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窓際天文台のシステム。室内で15cm反射赤道儀を駆使しているのだが、重たくってしょうがない初めてデジカメでまともに撮れた月面写真。一応形になっているが、まだまだ改良の余地あり
窓際天文台2000

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 動いているのかどうかさっぱり分からない窓際天文台(^_^;)。忙しい合間をぬって少しだけ見上げてみた夜空なんかを対象に、望遠鏡本体等のシステムを紹介しつつ、デジカメでの天体写真への挑戦を記録してみた。
 なお、文中意味不明な言葉(コリメート、とか)が出てくることがあるかもしれんが、それはきっと天文用語だと思って適当に流すように(おいおい)。時間ができれば用語説明コーナーでも作りたいが…誰か用語集のページ知りません?

2000年2月16日 接眼アダプター

かまぼこ板で作ったいいかげんな接眼アダプター。制作費60円!。ありあわせで作ったけど、とりあえずは使えそうだ  夏に試した月面撮影だが、このときはシャッタースピードが比較的速いので、接眼部にカメラを構えて手持ちでの撮影、もしくは三脚に固定しての撮影となった。いずれにしても、カメラと望遠鏡が固定されていないため、長時間の露出になるとぶれが生じる原因となる。

 ということで、接眼レンズ部にコリメートで撮影できるアダプタを作ることにしていたのだが、どう言う風にくっつけるのがいいのか悩んでいて、なかなか実行に移せなかった。だいたい、カメラと接眼部をくっつけるのは専用のアダプタがあればいいのだが、C-2000Zの場合繰り出し式のレンズになっているため、レンズ先端には固定のネジが無い。メーカーのクローズアップアダプタ等は胴部分のネジにステップアップリングを組み込んでから取り付けることになっているが、いずれにしてもネジがうまく合うアダプタを加工する必要があるため、材料を手に入れるような状況になく、お金も技術もない私にはちょっと手が出ない方法である。

 ならば、とにかくカメラを接眼部分に固定できるようにしてしまえば、直接レンズをくっつけなくとも何とかなるはず、ということで考え付いたのが板を接眼部にくっつけて、それにカメラを載せてしまう方法。つくりが単純なだけに材料や技術もそれほど必要としない。

 ホントはもっと早く作りたかったのだが、時間がなかなかできなくて完成が遅れた。暇ができたときに3時間ほどでなんとか作り上げたのがこのアダプタ。今回の制作費はなんと60円である(大丈夫か?)。ベースになった板は、手ごろなものがあったので、なんと蒲鉾板を利用している(普通のよりもかなり大きめのサイズ)。ああ、5インチベイのフタだけでなく、こんなところにも活躍している(^_^;)。

 部品は5つ。いずれも近所のDIYの店で手に入るようなものばかりである。今回唯一購入したのがUボルト。蒲鉾板に穴をあけて、台座になる板をかませて、買ってきた少し大きめのUボルトを取り付け。この部分にドロチューブ部分を固定している。直接当てると傷がつきそうだが、Uボルトを指で締めている(指が痛くなった…)ので傷がつくまでは行かない。それでいて固定は思ったよりしっかりできるようだ。

カメラを取り付けてみるとこんな感じになる。軸が少しゆがんで見えるが、気のせいではなくて本当に歪んでいる。つくりがいいかげんな証拠(^_^;)  ドロチューブが固定できたところで、それにカメラのレンズがぴったり合うように三脚固定ネジの部分に穴をあける。この穴の位置を探るのに苦労したが、私はネジ穴部に墨をちょっと付けてカメラを据えて、板にマーキングを施して穴の位置を決めた。いいかげんだが手っ取り早くて合理的な方法だと思っている。

 カメラと蒲鉾板の間に、高さ調整用の板をはさんで穴をあけ、カメラ固定用の1/4インチネジ(取手付き)を通してカメラを固定してできあがりである。ちなみにこの取手付きのネジは10年以上昔にDIYの店に並んでいるのを買ったものであり、最近では見たことが無い。そもそも最近はISOネジに押されてインチネジそのものの取り扱いが減ってきているため、カメラを扱う人は見つけたら即ゲットの商品である。

