを加工したのがこのページのタイトルにある月面である。それだけでは少し物足りないので、原寸大でレタッチしたものを載せたのが右側の写真。パッと見た目には結構な感じに見えなくも無いが、目いっぱいシャープネスをかけてコレなので、やはりボケボケな感じは隠せない。もう少しカメラの固定方法やピントの合わせ方を考えなければならないようだ。

 余談だが、鋭い貴方ならお気づきかもしれないが、写真の月は8月22日のものである。(30日だと満月過ぎちゃってるもんね)そう、このページに書かれた内容は全て8月21日〜22日にかけて実施したもので、各タイトルの日付は全て原稿を更新した日付。だから何だと言われると困ってしまうのだが、「月齢と日付があわんぢゃないか。変だぞぉ」とツッコミを入れられる前に弁解しちゃいます。たはは。



8月28日 風景&太陽撮影

C-2000ZOOMのズーム側目いっぱいにした時の画像。白丸の部分が拡大したときの場所。手前に写っているのは望遠鏡と室内の観葉植物。子供のいたずらを避けるために2階に置いてある… こちらは更に望遠鏡で覗いた画像。かなり拡大されているのがわかる。電信柱のボルトのネジ山まで見えそうだ。  せっかくまともに?撮影できる状態になったのだから、夜になるのが待ちきれなくて近所の風景を撮影してみることにした。ターゲットの適当なものがなかったのでとりあえずは2軒程先にある電信柱を撮影。C-2000Zoomそのままの望遠側いっぱいで撮影したものと、f900mm(約18倍)とを比べると、本当にすぐ手前まで、電柱にヘッドバッドを食らわせられる(なんやそれ)ぐらいまで引き寄せた程の拡大感がある。これなら月だって結構写りそうだ。  

とりあえず撮影してみた太陽。画像処理をかけると意外と綺麗に見える。毎日観測できれば黒点の動きなんかもわかって面白いのだろうが、天気や仕事の関係でちょっとムリ。  で、一番手近な天体(近い、ではなくて手近、ね)「太陽」を撮ってみることにした。但し、太陽をそのまま望遠鏡で覗くと目やCCDが焼けてしまうので、接眼レンズに取り付ける「サングラス」をルーペにセロハンテープで固定。これがまた計ったようにぴったりの大きさだった。
 これで撮影したのが写真の緑のボール。緑色に見えるのはサングラスの色が緑色だから。幸い太陽表面は比較的黒点が多く見られた(特に右上の辺り)のでわりと面白い写り具合になった。本当ならもっと黒点を拡大して撮影してみたいところだが、現状のルーペではこれが限界。 

 ちなみに、画像はコントラストを40%程上げて、シャープフィルタをかけてあるので多少は良く見えているが、画質の状態としては、思ったほど良くは無い。サングラスを保護するために望遠鏡の口径を60mm→40mmに絞っているのと、ピントはオートフォーカスだけに頼って決めているので少し甘い感じがする。もっとも、写真ではメガピクセルの画像を200ドット程度まで縮小しているので全然わかんないけど(^_^;)。  

 他にも、シャッタースピードが1/125秒ぐらいで切れるので、カメラを手持ちで撮影しているのも悪影響があるのかもしれない。手ぶれしてるのかも。肉眼で覗くともう少し詳細なところまで見えるので、やはり撮影方法にまだ工夫の価値があるようだ。
 とりあえず撮影できることも判ったので、次は夜になるのを待って月を撮影してみるか


8月26日 アヤシイ接眼レンズ

学生時代に某天文ショップで購入したカメラレンズ用ルーペ。結構倍率があって、作りもしっかりしているので接眼レンズとして使用可能。写真は60mm屈折の接眼部に無理やりハメてみたところ  ハイアイポイントの接眼レンズが安くないものか、と、近くのカメラ屋さんにでかけて物色していると、ふとルーペが目にとまった。そういえばルーペでも接眼レンズの代用になる。しかもレンズ径が大きく、たいていはハイアイポイント相当。そういえば学生時代にフィルム確認用の高級ルーペを購入していた覚えがある。  

