inserted by FC2 system

西伊豆の暗い空で赤道儀3台体勢
今日も曇天18

<=今日も曇天17 今日も曇天・Index 窓際天文台MENU 今日も曇天 最新版=>

玄の館トップページに戻る


 小学生の頃から慣れ親しんできた天体観測だが、その頃から、「これは一生の趣味になるだろうな」という気はしていた。紆余曲折を経て、未だにあれやこれやと思い悩む天文おっさんとなった。写真撮影にまつわる顛末を記録してみた。「曇天」なのは、晴れればこのページを書いている暇が無い訳で、曇って星が見えない日に書いているから。例によってトラブルも多数…(^^;

2020年9月10日 ギガントの バラバラ事件簿 第6話(光軸解決)


まずは接眼部がセンターに向いているか確認する
まずは接眼部がセンターを向いているか確認する。レーザーを当てる限り、指標(垂らした紐)にドンピシャだった
時は2020年8月初旬。ようやく梅雨が明けて、ネオワイズ彗星の大騒ぎが収まった頃、この夏の撮影に向けて、どうにも安定しないギガントの光軸なんとかしようと、最後の?調整に入ってみた。

状況としては、きちんと合わせた光軸、特に斜鏡のセンターが、筒の向きを変更すると、ずれてしまうということが起きている。色々原因が考えられるが、光軸のどこかで、筒の向きを変えるとたわみが出てずれてしまっているはずだ。

前回、斜鏡回りを強化して変化を見てみたが、正直何も変わっていない。斜鏡に付けたセンターマークは一応中央になっていることは確認したが(少し自信がない)。斜鏡スパイダーや、接眼部のスケアリングが違っている可能性があるので、まずは接眼部が正確に筒の中心に向かっているかを確認した。

活躍したのは切り飛ばした筒の一部と、新聞紙。新聞紙に内径を写し取り、接眼部のセンターに印をつけたら、180度反対側に印をつけてそこに紐を垂らし、そこに光軸調整用のレーザーを当ててみる。結果、しっかり当たっている。これを見る限り、(予想外に)ここは正確に組み上げられているようだ。斜鏡のセンターの問題はまだ残っているが、当面は問題無しとしよう。(面倒なので後回しにする、ともいう)

さて本題。ミラーセルの爪をカットしてから謎の光軸ずれだが、梅雨の間に冷静に分析してみた。

最初は斜鏡周りのズレかと思ったのだが、強化しても変わらないことから、原因はここではなさそうだ。筒の向きを変えた時にセンターマークがずれるような挙動をするとなると…斜鏡ではないとすると…主鏡のシフトかと思い当たった。

30cmの主鏡はアセテートテープで張りまくっているのだが、それなりの重量物なので、傾けたときにシフトする可能性は残る。この水平方向をサポートするため、元々爪の横から鏡を押さえる樹脂ネジがある。鏡側にはゴム板があって、ゴム板を通じて鏡を押し付ける役目を持っている。この爪を付け外しした際に、鏡の圧迫を恐れて、特段の増し締めはしていなかった。しかし、残る原因はここぐらいしかない。

この鏡の横押しネジが怖くて占められていない
鏡を側面から固定する樹脂ネジ。一度外した後、怖くて締めていなかった。これが原因で鏡がシフトしていたっぽい
ええい、ままよ!と、各爪のネジ3点をそれぞれ1/3回転ずつぐらい、重くなるまで締め込んでみた。

結果は…ビンゴ!

まだ限界までは追い込めてはいないが、取り敢えず向きを変えても妙にずれることはなさそうだ。ふううぅぅぅ(^^;

後は圧迫が影響してるかどうかだが、これほど分厚い鏡なんで、影響は無いと期待して遠征にもっていってみた。今のところAPS-Cで撮影する限り星像は安定していて、問題はなさそうだ。まずは、これにてギガント大改造計画は第一弾の終了としたい。


2020年10月9日 ドナルド復活!光害住宅地でデュアルナローを使う


SE120にフィルターをセットするための一通り
アクロマート屈折、SE120を使って赤い星雲を撮るためのあれこれ。上がフィルター2種、真ん中右がx0.8レデューサー。下のフラットナーはまだ試せてない。
ギガントの話題で少し盛り上がってしまったが、時計の針を少し戻そうまた半年前の話で恐縮だが、2020年の2月、自宅から近くの公園で、光害がかなりある場所で、冬の赤い星雲が撮れないかという計画を立てた。しかも、筒は安価なアクロマート、ドナルド君(KENKO SE120)だ。

