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冬の天の川とカノープス
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 着々と機材が整備されていく我が窓際天文台。今回は、その昔から使っていたんだけど今は無き暗視野照明の復活と、極軸望遠鏡用明視野照明の光物、そしてついに新しい望遠鏡、ドナルド君の導入だ。更に光学系は導入ブツとして双眼鏡を新しくした。考えて見たら光学系はみーんな20年以上の選手なんだけど、それなりに使えてしまっているのがすごいよな…

ファインダーにムリヤリ付けた赤色LED

2012年4月13日 必須!ファインダーの暗視野照明


 2011年現在、天体写真を撮影する場所は、結構空の条件が良くて真っ暗に近い。本当に理想に近い場所なのだが、これだけ暗いと、実は困ることもある。ファインダーでの導入時に、十字線が見えなくなるのだ。

 同じ十字線でも、極軸望遠鏡のものであれば明視野照明か、懐中電灯を使えば似たようなことができるのであまり気にならないのだが、暗い空でファインダーで、これまた暗い星や天体を導入するときには明視野照明を使ったのでは効果半減というかできれば使いたくないのが本音だ。なら、どうするか。外がダメなら内側から十字線を照らすしかない。暗視野照明を使う、というか作るしかないわけ、だ。(暗視野照明が付いているファインダーを買えばいいじゃん、というのは聞かないでおこう…)

 実は、このビクセンの6x30のファインダーで暗視野照明というのは、その昔作ったことがある。高校の頃だったと思うが、単三乾電池2本で小型のLEDを光らせて、その光で十字線を浮かび上がらせるということをやっていた。

 問題はその照明の当て方で、他に光を漏らせないようにして十字線だけにしっかり当てるためには、ファインダーの接眼部に穴をあけてLEDを入れ込まなければならない。当時作ったファインダーは確か当時の鏡筒と一緒にオークションで手放してしまったため、ここに来て再び作り直すことになった。

 全く同じものを作っても面白くないので、今回は着脱式のファインダーにあわせて電池を単四2本とし、更にボリューム式の光量調節を間に入れてみた。ファインダー足への電池の設置はマジックテープだ。

 いずれにしても、問題になるのは接眼部への穴あけだ。今回のファインダーも、その昔加工したファインダーと全く同じ構造で、外側の筒はプラスチック。これはかなりやわらかいので、キリで少し斜めに穴をあけてやれば問題ない。が、やはり気になるのは内筒。接眼部のレンズが2群になっているため、その2群を切り離すためと、間に十字線を入れるため、スペーサーとしてアルミ製の内筒が入っている。こいつにも外側のプラスチックから通じるところにきちんと穴をあけてやる必要がある。しかも、内筒はフリーで回転してしまうため、セットするときに穴がずれないようにうまく固定しておかなければならない。

 もう一つ、結構高いハードルがある。十字線の保護だ。再セットしてしまえば別に十字線を保護する必要は無いが、この十字線はすごく細い針金でできていて、金属のリングに固定されている。このリングを出し入れするときに注意深くやらないと、この十字線が断線してしまうのだ。十字線が無くなったファインダーは、もはや暗視野照明の必要が無くなる…というか役に立たないぞ(^^;。
今回も外れかけて大変だった十字線
 実は今回の作業時にも、この十字線リングを慎重に扱ったつもりだったのだが、片方の接着が外れてしまった。幸い、少しだけ糊付けすることで元に戻ったのだが、完全に断線した場合は少し面倒な加工をしなければならない。

 その昔も不器用だった私はしっかり断線させてしまい、小型モーターのコイル線で代用したりもしたのだが、いかんせん太すぎた(^^;;。何か代用できる極細のものは無いか、と考えて最終的にたどり着いたのは、プラモデルの枠、いわゆる「ランナー」だ。ほら、プラモデルを作るときに部品が固定されている周囲の細い枠、アレですよ。

 もちろんそのままでは太すぎて十字線リングの中にさえ入らないが、これをろうそくの炎などで少しあぶってやり、ふよふよになるまで加熱する。ふよふよになったら、「えいやっ!」と、(いや別に声を出す必要は無いのだが…)勢い良く両手で引っ張ると、極細のランナー線ができるわけだ。この線は本当に極細で取り扱いはちょっと面倒だが、結構量産が効くので、失敗しても何度でもチャレンジできて重宝したものだ。