 で、カメラを固定してみたのが右の写真。ぱっと見た目にはそこそこに見えるが、実はカメラと接眼部の軸があっていない。板の加工精度や、三脚ネジ穴部の出っ張り等でどうしてもこうなるのだが、まぁ実用上はそれほど気にならないだろう(ホントか?)。間に一応接眼レンズ用のルーペを入れてあるが、実はこいつの固定方法がまだ決まっていない。とりあえずは撮影のたびにセロハンテープで固定するつもりだが、そのうちちゃんとした固定方法を考えようと企んでいる。また半年先になるかもしれんが(^_^;)。

 とりあえずこれで月面を撮影してみると、なんとか撮れるようだ。この場合、さすがに直接シャッターを押すと振動がモロに伝わるため、付属しているリモコンでセルフタイマー(2秒)を働かせるという手を使う。こういうときにはこのリモコンがかなり便利に使える。次は明るい散開星団でもチャレンジしてみたいが…、時間があるかなぁ。


2000年1月30日 今度は昴(すばる)だが…?

真冬のオリオン座。ノイズも少なく比較的クリアに撮影できた  1月も下旬になってくると、寒い日が続くようになった。それならば、と調子に乗って再びベランダへデジカメを放り出し、よーく冷えたところで星座撮影にチャレンジしてみた。気温はほとんど0℃。霜が降りそうな夜である。案の定、撮影した画像はノイズが少なく、比較的クリアに星座の形が分かる。画像のガンマ値を上げて、更にコントラストもかなり上げてもそれほど画像が見づらくはならない。同じように撮影したオリオン座でも、ここまできれい?に見える。これなら、M42や、果てはM78星雲(おお、マニアックだ)まで撮影できているのではないかと思う。

5角形の形がきれいなぎょしゃ座。一番明るいのはカペラという1等星  更に調子に乗って冬の星座のぎょしゃ座を撮影し、星座の形に星を線で結んでみた。思いのほかきれいに分かる。フィルムでの撮影だとなかなかこうは手軽にはできない。ホームページ用に画像を小さくしてあるのでちょっと見にくいのだが、少し大きな画像で線を引いておけば、子供とかに説明するのにはちょうどいいかもしれない。

 色の方も思ったより出ているようで、上のオリオン座の1等星、左上のベテルギウス(冬の大三角のひとつ)はほんのりオレンジに、右下の1等星、リゲルはほんのり青白く写っている。オリオンのベルトのちょっと下の所にあるM42、オリオン座大星雲それっぽく少しピンクに写っている所がニクイ。ぎょしゃ座の方に目を移すと、写真の右下に見える1等星、カペラ(そういやマツダの車がこの名前だなぁ)もちゃんと青白く(というより、薄く紫に)写っている。なかなかいいぞぉ


 ここまで写るのなら、ちょっとした散開星団、M45こと「昴(すばる)」でも結構写るのかな、と思い、早速カメラを向けてみた。レンズを最大ズームにして、やっぱり16秒で露出。結果が下の3枚の内の、一番左側の写真。そこそこ写っている。んが、よく見てみると(いや、ぱっと見ても)なんとなくネムい画像になってしまっている。日周運動があるので、固定撮影で16秒も露出すると星が少し流れて写るのは仕方ないのだが、それにしてもピンぼけのような画像になった。

ベランダで撮影した昴。振動とピンぼけでボケボケのパー 意地になって庭で撮影したもの。ピントはマニュアル設定で無限大だが…? 気になってピントをオートフォーカスにして撮影したもの。ここまでクリアに写るのがホントの話

 ボケた原因としては、撮影のときに振動のおきやすいアルミベランダ上で撮影しているのと、シャッターを手で押しているので手ぶれも伝わっている事が考えられる。考え出すと夜も気になってネムい画像のせいで眠れないので、よせばいいのに寝る前にもう一度、今度は寒い寒い庭で挑戦。レリーズはリモコンを使用して振動が起きないようにした。これでもピントがボケボケな画像なら、カメラがおかしいことになる。で、出来上がった画像が真中のもの。

 確かに最初の写真よりは少しシャープにはなっているものの、まだまだピンぼけのような感じは隠せない。地面の上で撮影しているので振動の要素になるようなものは殆ど無いから、やはりピンぼけなのだろう…。カメラの設定は確かにピント無限遠にしてあるのに、これを見る限りでは、無限遠になれないのだろうか、でも、レンズがおかしくてこんなにボケていたのなら、普段の撮影でも気がつくはず…このまま引き下がるのもしゃくなので、ダメモトでAFで撮ってみることにした。

