inserted by FC2 system

窓際天文台のシステム。室内で15cm反射赤道儀を駆使しているのだが、重たくってしょうがない初めてデジカメでまともに撮れた月面写真。一応形になっているが、まだまだ改良の余地あり
窓際天文台2002

玄の館トップページに戻る 窓際天文台 窓際天文台2000 窓際天文台'99/8

窓際天文台INDEX

 動いているのかどうかさっぱり分からない窓際天文台(^_^;)。忙しい合間をぬって少しだけ見上げてみた夜空なんかを対象に、望遠鏡本体等のシステムを紹介しつつ、デジカメでの天体写真への挑戦を記録してみた。
 

2003年5月13日 惑星撮影にチャレンジ

惑星撮影のためベランダに引っ張り出した15cm反赤。重いし振動で大変  これまでは月や星野を中心に撮影をしてきたのだが、ここにきて木星のシーズンになった。今年は火星が大接近してくるということもあるので、ここいらで惑星撮影にチャレンジしてみたくなった。幸か不幸か暖かくなってきたので夜中に望遠鏡を引っ張り出してもそれほど苦にならない。そこで、ものはためし、ということで隣の部屋に押し込んでいた15cm反射赤道儀を引っ張り出してきた。んが、こいつをベランダに出そうとするとその重量からかなりの労力を要することが判明。久しぶりに扱う重量級望遠鏡はさながら陸に上がったマンボウをセダンに乗せこむようなもんだ(ってどんなんや)。

 とりあえずは、西に傾き始めた木星を肉眼で…あれ?無い?ファインダーには確かに見えているのだが、しばらく使わなかった間に子供がファインダーとかをいじりまくってすっかり光軸が狂ってしまっていたようだ。トホホ。とにかく接眼レンズを低倍率のものに入れ替えて再挑戦。同時にファインダーの光軸も合わせておいた。

 この木星が見えている状態でデジカメを接眼部に当てて撮影してやればそこそこの画像が得られるとは思っていたのだが、それ以前にすごく気になったことがあった。振動である。ベランダはごらんの通りアルミテラスにプラ板を張った簡単なもの。そのため、自分もベランダに上がってしまうと人が存在するだけでかなりの振動が伝わり、木星が常にぶるぶる震えているのである。こんな状態では高倍率の撮影ができるわけがない。

 しょうがないので望遠鏡を少し部屋の側に寄せて、自分は部屋の中に入って操作することにした。こうすると、体の振動は部屋側だけに伝わるような形になるので振動は大幅に緩和される。但し、覗くのは苦痛な格好をしないと無理になる。デジカメをつけてしまえば液晶画面で確認できるので全くダメではないのだが、かなり苦しい

 で、実際の撮影時にはC-2000Zを前回作成した接眼アダプターにセットして撮影することになる。んが、カメラをセットしたあとで気が付いたのだが、一度カメラをセットしてしまうと接眼レンズを交換できないのだ。これは、高倍率の接眼レンズをセットしたままカメラをセットし、その状態で更に視野の狭いデジカメの液晶ファインダー内に惑星を導かなければならないことを示している。一度でもやったことがある人なら苦労はわかってもらえると思うが、相当大変である

  苦労の末撮影した木星。満足行く結果ではないが、とりあえず形にはなっている C-2000Zを設置した後、満足には合わせきれていないファインダーを駆使して木星を視界に導く。ちなみに接眼レンズはOr5mm。倍率は750÷5=150倍になっている。目で見たときはかろうじて視界に捕らえることができたのだが、デジタルカメラの液晶画面だとかなり視界が狭まるので、中央付近に持ってこないとちゃんと写ってくれない。しかもピントがあっているかどうかもまだ不明だ。

 悪戦苦闘しながらようやく液晶画面に登場した木星だが、ピントを合わせようとごそごそしている間にあっという間に視界から消えうせてしまった。固定がいいかげんな接眼アダプターだからその辺がずれてしまったらしい。しかも、赤道儀の極軸もいいかげんなもんだから(ベランダからは北極星も見えないので無理も無い)、少し時間を置くとあっという間に追尾もずれてしまうのだ。とにかく接眼アダプターのネジとかを再び締めなおしてピント合わせを再開。なんとかまともに見られるレベルになった。