 閑話休題。なんとか穴あけも完了して、レンズを含めて再セッティング。その後LEDを突っ込んで、バッテリーとスイッチ、ボリュームを半分ムリヤリその電池ボックスに両面テープで固定し、ファインダーの足にマジックテープで固定して完成。実はLEDの角度調整がいまいちで、十字線のセンター部分にうまく光が届いていないのだが、まぁ当面の目的は達成できているのでよしとした。もう一度ばらばらにして組みなおしたときに、十字線が無事でいる保障は何処にもないからだ(^^;。プラモデルも持ってないし。



極軸望遠鏡の明視野照明として使ったペットボトルのネック

2012年12月23日 極望専用。明視野照明ペットボトル


 これまで赤道儀はVixenの製品しか使ったことが無いのだが、赤道儀の局軸あわせは、いずれの赤道儀でも基本同じ形を取っている。最近のSX赤道儀以上は変わっているのかもしれないが、日時を合わせて、極軸望遠鏡の中のパターンの中に北極星を入れるだけだ。非常に簡単なので重宝しているが、問題なのは、真っ暗な中ではこの極軸望遠鏡のパターンが見えないということだろうか。

 一番理想的なのは暗視野照明装置を組み込むことなのだが、極軸望遠鏡はその名の通り極軸の中にしっかり組み込まれているため、LEDを組み込むにしても簡単ではなさそうだ。それに、明るい北極星を1回導入するためだけに、暗視野照明装置を組み込むのもあまりメリットは無い。一般的には極軸望遠鏡の前を少し明るく照らしてやる明視野照明装置を付ける事になる。

 一応赤道儀の付属品として豆電球式の明視野照明装置が付属してくるのだが、今まで使ってきたモノではこの照明スイッチ等がいいかげんで、電池がすぐに無くなるし、明るさもいまひとつ、おまけにスイッチを入り/切りするのが結構不安定ときた。そのまま外せばペンライトとしても使えるはずなのだが、あまりに使い勝手が良くないので結局使わなくなってしまっていた。

 代わりにその昔使っていたのが洗濯ばさみにつけたフレキシブルLEDライトだった。フレキシブルといっても針金をつかったもので、電池Boxを三脚座にセロハンテープで固定し、フレキシブルの先端に付けたLEDランプで、水準器や極軸望遠鏡の先端を照らして使い、明視野照明の代わりに使っていたというわけだ。

 が、今はその洗濯ばさみも紛失してしまっているので、何か変わりのものを作る必要がある。なるべくシンプルなものが良いということで、今回は極軸望遠鏡の先端にキャップ的にかぶせられるものを検討した。それに小型の赤色LEDを組み込んで、明視野装置としてやろうというわけだ。

 電池は汎用性があって持ちの良い単三×2本とし、スイッチはDIYの店に売っていた小型のものを電池ボックスに直接ネジ止めした。そこからコードを伸ばして、小型のLEDに抵抗とともに付ける。ここまではOK。後は、極軸望遠鏡との接続だ。口径で25mm弱ぐらいだろうか。丁度良い筒があればいいのだが、そんなにぴったり来る代物がそうそう転がっているわけではない。どうしようかと思案しているところで、ふと思いついた。

 100円均一のLEDライトでも使ったが、ペットボトルだ。ペットボトルは基本使うのは中身なので、外側のボトルそのものは普通捨ててしまう。その割りに、素材のPETそのものは丈夫で薄いので加工もしやすく、こうした自作系のものにはもってこいだったりする。ペットボトルさま様である。個人的に愛用しているのは、ペプシのNEX。まだそんなには使っていないが、一般に炭酸系のものは表面がなだらかに作られている。その中でもこのNEXは真っ直ぐなただの筒の部分が比較的多いので使いやすいのだ。ただ、今回使用するのはその口の部分。

 キャップの部分は口径が確か18mmほどだったかと思う。そのまま極軸望遠鏡に付けると小さすぎるが、そこからボトル本体にかかるなだらかな肩の部分を切り取り、丁度合う所まで切ってやると、ぴったり収めることができる。確か極軸望遠鏡の口径が20mmだったと思うので、実際にはその分口径食を起こして光がさえぎられてしまうのだが、どうせそんなギリギリの条件では使わないし、北極星さえ見えればよいのであまり問題ではない。

