玄の館パソコンの部屋〜SONY VAIO Type T 機種選択・印象編 inserted by FC2 system
3代目ノート。本格モバイルとして活躍しそうなVAIO。小型軽量&長時間駆動

SONY VAIO TypeT
〜購入・印象編〜

〜使いこなし編〜 
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 出張やその他色々問題があって、本格的なモバイルパソコンが欲しくなってしまった。バッテリーの持ちが最優先。そしてそれ以外の必要事項を色々考えていくと、結果として残ったがSONYのVAIO。果たして思った通りのモバイル満喫生活ができるようになるのか…。

本格モバイルが欲しい! 2005年10月12日

これまでのモバイル。ThinkPadとMebius  2005年夏現在、我が家には3台のPC/AT機がある。1台はメインで使用しているデスクトップ。こいつも時期的にはそろそろパワーアップしたい所だ。それと別にモバイル系パソコンが2台。1台は初代モバイルとして活躍してくれたThinkPadだ。現在は子供用PCとして活躍して…最近はあまり使われなくなりつつあるなぁ。

 そして3台目は現在使用しているモバイルパソコン。Mebius MURAMASAである。さすがに2年半、かれこれ3年近く使っているとぼちぼち不満大きくなってきている。そもそも購入した時もThinkPadの電池が死んでしまい、急遽代わりのモバイルを手配したと言うこともあり、かなり妥協の産物ではあった。モバイルパソコンが再び脚光を浴びてさまざまなスペックのものが出てきている今となってはスペック的にも見劣りする部分が目立つ。そろそろ新しいのが欲しいところだ。
色々使ってきてMebiusの問題点としては以下のようなものがあるけど、これはすなわちそのまま新しいパソコンに求められるスペックになる。


・電池の持ちが悪い
 普段使わない時はACアダプタをつないで、かつバッテリーを外してある状態なので以前のThhinkPadの時のようにバッテリーそのものが短期間でヘタってしまっているわけではないが、それでも購入当時より持ちが悪くなっているような気がする。元々2時間も持たないぐらいの持ちだったので、コンボドライブを内蔵しながらDVDを1本見ることもできない。オプションのバッテリーを追加することもできるが、それだとかなり重くなるのであまりいいとも思えない

・重い
 普段あまり使わないDVDコンボドライブを外すと少し軽くなるのだが、それでも1.7kg程はある。ドライブをセットすると2kgを超える。薄めの作りではあるが、片手で持つとずっしりとくる重さだ。最近のモバイル系だと1.5kg以下が当たり前になりつつあるのでこの重さはちょっと負担。

・でかい
 Mebiusは厚みを抑える設計をされているためか、底面積はこのクラスのノートとしては少し大きめのような気がする。12.1インチの液晶なのだが、外枠が結構あり、無駄に大きい感じがするのだ。実際先日の出張で東京に行った時、隣の人が持っていたLets'NoteW2と比較しても明らかに大きい。重ねてみると一回り違うクラスのノートのような気がした。ただ、12.1インチクラスならOKかというと、必ずしもそうではない。以前店頭で触った10.1インチのノート。Let'sNote R3の大きさは、「これでいいじゃん」という感じだった。その後で12.1インチを見ると結構多きい。出張先の机とかで使う時も、画面がある程度小さいほうが周囲へのプレッシャーが少ないので気楽にPCを開けるということもある。できれば小さいほうがいい、と思うようになった。幸いなのはあまり厚みが無いことだが。やはり底面積が大きいのは問題。

・TV録画専用マシンが欲しい
パソコンに接続するTVはUSBの外付け形式のものを使っているが、現在は予約録画できるようにノートPCのMebiusに接続してある。ノートPCだとハイバネーションができるので予約中にずっとPCの電源を入れっぱなしにする必要が無いので便利だ。問題はノートPCを持ち運ぶ時に付け外しが必要なのと、持ち出している間は録画ができないことだ。もう一台あって、データのやりとりだけをするようにできれば、もっと手軽に録画データを見ることができるようになる。ノートPCを買うことを考えれば据え置きのDVDレコーダーを購入したほうが安いのは間違いないのだが、PCならではの融通が効くのも捨てがたい。なにしろ投資が2重にならなくて済む。

