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デジカメ OM SYSTEM OM-1


原点カメラOM SYSTEM OM-1


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  もう、OLYMPUSのフラグシップカメラを買うことは無いかもしれない…そう思っていたのに、なんかスゴイカメラが出てきた。こ、これは欲しいかも。気が付くと、その手には、憧れのあのカメラと同じ名前、OLYMPUS OM-1が握られていた…。


振り上げた拳(ポチるための指)は振り下ろされなければならない。E-M5MkIIIを買うために、もう3年間も振り上げられた拳は、この魅力的なカメラの前にもはや抵抗する術無く振り下ろされたのであった。
●Wow!なカメラが出てきた!●

高校生の頃、初めて買った一眼レフカメラはOLYMPUSのOM-2S/Pだった。当時はニコンのカメラが欲しくてしょうがなかったのだが、小遣いとお年玉+αをがんばっても、買えたのはOLYMPUSまでだった、というのが正直なところだが、その後デジカメの変遷も含めてOLYMPUSにここまでお世話になるとは思いもしなかった。2022年、年初のメインデジカメはE-M5IIだった

実は2019年にE-M5Mk.IIIが出て、「これはどこかで買っておかなければ」と思っていたのだが、色々いいわけをつけて、というかほかに買うべきものが多くて、結局買いそびれていたのだ。既に3年の月日が経過。2022年になってやっぱり欲しいけど今更っぽいしなぁ、いっそのことE-M1 Mk.IIIを、でも少し高いしなぁ、という状況で迷っていたのだ。E-M5IIも悪いカメラではないのだが、連射やプリ露光なんかを考えるともうちょっとシャッターチャンスに強いE-M1シリーズとかを狙いたいかも、とも思っていた。

そこに降ってわいたのがOM-1だ。OLYMPUSがカメラ部門を分離してOM SYSTEMになってから新しい「Wow!」なカメラを出すよ、という話は前々からあったので気にはしていたのだが、正直それほど期待はしていなかった。OLYMPUSは過去からユーザーを何度も裏切ってきた?歴史があるから、あまり期待してもなぁ、というのが実際だ。フラグシップカメラが出たとしても、最近のカメラメーカーの動向を見ている限り、50万円前後のバカ高い、庶民にはあんまし関係ないカメラになるんだろうな、という冷めた気持ちもあった。

が、出てきたカメラを見てちょっと気になった。機能的にはlE-M1Xの大きな筐体でかろうじて実現できていた物体認識や高速連射、ハイレゾなんかの凄いシステムが、E-M1系のボディに全部収まってしまっている。

具体的には、2037万画素の裏面照射の積層型Live-CMOS。クアッドピクセル構造で画面全体にAF可能。Ai画像認識で飛行機・電車・車・鳥・犬猫を認識するという。連射がAEAF追従ブラックアウトフリーで50コマ/秒!(シャッター併用は10コマ/秒)、最高感度25,600、拡張ISO102,400(!)、手ぶれ補正最大8段というとんでもない仕様になっている。価格は27万円ほど。さすがにこれは手が出ない、そう思ってたはずなんだが…

E-M5MkIIIを買うために振り上げた拳は、もう3年間も上げたままだ。これはどこかで下ろしてやらなければならない(ならない?)。鳥や犬猫の認識AFのでも動画なんかを見ていると、「うおおぉぉ、これは欲しいかも」と思えてきてしまう。しかも、今回ペンタプリズムに刻まれているのは「OLYMPUS」なのだが、このOLYMPUSブランドのロゴが残る最後のカメラになるかもしれないという話。機能的にもプレミア的にも相当に欲しくなってしまう

我が家の猫や動き回る動物、鳥に追従してAFが動き、ジャスピンで撮影できるのであればこれほど強力なカメラは無い。いずれ欲しくなるのであればもうここで買ってしまえー、ということで買う気になってしまった。

しかし時は2022年。世界中で半導体不足が叫ばれていて、発売したけど全然手に入らないという話が多かった。OM-1もそんな影響を受けて割引が無くてかつ手に入らないんじゃないの?と疑っていたので様子見だったんだけど、テストレビューが出てくると居ても立っても居られない、という状況になって、まだ発売日に入手できそうだったので、発売1週間前に予約してしまった。が、タイミング悪く、購買サイトの情報では、発送は発売後最大1か月かかるという状況になった。

しかあし、OLYMPUS(OM SYSTEM)はがんばった。どうやら、玉不足にならないようにかなり前広に、用意周到にブツの準備を進めていたらしい。他のメーカーの各フラグシップや上位機種のカメラが軒並み玉不足で出荷時期不明のアナウンスがされる中、OM-1は発売月に販売量1位を獲得するなど、相当売れたらしい。実際自分のカメラがセカンドロットなのかどうかはわからないが、3月18日の発売日に「発送しました」メールが届いたのだ。なに!?今回はもう間に合わないと思っていた桜に間に合う!