 こうして極軸望遠鏡の先に付けられるようになった口の部分の喉元に穴を開け、そこにLEDを入れ込む。足をビニールテープで止めればできあがり、である。単三電池はマジックテープで赤道儀に付けられるようにして完成だ。そのまま点灯させて極軸望遠鏡の前にかぶせれば明視野照明装置になる。

 外すのを忘れてしまうと、電源ケーブルが延びているので赤道儀をあっちやこっちにしたときに干渉してキャップ部分が外れてしまうのだが、実は面倒なのでそのままにしてある。外れた照明部分は赤道儀の下にぶらーんと垂れ下がる形になるが、これが丁度いい感じに赤道儀の位置を示してくれるランプになってくれるのだ。

 単三電池を使っているので電池もそう簡単には無くならないし、無くなっても経済的に困るほどのものにはならない。望遠鏡を含むブログ用の写真を撮影した時に、望遠鏡が少し真っ赤に写ることがあって困る(このページのタイトル写真もそうだ)こともあるが、まぁ、値段というか超手抜きで作成した割には便利に使えているのでは、と勝手に気に入っている。


眼視観測会には結構活躍のハッピーセット

2012年12月30日 ドナルド参上。12cm屈折ハッピーセット


 2012年年初、望遠鏡が欲しくなった。いやまぁ、望遠鏡そのものは新しいものがしょっちゅう欲しくなるので、欲しいだけだとキリが無いのだが(^^;、このときは、割と現実的な話だった。ひとつは、屈折望遠鏡の口径の大きいものを使ってみたい、というのがある。屈折望遠鏡だけなら、実は筒が3本もあったりすのだが、口径を見ると5cm,6cm,7cmと、かなり小さいほうに偏っている。これは大きいのは反射でカバーしているのもある(15cm/20cm)。だが、屈折望遠鏡の大口径のものは一般に高価なので、そう簡単には買えない…。

 もうひとつは、色々あって星を他の人に見てもらう機会が結構増えてきたこともある。そんな時、赤道儀と反射望遠鏡を持ち出すのは結構負担だし、運ぶのも大変。かといって前述の屈折望遠鏡、普通使えるのは7cmの晴れ丸なんだが、これだとどうしてもいまひとつ見え味というか、口径が不足する。

 そして、一番の理由というか、これが本来の目的のはずなんだが、天体写真を撮影している間、観望もしたい、というものだ。通常直焦点撮影をしている間は、当然だがその望遠鏡や架台は使えなくなってしまう。観望のためのズームアイピースも買ったのだが、結局あまり使えていないというのが現状だ。これにもう一台、大口径の望遠鏡があって、手軽に出し入れできれば撮影中も楽しく見て過ごせるというわけだ。

 で、安くて実用的な大口径屈折といえば、ということで白羽の矢を立てたのが、ケンコーのSE120とビクセンのポルタ経緯台の組み合わせ。この組み合わせでの販売をしているところはいくつかあるのだが、ケースや価格から、今回は国際光器「ハッピーセット」に絞り込んだ。ケース込みで、価格は7万円ちょい。決して安くは無いが、これぐらいの屈折を買うことを考えれば、悪くは無いだろう。

 ショップによって本体だけの価格ならあまり差は無いのだが、ポルタ用のケースや、ニューガイディングハンドルが付属していることなどからこれを選んだ。ちなみに国際光器の場合、このセットを「ハッピーセット」と呼んでいる。なんでハッピーセットなのかはよく分からないのだが、普通の人は「ハッピーセット」と言えば、某有名ハンバーガーショップのセットメニューを思い出すだろう。ということで、その辺をもじってこのセットを自分はドナルド君」と勝手に命名。ブログなんかではこの名前で呼んでいる。まぁ、「晴れ丸」みたいなもんだ。

カードでの支払いができないので代引きでの注文になったのがちょっとネックではあったが、なんとか発注&到着。実際に到着してみると、色々付属品が付いている。考えてみればポルタ経緯台ビクセンの製品なので、星座早見盤などが付属しているのだ。最近は星座早見盤を使うことも少なくなったのだが、いざ時刻とおおまかな位置(南中に適した時間帯とか)を知ろうとすると、この早見盤が結構便利だったりするので、改めて見直してしまったりした(^^;