・音が悪い
今のノートPCをモバイルする理由のひとつに、子供に車の中でDVDを見させたり、ナビ代わりにするというのがある。この時、意外と困るのがDVDの音声。本体だけでは音が小さくてあまり聞こえないのだ。外部スピーカーを繋げばなんとかなるが、ケーブルやスピーカーを余分に持ち運ぶと言うのはめんどくさい。本体から十分な音量で音が出れば外付けスピーカーなんてのは無くてもなんとかなるのだが、Mebiusの場合は本体にはモノラルスピーカーで本体下向きに付いている。静かな机の上で使う分にはあまり不満は無いが、少しうるさい環境では音量がまるで足りない。もちろん音質は期待すべくもなし。(ヘッドホンをつければ気にならない範囲ではあるが)といったところだ。


3代目となったノートPC。VAIO TypeTの小箱。かなり小さくて軽い。CDは大きさ比較用  というわけで、この辺の問題を解決するため新しいノートPCを物色するようになってしまった。もちろんターゲットは軽量なモバイル系。モバイル系といえば今一番売れているのはやはりパナソニックのLet'sNoteシリーズでしょう。実際、店頭に展示されていることが多いR4を時々見るのだけど、やや小さめとはいえ10インチクラスの画面でも十分。そして9時間持つバッテリー、打ちやすそうなキーボードと、モバイルとしての機能はスペック上十分。

 ただ惜しむらくは値段が高めということと、光学ドライブを搭載していないので別売りで購入しなければならないと言うこと。内蔵していないということでHDDのリカバリも難しいらしい(HDD内にはイメージを持っているんだろうけど)。それなら内蔵のW4を買うという手もあるけど、今のMebiusよりは小さいとは言え、一度10インチの小ささを見てしまうと12.1インチ画面&本体はどうしても大きく感じてしまうから不思議だ。出先で使うことを考えると周りにあまり圧迫感を与えない小型ボディはやはり魅力なのだ。

 うむ、やはりLet's NoteR4と外付け光学ドライブで行こう、とほぼ心を固めた頃、丁度秋冬モデルの発表時期となった。この時期は売れ筋のノートPCは軒並み売切れになって手に入りにくくなる。ついでに新しい機種が出てくるとどうしても旧機種は見劣りしてしまう。ということでまたまた迷う羽目になった。

 その中でも特に気になったのはSONY。この秋の新しいVAIO TypeTは筐体を大きく変えてきて、特に液晶がLEDバックライトになってかなり薄く、そして軽量化してきた。重さから言えば光学ドライブを内蔵したLet'sNoteのWシリーズに肉薄している。大きさも大幅に薄く、そして後部のバッテリーの出っ張りがほとんど目立たないレベルになってきたので重量バランス等を考えてもかなりいい感じに仕上がってきている。

液晶は11.1型(インチ)で横長なので多少変則的、かつ結構文字が小さくなるので見にくいのだが、ひざの上に置いて操作するにしても、エディタのフォントの大きさを多少変えるぐらいでなんとか対応可能なレベルだ。実はこの前の型のVAIO TypeTを会社で少し使ったことがあり、最初は画面が小さいことに閉口したのだが、フォントをある程度変えることで対応できることも学んでしまった。先代のやつはデザインや厚み、重量的に少し妥協しなければならない点が多かったが、今回のはかなり期待できそうだ。