 早速引越しの荷物の中から引っ張り出して望遠鏡に取り付けて見ると、これが思いのほか良く見える。比較的色収差も少なく、しかも広視界かつスーパーハイアイポイント(笑)。これはもう試してみるしかない、ということで望遠鏡(6cmf15のガイド鏡)に取りつけたのがこの写真。まだ取りつけ方法が良くわからなくて、ルーペの筒に紙を巻いて望遠鏡のドロチューブに無理やり挿し込んでいる。

 ちなみにこのルーペ。もともと写真レンズの前に取りつけられるようになっており、接写レンズの役目を持っているらしい。C2000Zoomのレンズ先に直接付けてみると、接写レンズになった。我ながら意外と便利なものを持っていたものだ。

 実際に撮影をする際は、C-2000Zoomのレンズを直接ルーペのレンズ面に押し当てる。適当なアダプタがあればいいが、とりあえず無いのでそのまま押し当てる。このルーペ、覗く側がほぼまっ平らでC-2000Zoomのレンズを押し当てても何処かにカメラレンズが当たってしまうことが無いため、安心して押し当てられるのがいい。で、いくら超ハイアイポイントだからといっても、広角側で撮影するとケラレまくって周辺部が真っ黒になるので、最大ズーム側で撮影することになる。

 なお、接眼レンズとして使うにはやや倍率が小さいようで、焦点距離を測ってみるとどうやら50mm近くあるようだ。だとすると、f900mmのガイド鏡だと18倍、f750mmの15cm反射だとたった15倍にしかならない。覗いた感じではもう少し倍率は高いようだが、それでも月を撮るにしてもちょっと物足りない。うむむ。もう少し倍率の高いルーペを探してみるか(これが意外と無い)、それとも1万円程出してビクセンLVシリーズのハイアイポイントアイピース(接眼レンズ)を購入してしまうか…もう少し悩んでおこう(^_^;)。


8月22日 窓際天文台復活!?

おもわず叫んでしまった主鏡&副鏡のカビ状態。白く光っているのは全てカビと埃である。この後中性洗剤で洗浄して綺麗になった  新しいデジカメ、C-2000ZOOMを手に入れてから、コレで天体写真を撮れないものか、と思っていた。ちょうどその頃に出た「天文ガイド」にも「デジタルカメラで天体写真を」というのが載っており、ますますその気にさせられた。

 とりあえず2階の部屋から天体望遠鏡で月や惑星を観ることができないかな、ということで、引越ししてから、いや、引越し前からずーっと押入れで眠っていた15cm反射赤道儀を引っ張り出してきた。鏡はまともかな〜?と鏡筒から覗いてみて「はうっ!」ビックリ。主鏡も副鏡もカビがびっしり生えているのである。こりゃいかん、とにかく洗浄が先ぢゃ。

 てなわけで、鏡を両方取り外して中性洗剤で丁寧に洗浄。ビクセンの鏡はマルチコート(どの辺がマルチコートなのか見えないが)されているので、少々乱暴に洗浄しても鏡表面に傷が付くことがほとんど無いので安心だが、それでも鏡を取り扱うときはちょっと緊張する。
 鏡も取り付けて、光軸調整(いいかげんだが)もして、なんとかまともに覗ける体制にはなった。後は夜になって月でも出るのを待つだけ…。

 というわけで、接眼レンズを取りつけてみてC-2000Zをあてがって写り具合を確認してみた。んが、「はうっ!」状態である。手持ちの接眼レンズは全て24mm径のOrやケルナー。アイポイントは決して長くなく、コリメートで撮影しようとすると、周辺がほとんど全てケラレてしまい、中央部のごく一部しか写らないのである。
 窓際天文台はのっけから大きく躓きそうになった。つづく…。


玄の館トップページに戻る 窓際天文台 窓際天文台'02 窓際天文台'00

窓際天文台INDEX