 撮影については、ホントは色々設定するべき項目があるのだが、この時は液晶画面に登場させるので精一杯だったため、ホワイトバランスやピントをマニュアルにするのでせいいっぱい。とりあえずモードをシャッタースピード優先に合わせて(暗いので絞りは自動的に開放になる)、リモコンで撮影開始。だいたい1/15〜1/30秒ぐらいの露出で適正になるようだ。

 何枚も撮影したような気がしたのだが、実際は10枚ぐらい。しかも露出が悪かったりブレていたりで、まともなものは意外と少ない。少しオーバー気味かな、というぐらいで露出した方がまだまともに撮影できていたようだ。掲載した写真はかろうじてまともそうな2枚をコンポジットしたもの。カメラの性能もあまり良いものではないので満足の行く結果ではないが、とりあえず2本の縞模様はちゃんと撮影できた。なお、トリミングしてあるので大きく見えるが、実際はもっと小さい感じで写っている。

 まだまだ画質はよくなると思うし、撮影枚数をもう少しかせげれば、もう少し模様が見えてくる写真になると思う。もしかしたらMZ3の方がちゃんと写るかもしれない。ま、これはとりあえず前哨戦。本番は火星にある。8月になれば火星も大きく見えてくるのでそれまでにもう少し練習しておきたいところだ。



2002年12月10日 星野写真撮影結果

3枚のコンポジットによるM42、オリオン座大星雲とオリオンの三ツ星ベルト部分。赤い色がほとんど出ていない  というわけで、11月下旬の寒い中、風邪を引きそうになりながらベランダで撮影した星空がコレである。実際に撮影したのは8秒間の露出で3枚。今考えるともう少し枚数を稼げばよかったのだけど、撮影したときは寒くてそれどころではなかった(^_^;)。

 そのままでは露出が足りないし、当然ISO感度は80→320と増感してあるので、いくら寒いといってもノイズがかなり乗っている。全体的にザラザラした感じだ。そこで、続けて撮影した3枚の写真を画像処理ソフト上で合成。少しざらつきを抑えてやってコントラストを上げて、更にトリミング、縮小したのがこの写真である。要はかなり加工してようやくこのレベル、というわけだ。そのままの画像はとても見せられたものじゃない…。

 上のほうにナナメに3つ並んでいる明るい星がオリオン座の三つ星、ベルトの部分にあたる星だ。左下の方になにやらぼやっと浮かんでいるのがM42、オリオン座大星雲である。もう少し大きく撮影できると迫力が出るのだが、200mm相当だとこの辺が限界。ただ、オリオン座大星雲独特の羽を広げた蝶のような形は分かるのではないかと思う。

 んが、ここで気が付いたのだが、星の色がほとんど付いていない。特にM42なんかはカラーフィルムで撮影すれば赤く写る事が多いのだが、このE-10ではほとんどグレーにしか写らない。赤外や近赤外の色処理がうまくいっていないのか、目で見た感じに近くなっているのかは謎だが、少しは赤く写ってくれることを期待していた私は少なからずショックを受けた。少なくとも天文分野では、やはりE-10では銀塩カメラの代わりにはなり得ない。


こちらは4枚合成のM45ことすばる。ガスが写っている?と思ったら実はレンズのにじみだった(^_^;)  気を取り直してM45、昴(すばる)を見てみよう。時間帯にもよるが、今回撮影したときはほぼ真上に位置していたので撮影に苦労した被写体である。これについては4枚撮影したので、それを合成してコントラストを調整してある。更にリサイズしてあるが、この昴に関しては結構な大きさで写ってくれる。200mm相当レンズ+400万画素の威力だ。

 結構明るくて、青い星が多いので、色収差が出やすい被写体でもある。今回も撮影しにくい位置だったこともあり、画面の中央から外れていたこともあるので、さすがのEDレンズでもかなりの色収差が出ているのが分かる。ただ、見てくれだけを言うと、その色収差が丁度いい具合に光のにじみになって、いい雰囲気になっている。