購入はポイントバックが大きいYahoo!ショップで、ショップは信頼のカメラのキタムラを使わせてもらった。価格は発売直後なので他とほとんど変わらないが、Tポイントをうまく活用して実質24万円ほど。更にYahoo!のポイント(実質PayPayポイント)が結構バックしてきたのは結構大きい。絶対金額としては、初めて一眼レフデジカメを買ったときのレンズ込みの価格にほぼ近い、それぐらい思い切って買わないと満足できるデジカメが買えなくなってしまったとも言えるだろう。


付属のストラップは柔らかく、幅も適当で使いやすい。さすがにフラグシップの付属品は違う。ちなみに名前はOLYMPUSとOM SYSTEMのダブルネームになっている。
さて、前置きはこれぐらいで(多いって)いいだろうか。到着して、ワクワクしながら取り出した本体は、E-M5IIを使ってきた自分としてはちょっと大きいかな?という感じだが、そもそもそんなに大きなものではないのであまり違和感はない。過去にE-3E-5を使ってきたことを考えると十分にコンパクトで軽い。グリップがしっかりしている分むしろ軽く感じるぐらいだ。

E-M5IIの際に「これは…」と困惑した付属ストラップは、しなやかな感じでわざわざ他のストラップを買う理由が見当たらないぐらいいいものだった。なので、「OLYMPUS& OM SYSTEM」ダブルネームロゴのこのストラップを使わせてもらっている

恒例となった?「カパカパ液晶」(2軸液晶)だが、OM-1でもしっかりバリアングルのカパカパ液晶が採用されている。自分の持っているデジタル一眼カメラはFUJIFILMを除いて全部コレなので、慣れているこの形が使いやすい。しかも、E-M5IIで固定を外すのに固かった爪は、スムーズに外れるようになっている。やっぱりE-M5IIは堅かったんだな、と納得。E-M5IIは今更メーカーにクレームを入れてもダメなんだろうから、どこかで削ってやろうか…



E-M5II(左)に比べると、ファンクションダイヤルが右側に移動した分、右上のボタン類が少なくなっているが、トータルのボタン数は増えているので違和感が無い範囲で色々カスタマイズして使いやすくしたい…が、どうしよう…。
●どこまでも遊べる機能●

さて、いつまでも眺めていないでどんどん使っていこう。高価なカメラとは言え、使ってナンボのもんだし、OLYMPUSのカメラはかなーり?ラフに扱っても大丈夫という安心感もある。 いつものMZ.D 12-100mmF4.0を付けてさくさくっと使ってみると、とにかく軽快に使える。E-M5IIより大きくて重いはずなのだが、グリップが深いせいか、重さはあまり感じないし、むしろしっかり握れるのでハンドリングはいい。比べて見るととにかくAFがバシバシ決まる。E-M5IIでも時々不満に思っていたピントの抜けは殆どない。狙いどころはAFターゲットのシステムを色々調整する必要を感じているが、とにかくデフォルトに近い状態(中央部分ターゲット)でも、ほぼ思い通りのフォーカスを提供してくれるのだ。

そして、とにかく多機能。各機能を少しずつ遊ぶだけで一生遊んで暮らせる(意味違う)んじゃないかというレベル。逆に言えば目的の機能にたどり着く手段を確保しておかないと面倒なことになる。いや実際、購入後の8月に旅行した際、「デジタルNDフィルター使いたい!」と思ったのだが、それまでに使ったことが無く、結局現場では使い方が分からないままであった。使える機能を一度整理しておく必要がある。購入してもうすぐ1年になるが、実はまだできていない(ヲイ。

ファンクションボタンも多数あるが、E-M5IIと比べて必ずしも多くて便利、というわけではないので、うまく使う必要がある。デフォに近い状態で使っているが、まだまだカスタマイズする必要がある。