間違えられたハンドル。形は同じなのだが…
 が、一つだけトラブルがあった。到着したキットの中の「ニューガイディングハンドル」だ。取り出したときに、なにやら少し色が違うなー(グレー)、と思ったのだが、どうやら送られてきたのは全然違う経緯台用のハンドルだったらしい。見る限り、形は全く同じなので、まぁ、多少色が違ったっていいや、と思ったのだが、実際に使おうとすると、付属のネジが全く違うことに気が付いた。

 げ。ネジが違うだけで、本来のネジがあれば使用上は問題ないのだが、とにかくこのままでは困ってしまうので国際光器にメールで連絡。やはり違っていたようで、すぐに本来のポルタと同じ真っ白なガイディングハンドルと、そのネジが送られてきた。最初に送られてきたハンドルは着払いで返送。やれやれである。まぁ、対応は親切で思ったより早かったのでよしとしよう。写真のグレーのが間違えて送られたハンドル。白いのが本来のハンドルだが、色と付属のネジ以外は全く同じだ(と思う)。

 肝心のドナルド君の使い心地だが、さすがに12cmの屈折望遠鏡。F5.0と短いとは言え、それなりの大きさ&重さがある。でもまぁ、この大きさはまだ想定内だ。逆に意外と大きかったのがポルタ経緯台だった。今まではビクセンのアルミ三脚(短)しか使ったことが無かったので、この長いアルミ三脚は想像以上に大きく感じる。その上にポルタ経緯台そのものが載っているのだが、これがまたアームがせり出しているので、収納時に意外とかさばるのだ。 いやほんと、これは専用バッグを買っておいて正解だった。無かったかと思うと、運搬時に相当苦労したかと思う。筒とバッグを両方キャリングケースに入れれば、若干の重さはあるものの、一人で運ぶのにそう苦労は無い。これがポルタのケースが無い場合は相当苦労しそうだ。

 組み立ては、実はこのビクセンのアリ溝/アリガタを使うのが初めてだったりするので少々戸惑ったが、思っていたより使いにくいというか、結構いーかげんなんだな、というのが正直な感想だ。もう少しぴっちりハマるのかなと思ってた(^^;。なので、慣れるまでは筒を固定するときに十分な固定ができていなくて、何度か落っことしそうになってしまった。後は、ポルタはフリーストップの経緯台なので、筒をつける時のバランスを考えないと、思わぬ方向に動いてしまうこともある。接岸部がどうしても重くなってしまうので、筒だけを付ける時にその辺もちょっと考えておく必要がある。

専用ケースに入れたところ。取っ手が付いているのでとっても便利
 今更ながら便利だな、と思ったのが7x50mmのファインダー。このファインダー、3点支持ではなくて、XY微動式(バネ式)の調節機構になっているのだ。ポータブルで運搬前提のファインダーはどうしても狂いやすいので、調節しやすいこの機構は結構便利。ただ、筒が少し外れやすいのはどうかとも思う。

 肝心の見え味は、悪路マート、いえ、アクロマートのF5.0屈折なので、決して期待してはいけない。まぁ覚悟した上で購入したのではあるが、最初に月面を見たときは「う…」と固まってしまった。まぁ、今まで主に反射望遠鏡ばっかり除いて来たのだから仕方ないのだが、それなりに盛大な色収差が出る。特に青系は激しくて、片側が青ふちになってしまう。この辺は割りきりが必要だろう。

 接眼レンズは10mmと25mmのものが付属してくる。実はこの2本はほとんど使っていなくて、普段は前年に購入した8-24mmのハイペリオンズームを使っている。接岸部のレンズ径も大きくて見やすいし、おそらく見え味も少し上だろう。何より惑星から星雲星団まで、1本の接眼レンズで行けるというのがすごく便利だったりする。

 通常使うときはポルタ経緯台に乗せて、2インチ天頂ミラーをかませて、31.7mmアダプターを入れて使っている。必要に応じてこれに2倍バローをかませる、という形だ。ただ、実際に高倍率で惑星を見ようとすると、かなり苦しい。これは筒よりも経緯台という制限が先に引っかかる。フリーストップで全周微動という形はある意味理想なのだが、経緯台が軽いのでどうしても振動がそれなりにあるのだ。バローレンズをかまして土星を見ようとすると、微動ハンドルから手を離して、さらに数秒は待たないと振動で見られたものではない。やはりこれはRFT=リッチフィールドテレスコープとして、低倍率で星雲星団を見るのが主体にするべきなんだろう。でも、惑星も見えるというのは結構便利。