 9月も半ばになると電気屋さんにこのモデルが並ぶようになって、実際のキーボードや画面の状態を確認できるようになった。特に気になっていたスピーカーだが、音を目いっぱい鳴らしてみると、うるさい電気屋さんの店内でもそこそこパンチの効いた音で鳴ってくれる。しかもヒンジ近くに上向きでステレオスピーカーがあるため、置いた場所にあまり影響されずにちゃんとした音を出してくれそうだ。これなら車の中でDVDを見てもそれなりに聴けるはず。液晶の見え味やキーボードも気にならなかった。もっとも、液晶は明るさを調節した時の落差が激しく、下から2段分ぐらいはほとんど真っ暗。この状態で駆動時間を測定しているのだとしたら、そのためだけにここを無理やり暗くした感じ。ちょっぴり不安。

 ただ、特に電池寿命の長いPentiumMが店頭モデルには無く、SONY Style専用モデルとなってしまっている。SONY直販状態だから、実質値引きは期待できない。多少おまけが付属していたりするが、音楽配信用のダウンロード券だったり、SONY Style割引特典だったりするので元々興味がなければあまり魅力的ではない。そもそも流行りのDVDマルチドライブで、PentiumMにすると23万円ぐらいの値段になってしまう。以前の時より余裕はあるとはいえ、この値段はちょっと…

 で、くやしまぎれにSONY StyleのBTOのシミュレーションを色々やってみていた。HDDはやはり60GBは必要。40GBでは少し心もとない。CPUはどうせならPentiumMがいい。OSはXPのHome Editionで不自由は感じない。メモリもまずは標準の512MBでOK。となると、後削れるのは光学ドライブ…。お、DVDマルチドライブをコンボドライブ(DVD-ROM&CD-R)にすると2万円も違ってくる。しかしどうせならマルチドライブが欲しい…。

 ここで自分の用途をもう一度確認してみた。実際MebiusにもCD-Rが焼けるコンボドライブが搭載されているが、実際に出先でCD-Rに焼いたことは数えるほどしかない。2年半使っていて、である。もちろんCD-Rで2枚以上にわたる様なファイルを焼いたことは皆無である。最近は小さいファイル(数十MB)ならUSBメモリで事足りるし、それ以上のファイルを出先で配布することはまずない。DVDはROMが見えれば殆ど、というか今まではすべてそれで事足りていた。

 今後どうなるか分からないが、どっちにしてもDVDをモバイルで焼く機会はそうそう無いんじゃないか、と思う。どうしても、というのなら外付けのドライブを(多少無駄だけど)購入するという手もあるし、しばらくしてからなら技術的にも省電力で高速なドライブが出てくる可能性もある。

 とにかく光学ドライブをコンボにすれば他は必要機能を網羅しても21万円ほど。これならなんとかなりそう。というわけで、ライバルであるLet'sNoteの新機種の魅力程度を確認(ほぼ変わらずだった)して、自分の用途に合うのはSONYのVAIO TypeT。ということで購入ボタンを押してしまった。ポチッとな

 色を含めてオプションを色々選ぶ関係か、SonyStyleで注文すると納期が1週間ほどかかる。ホントはオプションのBluetoothマウスをつけたかったんだけど「納期未定」になっていて、今回は本体の納期を優先したかったのであきらめた。さて、実際に届いた実機は…。

New Type T その印象は 2005年10月16日

右パームレスト部にあるフェリカポートとボリュームコントロール  注文したのが9月末で、実際発送連絡が来たのが4日後。そして翌日には到着した。予定より2日ぐらいは早い到着だった。まだ使いこなすところまでは来ていないが、とりあえずざっと触ったところで外見の印象をまとめてみた。

 到着した箱はSonyStyleのコンパクトな段ボール箱。中身はさらにコンパクトで軽い。これまで購入したモバイルパソコンの箱は本体の重さもあるし、マニュアルや付属CD類が結構あったりしていずれもかなりの重さがあった。最近のPCではマニュアル類が電子化されているので付属のマニュアルはかなりコンパクトだ。TypeTの場合、紙のマニュアルも薄い紙を使っているせいか厚みもあまり無い。こんなこともあって箱そのものがかなり軽くなっている。片付けることを考えるとこの軽くて小さい箱は好印象