 とぉころがぎっちょんちょん。あきらめ半分で試してみたオートフォーカスの画像が思いのほか良好であった。一番右側の写真がそうなのだが、他の二つと比べると、明らかにピントが良好になっているのが判る。それにしても、見る人が見れば判るのだが、結構暗い星まで写っている。F2.8のレンズの威力なんだろうけど、ここまで写るとは思わなかった。ちなみに、画像の大きさが微妙に異なるのは元写真から切り出す時に適当に処理したせい(^^;)。だって大きさを揃えて切り出すのって面倒なんスよ。

 このままで使うのも考え物。C-2000ZのAFやMFのしくみがどうなっているのかは判らないが、星に向けた時に必ず無限遠にフォーカスを合わせてくれるとは限らない。露出時間が短いから再撮影が簡単とはいえ、やっぱり気になる。故障なのか、仕様なのか、バグなのか、とりあえずカメラ屋さんに持っていってみるかなあ。

 2月15日追記:
…後日、カメラと風景のサンプル写真を持ってカメラ屋さんに行って見たのだが、「うーん、この程度だと分からないレベルですねぇ。故障とはいえないでしょう」との話だった。実際、普通の風景写真では殆ど見分けがつかない。点像である星だから目立つのか、特殊な条件なのかは不明。また、「現時点のデジカメではマニュアルフォーカスの無限遠がキッチリ出ているのは少ない」という話も聞いた。こんなもんなのかもしれない。でも、AFでピンが出ているだけに、ちょっと悔しい。



'99年11月19日 デジカメでオリオン座

こちらは7月に撮影した星空。実は白鳥座が写っているのだが、ノイズに埋もれて星の形は全然分からない 暑い暑い夏が終わってずいぶんと寒くなってきた今日この頃、残業の帰り道にふと空を見上げると、そこには既にオリオン座がこうこうと登っていた。そういえば小学校の頃、車の中から空を見上げた時に図鑑とおんなじ形でこのオリオン座が東の空に見えて、子供ながらに感激したのを思い出した。とにかくこのオリオン座は明るい星が多く、覚えやすい形なので印象に残っている。

 で、思い出はどうでもいいのだが、問題なのはデジカメである。このオリンパスのC-2000Z隠しコマンドで最長16秒のロングシャッターが切れるのだが、最高感度(ISO400相当)で撮影するとノイズだらけになってしまう。カメラを購入した頃に、この写真のように、夏の空(実は白鳥座)を撮影してみたことがあるのだが、ものの見事にノイズだらけになってどれが星でどこまでがノイズなのかわからなくなってしまった。

かろうじて写ったオリオン座。ちゃんと星座の形が分かる  だが、一般にノイズは温度が高くなると現れる(サーマルノイズとも言うらしい)。元々天体写真用のCCDなんぞはペルチェ素子でマイナス20℃ぐらいまで冷却して使うぐらいだ。だが、一般のデジカメでそんな冷却ができるはずもない。でも、せめて冬になればもしかしたら減るかもしれない、という甘い期待があった。

 という訳で、さっそくベランダ天文台に(さすがに星野を撮るには窓からでは苦しい)三脚を引っ張り出して、デジカメをよーく冷やして撮影開始。なんとか星座の形が分かる程度に撮影できたのがこの写真である。オリオン座独特の形が分かるだろうか?

 ちなみに、撮影条件は白鳥座の写真と一緒で、感度400相当、シャッタースピード16秒、絞り開放である。気温は夏場(白鳥座)が30℃ぐらいで、今回のオリオン座が10℃ちょいぐらいである。その差20℃もないのだが、ノイズはこれだけ違ってくる。ちなみに、画像はそのままでは星が見にくいので、どちらも明るさ+20%、コントラスト+30%をかけてある。

 これだけ写るのならば、望遠鏡で明るい星団等を拡大して撮影してやってももしかしたら写るかもしれない。いや、ドライアイスでも使って冷却さえうまくやればもっとキレイに写るはずである(結露の問題は残るが)。問題は望遠鏡とカメラの接続方法である。なにか手っ取り早い方法がないものか。


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