 そんな惑星や、淡い星雲なんかを見てると、やはり12cmという大口径が生きてくる。これまでの7cmの晴れ丸でもそれなりに見えるのだが、12cmとなるとほぼ倍。集光力なら4倍近くになるわけで、ここまで違うと見え味も相当違ってくる。更に接岸部が基本2インチでしっかりしているので、覗いていても安心感は相当違ってくる。

 屈折望遠鏡+経緯台ということで、実は少し期待していたのがカメラレンズとしての使い勝手だ。実はまだ試してはいないのだが、600mmF5.0としての超望遠レンズとして使えればそれなりに楽しめるのではないか、と考えていた。特にフォーサーズのOLYMPUSで使えれば、1200mm相当になるわけだからこれは…と思ってたわけだ。OLYMPUSなら手振れ補正も効果が期待できるしね(さすがに手持ちで撮ろうとは思わないが…)

 が、一つだけアテが外れてしまった。フォーサーズだと、ピントが出ないのだ。地上撮影はまだ試していないのだが、そもそも無限遠のピントが来ない。カメラを取り付ける場合は、付属している2インチ→31.7mm変換アダプターの外側に42mmのネジが切ってあるので、ビクセンのバローレンズと同じで、そのままカメラのTリングをねじ込めば直焦点撮影ができるようになっているのだが、フォーサーズのE-5を付けて見ると、直で付けてもドロチューブが足りなくてピントが出せない。それならば、と、付属の2インチ天頂ミラーをかませて光路長を確保して、その先に同じ様につけてみたのだが、今度は一番短くしてもピントが来ない。ガーン、である。

 ならカメラは全然使えないのか、とも思ったが、Canonで試してみるとちゃんとピントが来る。そんなに微妙なフランジバックだったかなぁ、とも思うが、Canonならちゃんと月も撮影できるのだから間違いない。ただ、この場合もフォーカスの調整しろはほとんど無いので、地上撮影をしようとしたら近くにピントが合わないことは十分に考えられる。2インチの延長チューブが欲しいところだ。

使用頻度は最初に想定していたよりも少し少なめだけど、まだまだこいつの実力を使いきれていないという状態だ。せっかく明るい筒なので、TNKで撮影にチャレンジしてみたいというのもある。その割りに出し入れにばたばたしたりして、キャップ類がいくつか紛失してたりするんだけど(^^;、せっかくなので、末永く使っていってやりたい。


思いのほか良く見えて見えすぎる双眼鏡

2013年1月2日 クリアな星空を! Vixen NewFORESTA 8x42WP


 2012年6月(む、既に半年前だけど、少しずつ追いついてきたかな…)、この年の梅雨も、私はいつもの病原菌に犯されていた。そう、梅雨時になると感染が広がるポチリヌス菌である。そして、このときの治療薬は、以前から気になっていた新しい双眼鏡だった。

 天体用の双眼鏡は、いままで2種類ほどを使ってきた。中学の時に買ってもらった7x50mmの代表的なもの。これは学生のころまで使っていたが、最終的に重さに耐え切れなくなって、軽くてワイド視野の8x30mmアスコットへと変更していた。ただ、それでもポロプリズムのノーマル仕様。

 ワイド視野なので実視界が8度もあり、通常の6x30mmの望遠鏡のファインダーと同じ視野ということで、ファインダー代わりとして相当便利に使ってきたのだが、最近のダハプリズムの防水タイプに比べると、どうしても見劣りするようになってきた。もっとも、一番困ったのは20年来使い続けてきたため、主として接岸部の調節機構にガタが出始めたのだ。ぼちぼち新しいのを欲しくなってきていた所だった。

 で、しばらく前から新しいタイプのダハプリズム機種を物色していた。基本機能としては8倍程度。で、どうせ軽量なダハタイプを買うのなら30mmではなく、一回り明るい40mmタイプだ。しかし、今まで8度の実視界を経験してきたので、あまり視界が狭いのは困る。そんな中で見つけたのはスターゲイズのこいつ。かなり安くてなんとなくあやしぃ8x42mm、ただし、視界は7度以上あり、ビノホルダーも取り付け可能な、なかなかできそうなヤツだ。