 箱の中身は本体とACアダプタ、バッテリーで、後はマニュアル・パンフレット類が少しあるだけで拍子抜けするぐらいシンプルだ。本体にバッテリーを取り付けて軽さ・薄さを実感。やっぱりMebiusに比べると感動的に軽い。ただ、横幅は結構あって、比べてみるとMebiusと大して変わらなかったりする。その分奥行きは小さいし、キーボードも悪くない

 キーボードそのものは好みの問題もあるとは思うが、多少ピッチが小さいだけで、思っていたよりも打ちやすい。デスクトップから急にノートで入力すると多少とまどうが、慣れればタイプミスは少ないキーボードだと思う。むしろ気になるのはその色。デザイン上シルバーにしてしまったのだろうが、少し明るいところで見るとこのキーボード、かなりギラギラして見にくいのだ。特にキートップの補助文字(Fn+とか、Numとかの機能を書いた文字)は見にくく、屋外での使用は困難を極める。通常のタッチタイピングには不自由を感じないが、この色はデザイン優先しすぎで操作性がかなり犠牲になっている。

 液晶は劇的に薄い…はずなのだけど、「すごいな」と思うのは最初だけ。見慣れるとどうこうということはない。改めて測ってみるとMebiusの液晶だって縁の薄い部分は6mmぐらいなのだ。5mm弱になったからといって「劇的」というほどでもない。むしろこの薄くて軽い液晶のおかげで、ディスプレイの開閉がすこぶる楽になったのが良い。ディスプレイそのものが小さくて上下に短いこともあるが、ヒンジのトルクも軽さに合わせて軽くつくってあるので、かなり軽く開閉できる。その上閉めるときも力がいらないので「バタン」となりにくいのが気楽だ。

 液晶は最近はやりの「ツルピカ」液晶。反射防止コートをしてあるので通常の使用では問題なくきれいに見えるけど、液晶輝度を落としてたときは周囲の外光の映りが少し気になる。LEDバックライト、ということで画面下の方が一部明るいとか、LEDのツブツブが見えるとかの話がWEBに上がっていたが、少なくとも自分の固体では気になるようなこともなく、明るさを上げればかなり明るくなる液晶であり、十分快適に使える。店頭で見た時に気になったバックライトを暗くしたときの処理も手頃で、特に気になる物ではなかった。

 液晶の天板にはVAIOの掘り文字があり、「ルミナスミラーロゴ」というメッキのロゴが入れられている。んが、このメッキ、あまり品質が良いとも思えない。黒っぽい金属光沢はあるけど「ミラー」というには光沢がいまひとつで、よく見ると「焼きむら」みたいなむらむらがある。「汚れているのか?」と思って思わずコンパウンドでこすってみたけど、それぐらいでは変わらなかった(周囲の塗装がはげてしまった(^_^;))。これなら普通のシルバー塗装の方がいいような気もしなくもない。

 パームレストにはフェリカのマークがあるが、当面対応デバイスがないので役には立たない。右下にはワイヤレスやサウンドのインジケーターがまとまっている。ワイヤレスのインジケーターやそのON/OFFスイッチは使いやすくて問題ないのだが、ボリューム調整はちょっと問題。側面には確かにボリュームスイッチ(+,−,消音ボタン)の位置に印字されているのだが、上面から見ると消音インジケーターしか見えず、しかもその位置がかなりずれている。ボリューム調整や消音をしようとすると右下をのぞき込まなければならず、これまた操作性がすこぶる悪い

 よく見るとボリュームの「+」ボタンに小さなぽっちが申し訳なさそうに付いているが、もう少し上面の表示と位置を合わせてくれると分かりやすかったのだが。音量は最大にすると結構大きな音で鳴ってくれるので、何人かで一緒にDVDを見たり音楽を聴いたりすることもできる。もっとも、「できる」というだけで、音質は以前のノートPCよりはマシとは言え期待してはいけない(^_^;)。