これに光害カットフィルターを入れることで、12cmF5という強力な武器を有効に使おうというものだ。これを思いついたのは、そもそもあぷらなーとさんが、クワッドバンドフィルター、IDASのネビュラブースターNB-1を使うことで、青ハロをカットし、安価なアクロマートでも驚くべき成果を上げることができる、というのを証明していたからだ。これは非常に興味深い

この記事を見る限り、光学系はSE120カサイのx0.8レデューサー。この二つなら既に持っているものだったりする。後はクワッドバンドフィルターを用意すればよい。

フィルターで言えば、光害対策として、2018年にLPS-D2を導入していた。しかし、まだ水銀灯や蛍光灯が多いのか、思ったような効果が得られていない。今回も比較で撮影してみたが、光害対策としてはどーなのよ?という結果になっている。

写真の左半分が言わずと知れたドナルド君。SE120。導入以降、時々観望会で使うこと以外ではあまり活躍せず、ここ最近は眠っていることが多かった筒である。これが、あぷらなーとさんの大技で復活するかもしれない。

上にあるのがφ48mmのフィルター2種類。左側がこれまで使っていたLPS-D2、右側が今回導入したNB-1だ。ただ、干渉膜が反射しているので違いはあんましわからない。透かして見てみると、LPS-D1は緑色、NB-1はほんのり紫色、という感じに見える。撮影しても同じような結果になるようだ。

右側真ん中のが、そもそもリチャード君(GS200RC)用に購入してみたカサイの0.8屈折用レデューサーだ。リチャード用であれば、専用のx0.75のレデューサーフラットナーがいいとは思うのだが、焦点距離の関係もあって、試しにこれでやっている(…試しといいつつそのまんまだが…)。これだと延長筒を25mm1本だけで済むのこともあり、天頂プリズムで眼視するときと変更なしで使えるので結構重宝している。これ、筒側に48mmのフィルターねじが切ってあるので、そのままフィルターを入れて使えるのだ。あぷらなーとさんが最初にこれを使ったのも、フィルターを使えるから、だと勝手に思っている(^^;。更に、x0.8倍なので、12cmF4、480mmF4の巨砲、いわゆる「ゴーヨン」レベルになるのだ。ある意味すごいぞ。

さて、ここでLPS-D2だのNB-1だのと繰り返しても面白くないので、D2の方は「バンクーバー」と呼んでしまおう。NB-1は型式的に2代目ロードスターなので、「ロードスター」と呼ぶことにする。するんだってばさ。

続いて行こう。右側一番下は、光圀(BORG107FL)用に導入したマルチフラットナーだ。そもそもはBORG専用で、φ57mmのネジが無ければ使えないのだが、せっかくマルチな?フラットナーなのに107FLでしか使えないのはなんだかつまんないし、そもそも単体ではフィルターも入るところが無い。ということで、他にも使えるように2インチ仕様にしてしまえ、というわけだ。これが正解になるかどうかはわからないが、2インチ-57mmの[7425]を導入した。これを先端につけて、ドナルド君とかリチャード君に差し込んでフラットナー性能を確認してやろうというわけだ。

他にも、この[4725]には先端にφ48mmのフィルターねじが切ってあるので、ここにフィルターを入れることができる。BORGでも2インチで接続することができる(強度やスケアリングは少し落ちるかな?)ので、フィルターを活用する意味ではこいつを使ってやろうかと企んでいる(…と考えつつ半年が経っている…こんなんばっかだな…)。

公園に一通り持ち出してセットアップしたの図。多少重いが、これなら歩いて持ち出せる。
公園に一通り持ち出してセットアップしたの図。多少重いが、これなら歩いて持ち出せる。
で、問題はやはり接眼部だ。あぷらなーとさんもこのSE系の接眼部を真っ先に変更しているのだが、さすがに現段階ではそこまで投資できていない。ただ、この2インチの接続はかなーり「ゆるゆる」で、差し込みした2インチは90度の角度に配置されたネジ2本で締め込むだけで、レデューサーのナナメになった部分を締め込むと、スケアリングが心配になる気配だ。ドロチューブは個人的にまだ許容範囲なので、この部分だけでも交換できればいいのだが…φ55mmピッチ1mmぐらいのネジみたいだと思ってたのだが、どうやらφ56mmなようで、実はBORGの[7911]でφ57mmに変換できるらしい。手に入れねば。