 ほとんど決めかけていたのだが、問題は信頼性というかなんと言うか。この辺は結構長年使うようになるので、あまり中途半端なもので済ませたくない。しっかりしたものを買うのなら、スワロフスキーとかツァイスは?という話もあるかもしれないが、その辺が買えないのは言わずもがなである(^^;

 で、やっぱり狙ったのはビクセン。欲しいタイプのニューフォレスターなら、同じ8x42mmで、実視界も全く同じ7.4度。違いは、ビクセンブランドということと、ビノホルダー取り付け不可というところだろうか。ただ、中央の接続構造も違っているので、こちらのほうが持ちやすそうで、かつ655gと、50gほど軽量にできている。

 価格も定価だとスターゲイズの3倍ぐらいするのだが、アマゾンの値段を調べてみると2倍程度まで落ちる。この程度だとポチリヌス中毒の治療にはもってこいだったりするわけだ。結局、軽さとブランドと、アマゾンで帰る手軽さに負けて、このニューフォレスタを購入。が、例によって梅雨時に購入したもんだから、なかなか思ったようには使えなかったりする(^^;

 これまでの8x30mmのポロプリズムと違うのは、防水になったことと、口径が42mmと大きくなったこと。その昔、以前のダハプリズムの防水タイプだと、IFのフォーカスでも2本それぞれ別々にフォーカシングが必要だったのだが、今の双眼鏡はセンターフォーカスノブで一発フォーカシングができる、といったところだ。実は、この42mmという口径は意外と利いていて、初めて双眼鏡を覗いたときは夜景だったのだが、「え?」と思えるぐらい明るく見えた。30mmのポロプリズムと比較すると全然違う感じだ。

 実際、今までと同じように星雲星団のガイド用として天体用に使ってみても、今までの8x30mmだと、ファインダー(6x30mm)と同じような見え方をしていたので、違和感無く使えてたのだが、今回の8x42mmになると、少し暗い星まで見えすぎてしまうので、双眼鏡で探しておいてファインダーで同じ視野を見たとき「あれ?」となってしまう事態が起きはじめた。うれしいが困った状態である(^^;

 そのほかにも、今度はキャップが変わった。今までは接岸部と対物部にそれぞれ一つずつキャップがあり、合計4つのキャップがあってそれを全部外しておかなければいけなかったが、今回は接眼部は二つくっついたゴムキャップがあり、これはストラップに取り付けておける。外したときにストラップにブラブラするのでちょっと邪魔だが、キャップを無くす心配が無いんでこれはこれで便利だ。

 対物側のキャップは、対物フードに固定になっていて、ゴムベロで「ビローン」とくっついたままになる。これも同様に外したキャップをしまう必要が無いので便利なのだが、天体用で使っていると、どうしても真上近くを向くことが多い。その時に知らず知らずのうちにこの対物キャップが戻ってきてしまうことがあるのだ。片方ずつ戻ってくることが多いので、使っていると片目だけ見えなくなって「あれえ?」となることが時々起こる。

 今のところ天体用途にしか使っていないのだが、せっかくの高性能双眼鏡なので、いろんなシチュエーションで使ってみたいとは思う。防水仕様なので、末永く使えればと思う。今まで使っていたポロのやつが20年以上使えているので、今度のは30年かな(ムリ


ちょっとした穴を開けるだけだったんだけど、結構苦労した

2013年1月14日 カメラバランスのため、もう一つのファインダー


 R200SSを使ってのTNK撮影を続けていると、色々やってみたい事が増えてくる。その中の一つがバランスの調整だ。反射望遠鏡なので、カメラの位置というのは色々調整させることが可能なのだが、東西南北を合わせたり、いろんな方向を向いたときにバランスが変に狂わないように、ということを考えると、バランスウェイトの180度反対側に付けるか、あるいはバランスウェイトと同じ向きに付けるかの2パターンになるのが普通だろう。