   CD/DVDのコンボドライブのイジェクトボタンは相当に小さい。小指の爪先で押し込む様にして押さないと出てこないのだ。もっとも、個人的にはこの仕様は歓迎。従来のこの手の光学ドライブだと、本体を両脇から持って持ち上げようとしたり少し動かそうとするたびに光学ドライブがイジェクトされて、とまどったことが何度あったことか。今回のようにこれだけ押しにくければ本体を「ぐわしっ」と掴んでも間違ってイジェクトボタンを押すことも無く、安心して持てる。実際にイジェクトしたいときは本体ヒンジ部のAV関連ボタンのイジェクトボタンを押せばOK。これはかなり便利だ。

 本体の下部は少し斜めにカットしたようなデザインになっていてカッコよくなっている。カッコいいだけでなく、平らな机の上に置いた後持ち上げようとしてもスッと手が入るので持ちやすい。ただ、その弊害もあってPCカード部は少し長さが足りず、実際にPCカードを挿すとかなりはみ出してしまう。投影面からははみ出さないが、見た目はあまりよろしくない。やはりメモリーカードとしてはメモリースティックを使った方がいいかも。

 実際に色々使ってみたら、更に色んな印象が…一番問題なのはファンの音。この辺の話はまた今度。

不満な点もちらほら 2005年11月8日

本体左側。二つめのUSBコネクタは蓋の中。使いにくい  おおむね満足できるデキのVAIO。しかし、やっぱり使い方によっては不満も出てくるというもの。正直不満は出ないと思っていたのだけど、これぐらい良くできた製品だと、ついあら探しをしてしまう。まだまだ使い込んではいないけど、少し気になった点を少し出してみよう。

 使い始めてすぐ気になったのがCPU FANの音。先代のVAIO TypeTでも少し気になったのだけど、それでも耳についてイヤということは無かった。そもそもCPU負荷が低いときはほとんど動かないのでテキストを入力しているだけではまず気になることはないのだ。

 しかし、今回のTypeT。少し気になる。おそらく薄型化、軽量化する上でどうしても避けられない点でもあったのだろう。ついでにチップセットがSonoma世代に変わって発熱量が増えたのも同時に影響しているはずだ。おそらくここ2,3年では一番発熱量の多いチップセットになっているのが悔しいのだが、それでもトータルのバッテリーの持ち時間は良くなっているのでヨシとするしかないだろう。

 話が逸れた。ファンの音だが、絶対的な音も大きいのだろうと思うし、その制御にもちょっと疑問がある。普通こういったレベルのCPU FANなら、何段階かのFAN制御があって、負荷の低いときは少し、高いときには強力にFANを回すようにしてあると思うのだけど、どうやらこのVAIO、「連続的に」調整をしているようなのだ。

 「VAIO省電力設定」というのがあって、ここでCPUファン制御ができるようになっているのだけど、このレベルがLevel5(放熱優先)からLevel1(静かさ優先)まである。FANの音が気になっていたのですぐさま「Level1」にしたのだけど、結果からいうと逆にうるさくなってしまった。

 FANの回る基準がどうなっているのかは知らないのだけど、とにかく普通に適すと入力しているだけでも結構な頻度で回るのだ。しかも、回っている途中で回転数が連続的に変化する。FANとしてはがんばって最低の回転数に制御しようとしているのだろうけど、少し回ってもかなり回っても騒音のレベルはそう劇的には変化しない。止まっているときもあるのだけどまたすぐに動き出す。

 人間の耳や目ってのは、音が聞こえていてもそれが常に一定のレベルにあるときは次第に脳の方でそれを排除してしまう。常に同じ音が同じレベルで聞こえていれば、一度慣れると意外と気にならないものだ。しかし、変化には敏感でちょっと音程や音圧が変化するととたんにそれを関知してしまう。今回のVAIOのFANはまさに後者で、がんばって音を変化させてしまっているので結果としてかなり耳障りな音になってしまっている。