 結構暗い星まで写っているが、よく見るとノイズも結構残っている。この写真ではコントラストを上げているのでバックグラウンドのノイズはほとんど見えなくなっているのだが、所々に輝点として出ている赤や青の点はそのまま残っている場合がある。これはオリオン座の写真にも同じようなことが言える。

 それでもコントラストをここまで上げても見える星がしっかり残っているというのは、2000年に撮影した星野を考えると、格段の進歩ではある。小さく載せるのであれば年賀状にだって使えなくは無い(少しムリあり…)、というレベルだと思う。もう少し寒くなってきたら撮影枚数を増やして色々やってみたくはなる。問題は寒さに人間のほうが耐えられるかどうかだ。ホームページの更新でさえなかなか出来ない人間に、はたして星空撮影がかのうなのか…。答えは、春まで待ってみればはっきりする(^_^;)。



2002年12月4日 星野写真に再挑戦

久しぶりにベランダで撮影。ビクセンPhotoGuide2にE-10+テレコンバーター。ちょっとバランス悪い(^_^;)  いつのまにか窓際天文台を再開?してから3年も経ってしまった。前回の(直接星にかかわる)更新から既に2年も経ってしまっているので、機材もカビてしまわないか少々心配になってきた(^_^;)。この間、実際にはしし座流星雨とか、その他ちょこちょこ天体観測はしていたのだが、デジカメを使った本格的な?観測はしばらくあまりしていなかった。

 そうこうしているうちに窓際天文台で使っていた南側2階の部屋は子供部屋として使う必要が出てきて、一番使い勝手の良かった南側の窓際には子供の学習机が置かれてしまった。もともとそういうつもりで使う予定だった部屋だからまぁ仕方ない。

 というわけで、観測地はもっぱら2階寝室のベランダになる。ココは、ベランダと言うよりアルミテラスなので作りがヤワで、結構振動があるのだが、とりあえず屋根は付いていないので観測自体はなんとか可能。物干し竿がちょっと邪魔ではある…(^_^;)。ただ、すぐ部屋に出入りできるのでデジカメを使って撮影するには手軽には違いない。

 んで、今回のターゲットは昨年購入したデジカメE-10。購入して1年になるのだが、実はあまり星の撮影はしていない。元々一眼レフのOM-2 S/Pの代替品として購入したものなのだが、もっぱら撮影は子供のためにしていて星の撮影はほとんどしていなかった。レンズが大きいので望遠鏡を介しての撮影には向かないと言うこともある。代わりに、子供の運動会とかでもそれなりに撮影できるようにテレコンバーターを購入してある。これで35mm換算200mm相当になるので、そのままでもそれなりに星野撮影ができるようになっているはずである。

 11月中旬ぐらいからかなり寒い事が時々あるようになったので、自然冷却でのノイズの少ない画像を使って、露出8秒(E-10の露出設定は最長が8秒。バルブもあるが、電子レリーズを持っていないので実質使えない)で、何枚か撮影して画像ソフトでコンポジットしてやってコントラストを上げてそれなりの画像にしてやろうと企んでみた。

 焦点距離200mm相当で露出8秒だと、さすがに星も流れる。そこで、ビクセンのポータブル赤道儀、「PhotoGuide2」を出してきてE-10を載せてみたのが写真の状態。うーん。このポタ赤のバランスウェイトだと少し力不足。雲台を取り付ける位置に一工夫いるな。ちなみに、この写真ではカメラはM45(プレアデス星団:すばる)を狙っているのだが、実は物干し竿が結構邪魔で苦労している。

 ホントは極軸もしっかり合わせたほうがいいのだが、露出8秒なら適当に北に向けただけでも結構な追尾はしてくれるのでかなり適当(^_^;)。そのままリモコンを使ってマニュアル露出。そうそう、ピントもしっかり合わせておく必要がある。E-10は一眼レフなでその辺はやりやすいはずなのだが、やっぱり星が相手だとそれなりに明るいヤツでないとなかなか難しい。この時期はシリウスが見えているので結構楽だ。

実際に撮影をしてみたのが11月下旬。その結果は…つづく…。



玄の館トップページに戻る 窓際天文台 窓際天文台2000 窓際天文台'99/8

窓際天文台INDEX