…ということで、とにかく撮影してみることにした。撮影スタイルは写真のような感じだ。12cmの屈折でもF5なので、筒が短く取り回しは比較的楽だ。赤道儀はまる子ことCEM25ECのエンコーダー付きなので、ノータッチガイドで1〜2分で狙いをつける。空が暗ければもっと露出をかけてもいいのでだろうが、それはまた今後の宿題としておこう。筒をバッグに入れれば、赤道儀+ウェイトを一式、ギリギリ片手で持てる形になるため、公園まで一気に持って行ける。持ち運び時の運搬方法はもう少し確実なものにしたいところだが、とりあえずはこのスタイルで行こう。そして、結果は… つづく…(^^;;


2020年10月10日 ドナルド復活!光害住宅地で赤い星雲撮影!


左がLPS-D2、右がNB-1を付けての撮影。色収差がまるで違う
アクロマート屈折、SE120を使ってM42を撮った比較。左がLPS-D2。星の周りに青ハロがひどく出ている。右がNB-1。青と黄色がカットされているため、相当シャープな画像になっている。
はい、もったいぶってすみません。あぷらなーとさんオススメロードスターに乗ったドナルド君、というかSE120にNB1フィルターを入れたシステムで、冬のアレを狙ってみた。全体的になんだかモヤっている感じで、一応オリオンは見えているので狙うが、ロードスターは少し露出倍数をかけてやらなければ…と思い、ISOを3200まで上げてる。まぁ、後から見てみると、これはISO1600でも良かったかも…という感じだ。

リゲルでアライメントを取ってピントを合わせるが、やはり眼視では波長が制限されるため、暗い星が見えにくくなっている。この辺、導入には少し気を使うかもしない。自動導入が正確なら関係ないんだが…。

そして撮影、んで、出てきた写真を現場で拡大表示してみると…
はうあ!なんぢゃこりゃ!星のまわりの青ハロが全然見えんぞおおおお!?

いや別に疑っていたわけでは無いのだが、比較的安価なドナルド君。光学性能がそれほど完全に同じ品質かどうかは保証の限りでは無いし、こうした特定の波長のみを拾うというのは想定外の使い方だと思われるので、同じ結果が出るとは限らないと、期待しすぎないように注意していたのだ。

いやしかし、これは想定以上だ。思ってたよりもずっと使えそうな気がする。オリオン星雲がちょっと赤すぎるような気もするが、バンクーバーの緑の濃い画像よりは扱いやすそうだ。実際、現像時に緑色をムリヤリ補正しなくても、通常のホワイトバランスの調整の範囲でバランスした。

そのまま露出1分を12枚スタック&強調処理をしてみて、バンクーバーとの比較をしてみたのが最初の写真だ。やはり光害地でもあるので、処理はかなりピーキーで、周辺減光も相当あるのでフラットを撮らない処理方法では限界があるのだが、とにかく進める。相当にいい絵が出てきた。

撮影データ:ドナルド&ロードスターによるM42 Nikon D600改 Kenko SE120+カサイx0.8レデューサー NB1(480mm F4.0 60secx11 ISO3200)、iOptron CEM25EC赤道儀ノータッチガイド YIMGでstack+PaintShopProとIrfanViewで調整

いやもう、ここまで出れば御の字だろう。良く見ると中心分が結構飛んでいるので、もっと露出を抑えた方がよかったような気がする。ピーキーな画像処理で荒れてしまっているので、ISOを1600にしとけばよかったな、というのはそうした理由からだ。

周辺減光がひどいので限界はあるが、バンクーバーで撮影したものよりも、かなり普通に見られる感じになっている。これが3等星ぐらいまでしか見えない都市部の公園で撮影できた、しかも総露出時間は12分で、となると、やはり楽しくなってくる。ノイズを考えると、露出時間はせめてこの倍ぐらいは欲しいが、まぁ30分ぐらいかければそれなりに見える画像になりそうだ。