 後者の場合、ほとんどの場合カメラは下を向く(このページのタイトル写真がそう)のだが、その分カメラがウェイト側になるので、追加のバランスウェイトを使わなくても普通にバランスをあわせることができる。カメラのファインダーは覗きにくくなるのだが、使っているカメラはEOS60DにしてもKissX5にしてもフリーアングル液晶を持っているので、最悪テスト撮影したものを液晶で確認できれば問題は少ない。赤道儀にかかる負担から言っても、この形でTNKをやりたいというのがあった。

 が、実際にやってみると、問題が一つ。望遠鏡のファインダーが恐ろしく覗きにくくなるのだ。望遠鏡のファインダーは接眼部の近くに設置してあるので、この接眼部にカメラを付けて、それをウェイト側にすると、ファインダーもほぼウェイト側に来てしまう。場所にもよるが、ほとんど顔を逆立ちさせるか、望遠鏡の筒に頭が当たらないように変に首を曲げた状態でないと覗けないような形になってしまうのである。これはこれで相当に苦痛だ。

 本来であればファインダーそのものはとっぱらって、更に赤道儀のバランスや軽量化に貢献するべきなんだろうが、自動導入装置の付いていない自分の赤道儀の場合はちょっとムリ。これは、ファインダーの位置を変更してやるのが一番いいんだろうな、ということになった。

 ビクセンのファインダーはアリガタアリ溝式で、アリ溝のファインダー台座を筒に設置してやれば、ファインダーが一つあるだけでどこにでも持っていける。これを使わない手は無いのだが、問題はこのアリ溝台座をどうやって手に入れるか、だ。備品としても売っているのだが、この台座だけで送料を使って買うのも勿体無いな、と思って、とりあえず手元にあったR150Sのファインダー台座を使うことにした。少々面倒だけど、R150Sのファインダーの台座を取り外し、R200SSに取り付け…いや、その前に取り付けるための穴が必要になる。

 今のファインダーのほぼ180度反対側に取り付けるように印をして、そこにドリルで穴を開けるのだが、普段そんな穴あけ工具なんぞ持っていないので、初めは100円均一のピンバイスを持ってきてチャレンジした。穴が開くぐらいまでは何とかなったんだが、そこから先、広げるところまで行くとピンバイスがヘタってしまった。この辺が限界らしい。じゃあどうしたか、というと、そこから先は同じく100円均一の普通の金ドリルの先端を持ってきて、それを手で回して広げてしまった。これがまた意外とスムーズに行ったので、われながらびっくり。やってみるもんだなと思う。

 とりあえず穴が開いたところで、R150Sから移植したファインダー台座を取り付け。R200SSにもともと取り付けられているファインダー台座には、内側に裏打ちの補強板が取り付けられているので、本来ならこちらも同様の補強板が必要なはずだが、そこはTNK。特に何もせずネジを締めていっちょうあがり、である。そのままでは少し光っていたので、いつもの水性ポスターカラーでつや消し塗装をしておいた。まぁ、こんなもんだろう。

 実際に使ってみると、やはり便利。カメラをウェイト側に取り付けた場合でも、ほとんど違和感なくファインダーを使うことができる。ただ、穴を開けるときにやはりいいかげんになってしまったからだろう。そのままファインダーを付け替えてもズレがあり、ファインダーの調整は必須になっている。もっとも、普段アリガタにファインダーを取り付けると、やはり誤差が合ってファインダーの調整はしなければならないことが多く、それほど苦労が増えた、というイメージは無い。それよりも普通の姿勢でファインダーを覗けるということのほうが128倍ぐらい大事である(^^;

 で、この時は手元にアリ溝が無かったので、R150Sのファインダー台座を移植するという荒業を使ったのだが、実際はちゃんとパーツを買ってくるのが正解。ただ、単体で買うとそれだけに送料がかかるパターンになるので、東京に行ったときに、某望遠鏡ショップに寄って在庫があるか尋ねてみた。と、さらりと「あ、これですよー」と出してくる。800円弱なり。いやいや、どうやら結構な需要があるらしい。後日大阪の某ショップに行った時も、普通に展示してあったぐらいだ。

 ということで、今はちゃんとした?パーツのアリ溝ファインダー台座を付けて、元のR150Sの台座は元通りに組みなおしてある。違いがあるとすれば、付け直したときに塗装するのが面倒だったので、植毛紙をネジの上から貼って代用したことぐらいだ。追加のファインダー台座、ちょっとしたことだけど、結構便利に使えている。


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