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赤外改造デジカメ Canon KissX9 & KissX9i


欲しくなった赤外改造カメラCanon Kiss X9 KissX9i HKIR
 


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 さて、本エントリーは「デジカメ倉庫」に入れるべきか、「窓際天文台」に入れるべきか、悩んだのだが…とりあえず「デジカメ倉庫」入れてある。天体写真を本格的にやり始めてからずっと欲しかったカメラがある。赤外改造デジタル一眼レフだ。2020年春先、思ってたよりも手軽に買えることが判明した。これはもう、買うしか…


HKIR(ハヤタ・カメララボ赤外改造)であれば、思ってたよりもリーズナブルに、かつ手軽に使えるカメラが買えることが分かってしまった。冷却無しならこれで十分では?
 
●まずは手軽に?HKIRカメラKissX9

2020年の年初。私は新たな決意を固めていた。「今年こそは赤外改造、もしくはCMOSカメラで本格的な写真を撮れるようにする」というものだ。いやまぁ、赤外改造カメラはNikonのD610を長期貸与させてもらっているのがあるのだが、遠赤側をカットされていないからか、そのまま撮影するとどうしても眠い画像になりがちだということと、ニコンFマウントということがネックになってあまり使っていない状況だったりする。

そんな中、今まで赤外改造カメラというと、自分でリスクを冒して行うか、SEO-SPの様に少々高い改造費を払ってカメラを改造に出すか、というような状況しかないと思っていたので、自分としてはハードルが高いよな、と思っていた。

しかし、ここ数年だろうか。HKIR改造というのをよく耳にするようになってきた。なんだろうと思って調べてみたら、東京浅草のハヤタ・カメララボさんが、赤外改造(非冷却)を行っているというのだ。カメラメンテナンスのお店がやっていることもあって、割としっかりしたサービスのようだ。

しかも!ここのお店のHPを見ると、一眼レフカメラの中古や新品を赤外改造して販売しているのがある。それも結構な格安で!これはがぜん興味がわいてきた。

2020年現在、最近の傾向としては赤外改造カメラはEOS6Dか、SONY、もしくはニコンのものが多く、フルサイズが主流となってきているようだ。確かに6Dを赤外改造して使っている人は多く、比較的リーズナブルな価格でフルサイズ赤外改造カメラが使えるので人気の様だ。先のハヤタカメラさんの赤外改造ボディのリストを見ても、EOS6Dがズラリと並んでいる場合が多い。

が、安くても12万円ぐらいだったりする。しかも、自分の望遠鏡やレンズを考えると、基本APS-Cを基準にそろえているので、フルサイズのあれやこれやをやり始めて光学系まで追求してしまうと、とてつもない投資になってしまいそうだ。ということで、ここはAPS-CのKissX7以上を狙ってみることにした。

Kissであれば、以前KissX5を使っていたこともあり、そこそこの性能だという安心感はあった。ただ、EOS80Dを導入するときに感じていたノイズの多さは気になっていたが、できる限り最新のものであれば、そのノイズも少なくなっているであろうという判断だ。当時の最新型はKissX9i。KissX7までぐらいだと、XnとXniの違いに、バリアングルかどうか、というのがあったので、天体写真にするならバリアングル液晶はいるだろう、と思うのだが、最新の機種だと、連射とコマ数が違うぐらいで、Xnでも液晶はバリアングルだし、支障はほとんど無いらしい。それなら安価なXnでいいだろう、と踏んだ。

後はハヤタカメラさんの改造機種のラインナップにKissXnの最新型が並ぶのを待つだけだ。というのも、EOS6Dの改造機だとほぼ常に在庫があるのだが、KissXn系だとなかなか並ばないし、悩んでいるうちに売約済みになってしまうことも多いのだ。買おうと思ったのが2月ぐらい。そこから1か月ぐらいはちょくちょくハヤタカメラさんのHPをチェックしていた。

そして!ついに4月、KissX9の改造機がリストに並んだ。もう、今ここで買わずしていつ買うよ!?という状況で、速攻で(実は少し悩んで)ポチ!。まぁ、実際にはメールでのやりとりだったり、銀行振り込みだったりと、amazonで買うようなお手軽ではないんだけど、モノがモノだけに、これは仕方がないだろう。送料や振込手数料を込みにして、7万6千円ほど。でも、その昔の赤外デジタル一眼で、安くて20万円前後というイメージからしたら、ずいぶんお手軽になったと思ってしまう。まぁ、普段取りのカメラに不自由しなくなって、後は天文専用カメラがあれば、となったのも大きいかもしれない。到着まで一週間ほど。