良く見ると、星雲の描写も結構違うが、やはり違いは星の描写だろう。青いハロの部分をフィルターでバッサリカットできているので、まるでアポクロマートの望遠鏡で撮影したようなシャープさを見せている。あぷらなーとさんも同様のお話をされてるが、大事なことなのでもう一度書いておこう。
この2枚、同じ筒、同じカメラで撮影したものだ。違いはフィルターのみ。
アクロマートの逆襲、これは本当にできそうな予感がしている。あぷらなーとさんも宣言している

ふはははは。
全国の誇り高きアクロマート戦士達よ、今こそNebulaBoosterを手にアポクロマート軍を痛撃するがよいッ!!


…はい、がんばります!。アポクロマートも持ってるんだけどね…(^^;

同様の条件で撮影したバラ星雲。相当にしっかり撮影できた
同様の条件で撮影したバラ星雲。都会の真ん中で撮影したとは思えない出来栄えにびっくりしてしまった。しかも短焦点アクロマートでの撮影だ。NB-1すげえ。
こんな明るい公園で撮影している。光害の中でもNB-1の効果が良く効いている
こんな明るい公園で撮影している。周辺は市街地で、住宅が広がっている。かなり空が明るくても、NB-1の光害カット効果でかなり良好な写真が撮れる。本当に革命的だ。

この日、撮影したのは2対象。撮影から撤収までざっくり2時間ぐらいだろうか。これなら、普段、平日でも撮影できなくもない。可能なら自宅で行いたいところだが、北極星が見えないのでその辺はこれまた今後の課題だ。最後にもうひとつ撮影したバラ星雲も見てみよう。関東の市街地、自宅から歩いて行ける場所でバラ星雲が撮れるとは思ってなかった。ロードスター、すげえ。
上記、SE120とNB-1による撮影は、ブログ「玄の館ブログの部屋」でも紹介している。この辺だ。撮影時のあれやこれやも紹介しているので、よかったら見てやってほしい。。 ばら星雲の撮影はこちら、 M8とM20の撮影はこちら、 M16やフラット撮影はこちら 

2021年6月18日 よりシンプルに!新しいポタ赤を考える


今のポタ赤(右のフォトガイド2)も精度等は問題ないのだが、より軽くシンプルにしたい
最終的にはこうなった。右の今までのポタ赤、フォトガイド2(右)に比べると、電源やコントローラーが内蔵されているので、相当シンプルになっているのがわかるかと思う。
2017年に関東に出て来てから、撮影地の開拓、機材の変更や追加を含めて、撮影の運用形態を色々やってきたが、ここにきて少しずつ落ち着いてきて、遠征時に複数の撮影機材を展開できる余裕が出てきた。主砲ギガントに、サブとしてまる子。そして余裕があればポタ赤の展開だ。もっとも、まる子は出さずに星野用としてポタ赤だけを展開することも多い。

ポタ赤はフォトガイド2(1990年頃購入)なのだが、さすがに30年を経過するとあちこちガタが…意外と無いな(^^;。ただ、当時は最新鋭の小型軽量機だったフォトガイド2も、今となっては「ポタ赤」というには少しだけ重くてかさばる。本体は小さくて比較的軽いのだが、極望やハンドル、コネクタ類を含めて意外とでっぱりが多くて収納等にも気を遣うのだ。色々不具合もあって、モータードライブの線が断線しててLANコネクタに改造したり、USB電源で使えるようにしたり(USB-12VDCアダプタ)、三脚接合部着脱を簡単にしたりと、色々工夫はしてたのだが、三脚は開閉のたびにネジが緩むし、だんだん億劫になってきた。そもそも、極軸望遠鏡のパターンももはや意味なしに近くなっている。

そろそろ新しいポタ赤が欲しくなってきていた。今ならコンパクトでスッキリしたもの含めて、色んな機種がある。精度の良いものならSWAT-300シリーズとかが良いのかもしれないが、本体に加えて色々装備していくと結構な金額になる。まぁ、これ一つ、ならいいのかもしれないが、これなら普通の赤道儀を買った方が早いのでは…と思ってしまう。