実はそのカスタマイズするときにも、まずはボタン(レバー)の名前を覚えるところから始めなくてはならない。例えば、ファンクションレバーとか。突然言われてもどれ?となってしまう。操作系が多いのはいいのだが、もう少しスッキリさせてほしいのと、自分の頭の中で一度整理しておく必要がある。 メニューはタブ形式になったので多少分かりやすくなってはいるが、普段の設定において、E-M5IIの時はクロスタイプのメニュー(ライブコントロール)を出すようにして設定していたので、ワンアクション必要だがわかりやすかった。(ちなみに、ここからスーパーコンパネを出すには、「Info」ボタンを押すらしい)。ただ、どうやらOM-1にはこの「ライブコントロール」が無いらしい。なので、基本スーパーコンパネで各種設定を行わなければならない。ライブコントロールに慣れていると、必要なコマンドまでカーソルを動かす必要があるのでちょっと面倒だったりする。ただ、少なくとも連射/ストロボ、AFモード/測光モード等は左肩のボタンでほぼダイレクトに呼び出せるし、使用頻度に応じてカスタマイズすることができるので、この辺をうまく活用することでかなりの部分はカバーできそうだ。

私の場合、高頻度で使うファンクションとしてデジタルテレコン(x2)や、HDRがある。この辺の専用ボタンは無いので、どれかに割り当てる必要があるのだが、E-M5IIと違ってHDRボタンが省略されている。モードダイヤルが軍幹部右側に移動したことにより、右側上のボタン類が減っているのだ。ではどうするか?OM-1では今のところISOボタンをHDRにしているが、今度はISO変更時に困ったりする。フロントに二つあるファンクションボタン(一つは絞り込み用)を含めて、この辺どうするか、もう少し考えてみたい。

なお、先のコンピュテーショナル機能を含めて、顔認識など、とにかくAF関連の機能がむちゃくちゃ多い。この辺は販売直後に「OM-1カスタム設定ライブ」動画が公開されて、ここの説明が結構分かりやすかった。これはボタン設定を参考にしたい…と思いつつ半年が過ぎた。とりあえずはデフォルトに近い使い方でも今までのE-M5II並みには使えてしまうわけだ。


背面含めて操作部を眺めて見ると、ボタン数は結構ある。ただ、表示されているものと異なるファンクションを割り当ててしまうと、後で色々悩むことも多いので、覚えやすいように工夫が必要だ。後、HDMIやUSB端子など、端子類のコネクタも結構多い
ファインダーはクリアで見やすい。その昔、E-M1が世に出た際、ファインダーを覗いて「おお!、この見え味ならもう光学ファインダーじゃなくてもいいかも…」と思わせてくれたそのファインダーがいま自分の手元にある。E-M5だといまひとつかな、と思っていたのはやはりファインダーの液晶画面がちょっと違ったんだろうな、という感じだ。夜間など、特殊な状況でなければ、目で見ていて、カメラを構えてファインダー越しに見ても、ほとんど違和感を感じないぐらいになっている。うーん。すごい。

充電器は付属しない。バッテリーも1万円以上するので予備バッテリーを買うのはちょっと躊躇してしまう。ただ、USB-Cで外部給電に対応しているので、モバイルバッテリーがあれば予備電池的な使い方ができる。充電しながらの使用にはPD規格が必要だが、これはG5X MkIIを買ったときに買ったものがあるのでいざというときは使える。G5XMkIIと違ってPDでない普通のUSBからでも充電だけならできるので便利だ。

しかも電池が長持ち!。E-M5IIだと半日撮影しまくったら1〜2本予備電池が必要だったが、OM-1だとフル充電の電池を使うと、50-60%までしか減らない。丸一日使いまくったら予備電池が欲しくなるかもしれないが、当面は不要だろうし、必要ならモバイルバッテリーから充電もできるので、これなら電池がヘタってしまうまでは予備電池は買わなくてもいいかもしれない。

天体写真にも十分な性能で、星野撮影してみると赤い星雲も結構写る。ノイズはゼロにはできないが、RAW現像時にダーク(1枚だけだけど)を減算できるシステムがあるのでかなり効かせられる。電池の問題は若干残るが、赤い星雲や赤外に特化しない限り、星野撮影に使うには結構いい感じだ。そもそも、OLYMPUSのPROレンズ、12-40mmF2.8や40-150mmF2.8があるので、これらを使って星野写真を撮るとハイスピードで高精細に、いい感じに仕上がる。その昔、OLYMPUSのカメラでは赤いのも写らないしノイズもひどいし…と苦労しまくっていたのがうその様だ。

高性能なAFを中心に使っていてとにかく気持ちいい。E-M5IIをほとんど使わなくなってしまった。まぁ、E-M5IIはレンズの応用を含めてもうちょっと使ってやりたいけどね。





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