 5年ほど前に職場で一時的にPCサーバーを事務所の机の上に置いてあったときがあったが、そのサーバーのファンが同じように可変連続的にファンをコントロールする形式で、やたらめったら耳障りだったのを思い出した。ちょうどそんな感じだ。

しょうがないのでファンの制御は結局Level5(放熱優先)で制御している。こっちの方が静かに感じたりするから不思議だ、というか、SONY。もうちょっとしっかりしてくれー。

いまいちなパッド

 タッチパッドもいまいちだったりする。個人的にはデザインもいまひとつ。というのはパームレストがフラットにはなっているのだが、このタッチパッド部分を目立たせるためか、パッド部分にブツブツのデザインが施されている。遠目に見れば少し色がついているかな、程度なのだが、近くで見るとあまり気持ちのいいものではない。ツブツブは透明なパッドの裏側にあるので手触りはツルツルなのだが、なんだかなぁ、ってところである。

 それよりもタッチパッドの反応もいまいちな場合がある。基本的には今まで使っていたMebiusのタッチパッドがあまりにもタコだったのでそれよりははるかにマシなんだけど、時々思ったように動いてくれないことがある。仕事で使った先代のType Tではそんなこともなかったので、条件にもよるかもしれないがタッチパッドの動作信頼性はいまいちのようだ。

気になるキーボード

 キーボードの大きさはこのクラスとしては標準的だし、キー配列も悪くない。少し特殊な形で、多少音が気になるかもしれないけど、おおむね満足できる形だ。ただ、キートップのデザインはちょっと気になる。

 最初のインプレッションでも書いたけど、このシルバーのキーボードは屋外で使ったりするにはまぶしくて適当ではない。省電力モードにしようとすると液晶は暗くなるので、それに反して明るいキーボードは目が疲れる。それ以上にキートップに書かれた文字が見にくい。特にテンキー用の印刷は色が薄いので、ただでさえ見にくいのに更に見にくくなってしまっている。

 ついでにこのキーの印刷、シルク印刷でもレーザー刻印でも無くてただのレタリングのようだ。使用頻度や環境にもよるかと思うが、そのうちはがれて見えなくなってしまうのではないかと不安になったりする。更に悪いのは、そのレタリングのシール部分(文字からはみだした部分)がシルバーのキーだとかなり目立つことだ。遠目にはわからないのだが、文字を打っていて少し悲しくなってしまうほど目立つ。この辺はもう少しなんとかならなかったんですかぁ、SONYさーん。

もうひとつのUSB
 USBコネクタの一つは左側の奥に位置している。もう一つは左側の手前側だ。これ自体はさして珍しい配列ではないのだが、問題は手前のUSBコネクタとモデムコネクタに妙なカバーが付いていることだ。手前の薄い部分にコネクタがあるためか、この二つのコネクタをカバーするためにプラスチックのいかにも安っぽいコネクタカバーがとりついている。

 カバーが付いている状態だと特に変には見えない(というか、デザイン上の都合でカバーを付けているような気がする)。実際に二つめのUSBを使おうとすると、外れかけたカバーが邪魔になるしかなり格好悪い(^_^;)。モバイルとはいえ、USBを2個使うことは結構あるわけで、マウスともう一つ、たとえばUSBメモリーを使おうとすると、簡単に2つのUSBは埋まってしまう。それだけ頻繁に使うであろうUSBコネクタにムリにカバーをかける必要性は薄いのでは?と思ってしまうのだが、この辺にデザイン優先のしわ寄せがきてしまっているのだろうか…。

 というわけでとりあえず気になる不満を書いてみたけど、逆に言うとそれ以外はあんまし不満という不満がない。良くできた逸品ではないかと感じている。コレはバリバリ使ってあげねば…。
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