Vixenのポラリエも気にはなっていた。ただ、初代ポラリエは形がやはりいまひとつで使いづらそうだ。ポラリエUは性能面含めてよさそうだけど、これまた価格が跳ね上がってしまっている(本体だけで7万円前後)ので色々大変そうだし、極軸望遠鏡含めてそろえ始めると、これまた結構…。ということでパス。

残ったのはケンコーのスカイメモSで、これが本命だ。本体税込みで4万円弱。極軸望遠鏡を内蔵していることを考えれば、そこそこリーズナブルだ。ただ、本体だけだとちょっと使いにくいだろうから、赤緯体(11,561円)とバランスウェイト(8,173円)、そして高度方位調整微動雲台(11,561円など、色んなものが欲しくなる。この辺を合計すると、68,195円(税込み)となって、そこそこの値段になる。

このレベルになると、実はiOptronのスカイガイダーPro(税込み74,800円)のキットとあまり変わらなかったりする。こちらの精度は不明だが、原則キットとして販売されているのでシステムとしてはスマートな感じがしている。スカイメモSとの違いは電池がリチウムポリマーで、赤緯微動が無い、そしてケース付属、というところだろうか。結構気になる存在ではあった。

ただ、iOptronの場合、この機種に限った話ではないのだが、使用事例がとにかく少ないのが気になる。まぁ販売系列が少ないのでしょうがないのだが、情報が少ないと手を出しにくい。スカイメモSのセットを揃えるなら、それと同等価格になり、それなら魅力的な機種ではないか、と思っていたのだが…。
色々探していると、こんなものを見つけてしまった(リンク先はYahoo!Shopping)。スカイメモSスターターセットII、というものだ。
上述のキット一式と、更にケースも付けて、税込み55,426円(+クーポンで△2,750円)だ。普通に揃えるよりも15,000円以上安くてケースまで付いている(評判を見るとケースは重くてデカイので必ずしも…というところだけど)。ただ、普段は売り切れ状態であることが多くて、たまーに入荷するようだ。どのみち一式が必要、という場合は入荷のタイミングで買っておかないと後悔しそうだ。

…ということで、今のフォトガイド2もまだしっかり動いているし、どうしようかなー、と悩んでいたのだが、ある日、星仲間の某氏を訪ねて色々相談していたところ、「スカイメモSなら、しばらく使っていない本体があるんだけど、使ってみる?」という提案があり、最終的に譲ってもらえることになった。おおお!持つべきものは星仲間である。

…つづく。

なお、実際にポタ赤をゆずっていただいたのは2020年の10月頃、そしてオプションを揃えて運用を始めたのが2021年の3月頃である。ブログは撮影結果なんかも紹介している。


2021年6月20日 これで完成?スカイメモSのポタ赤システム


色違いになってしまったが、まぁ実用上は問題ないのでいいだろう
本体だけを譲ってもらったスカイメモSだが、やっぱり赤緯体、極軸高度微動等は必要だと感じた。少しケチって揃えたので色違いだが、夜に使う分には実用上支障は無い(^^;
さて、星仲間に相談したところ、狙っていたスカイメモSをもらい受けることができた。当然中古だが、使用感はあまり無いし、使ってみても動作には全く問題なく、精度よく使えそうだった。これはうまく使えばかなりシンプルに、軽く、コンパクトになるのでは?と期待して実働させながら使い方を検討してみた。

まずはそのまま本体だけをカメラ三脚の雲台に固定して、赤経軸上に自由雲台を乗せて使う方法。一番コンパクトに使えるが、実はこれは恐ろしく使いにくいことが判明した。小型のカーボン三脚&雲台に固定して、極望でざっくり極軸を設定した上で、カメラを固定した雲台&アリガタを極軸のアリミゾ部分にセットする。ここまではいいのだが、そこでカメラアングルを変更しようと力を入れると、それだけで三脚が浮いてしまったり、動いてしまうのだ。本体が軽いことの裏返しなのだが、これだとたびたび極軸を確認しなければならず、何をしてるんだか分からなくなってしまった。これはちょっとやり方を考えなければならい。

三脚を重くて頑丈なものにすればいいかもしれないが、あまり重いものにしたら本末転倒になってしまう。やはり、赤緯体ウェイト、そしてできれば方位高度の微動雲台は必要だな、と思った次第だ。ただ、この3点を普通に揃えると合計31,295円となる。ついでに三脚も純正にすると+13,000円、合計4万円超えとなってしまう。

ネットで価格を調べていると、三脚と微動雲台以外の二つについては、スカイメモ純正品の他に、SkyWatcherのEQ35ポータブルシステムとして安価に販売している互換品があったりする。シュミットさんだと、赤緯体で7,480円、カウンターシャフトで4,950円。これを利用することで3,500円ほど安価に済ませた。微動雲台は、もう微動しなくてよくて、角度が決まれば良い、というのであればモノタロウでターンブラケットを買うとか、手段は無くは無いのだが、加工は必須そうだし、うまく行かないリスクもある。あれこれ変なことをするよりも、結局純正のものを購入するのがいいみたいという結論になった。今回は、ケンコー・トキナーYahoo店にて購入(送料込みで価格が同じなら、Yahoo!で買った方がポイントが多い)。後は丈夫で大きめの三脚をどうするか、だが、今回はちょっと奮発して、やや大きめのカーボン三脚を導入してみた。

カーボン三脚と言ってもamazonでの安価品で約2万円。重さ1.8kgほどなので純正品とほぼ同じような感じなのだが、こちらの方がかなりしっかりしている(…と思う。純正品を確認していないので何とも言えない)。センターポール部分がボウルアダプターになっているので、地面に置いた後に極軸をざっくり合わせるのを素早くできるのがポイントだ。

三脚先端はゴムなのだが、金属製の専用の石突きが付属している。ただ、これがよくあるすごーく「とんがった」先端なので、そのまま装着しておくには怖いレベルのものだ。何かないかな、…と思ったら、同じようなことを考えているメーカーはあるわけで、Velbonの三脚アクセサリー 可変石突きセットというのがあった。取り付け部の三脚先端のネジは3/8で共通なので、これを取り付けることでゴム足と両用できる。気が付くと、先の赤緯体などのパーツと三脚合わせて5万円ほどの投資をしていることになる…とりあえず忘れておこう(^^;

こうやって組み上げてみると、それなりにゴテゴテしているので、これまでのポタ赤、フォトガイド2と全体としてはあんまし変わらないような気もするが、コントローラーや電源の接続&ケーブルが必要ないなど、実際に運用してみると意外とシンプルな点も多く、セッティングや片付けがかなり楽になる。しかも、ざくっと極軸を合わせただけのつもりでも、それなりの精度で追尾してくれているみたいで、赤道儀としての性能も十分満足できるものになっているようだ。

実はフォトガイド2も同じ運用だが、バッグに入れて片手で運搬していた
三脚に取り付けた状態で、赤緯体だけを外してごらんの少し大きめのバッグに放り込んで運搬している。実はフォトガイド2もほぼ同じ運用をしていたので、運搬の手間はそれほど変わっていなかったりする。
前のエントリーの写真を見てもらえればいいのだが、フォトガイド2と二つを並べてみた。フォトガイド2側は足をめいっぱい伸ばした状態、スカイメモ側のカーボン三脚は1段伸ばしただけだけど、既に高くなって扱いやすくなっている。さすがのカメラ用三脚で、目いっぱい伸ばせば自分の頭ぐらいの位置に赤道儀がくるまで高くできる。いやしないけど(^^;。重量を比較してみると、ウェイトや電池、雲台を含めるとフォトガイド2で7.5kg、スカイメモは5.7kgと、2kgほど軽量化できている。

本体部分がかなり軽いイメージで、三脚も多少軽くなっているのが効いているようだ。いずれの場合もNeewerの三脚用の少し大きめのバッグに入れて持ち運ぶので、かさばり方はあまり変わらないが、重量が軽いのとセッティングが楽になるとかで、だいぶ気楽に使えるようになった。更に、実は赤緯側に微動ハンドルがあったりする(まぁ、その分フォトガイド2には赤経側に微動ハンドルがあったりするのだが)ので、いざとなれば小型の望遠鏡を乗せて色々できるんじゃないかと企んでいる。それこそ、マクシーなんかを乗せて観望する分にはぴったりかもしれない、いや、頑張れば光圀も乗るか…な?…


<=今日も曇天17 今日も曇天・Index 窓際天文台MENU 今日も曇天 最新版=>

玄の館トップページに戻る