導入して最初に撮影したのは崩壊してしまったアトラス彗星(C/2019Y4)で、自宅からの撮影だったりして、赤外改造の効果は全然わからない状況だったりした。その後、色々撮影をしているのだが、やはりEOSの一眼レフはそこそこ使いやすいと感じている。このKissX9を買うまでの主力カメラはFUJIのX-T1(中古)で、赤いのもそこそこ写るし、解像度も悪くなかったんだけど、操作性含めてやはりKissX9の方がやりやすかったりする。

・光学ファインダーで真っ暗な視野でも「なんとか」見える
AXJになると操作画面で「この辺」というのをある程度指定できるようになったので、ファインダーで何も見えなくても構図の調整がなんとかできることもあるのだけど、やはり光学ファインダーで直視すれば、視野内の恒星が何か見えることが多いので、「ここまで移動させれば被写体が中央に…」と、調整できることが多い。やはり今のレベルでは、光学ファインダーはまだ偉大だ。SONYのαとか買えばまた違ってくるかもしれない。

・リモートレリーズが使いやすい
リモコンはロワジャパンのヤツを小型化して使っているのだが、Canonのジャック式のは、穴位置さえ分かれば、向きとかを気にせずぶっさせばよいので、現地での操作性が結構良い。OLYMPUSなんかだとMINI-HDMIと間違えて一生懸命刺そうとしてたこともあった…

・バリアングル液晶が便利
 これはもう言うまでも無いだろう。X-T1だと上下しか変更できないので、ある程度までしか対応できなかったので、撮影後の被写体確認がすごく便利になった。

後は、赤外での性能だが、これは正直良く分かっていなかったりする。そもそもの撮影手法がTNKでフィルターワークなんかもあまり使ってこなかったので、特性が大きく変わるような撮影手法まで確認できていなかったのだ。


デュアルナローバンドフィルターだと青い色がほとんど出なくなってしまうので、M20辺りの出方がやや悪いが、光害地のアクロマートでのお手軽撮影ということを考えれば十分

M16もごらんのとおり、しっかり周辺部の淡いところまで描写できている。フィルター越しなので、赤外が捉えられてなければここまでしっかり描写はなかなかできない。

但し、当然改造カメラなので、そこはばっちり行えている。効果がはっきりわかるのは、フィルターを通して撮影した時だろう。やはりドナルド君+ロードスターでの撮影だ。リンク先で撮影した時はNikonD600改で行ったが、今回はもう少し手軽なKiSSX9だ。季節は夏の星座になっていたが、しっかり撮影できていた。ロードスター(NB-1)+赤外改造カメラの威力は絶大だ。以後、KissX9はメインの撮影機材となった。
なお、この辺のフィルターでの撮影結果は、ブログでもこの辺この辺で紹介している。



撮影地で2台、3台体制を進めていくと、赤外カメラも2台目が欲しくなってしまった。しかし都合の良い時にHKIRカメラがあるとは限らない…
 
●2台目も欲しくなるHKIRカメラKissX9i

時は流れて2020年10月。2020年4月に購入したKissX9HKIRだが、とにかく天文用メインカメラとして大いに役立ってくれている。使い始めれば、もうこのカメラが無い状況には戻れない。後は、赤いヤツや、分子雲みたいなモヤモヤをどうやって撮影・加工していくか、という話だ。

しかし、面白がって色々撮影していたら、次なる問題が発生し始めた。もっと欲しくなるのである(^^;

普段がっつり撮影するときは、ギガントにKissX9を使う。そして、サブでまる子プロミナー五郎か、光圀さんを乗せる。更に余裕があれば、ポタ赤に星野撮影のカメラを乗せたくなる。ここ1年ぐらいは3台まで出せる余裕はあまり無くて、基本のギガントを展開したら、後はポタ赤を出すか出さないか、というレベルだったのだが、だいぶ慣れてきたので時々3台体勢を組めるようになってた。

そうすると、カメラが足りない。いや、実際にはギガントのKissX9、プロミナーのX-T1、そして星野はE-M5IIで組めば、なんとかならないことはないのだが、問題は最後の3台目にE-M5IIを使うと、赤いのがあんまし写らないということだ。夏場なら天の川をバシバシ撮影してごまかすことも可能なのだが、冬場だとオリオンとかぎょしゃを撮影しても、赤い色が出ないと今一つ面白くない。それならまだX-T1で星野を撮影した方が面白い。そうなるとプロミナーはどうする…?となるわけだ。

むむ、やはりここは赤外改造カメラをもう一台増やすしかあるまい。KissX9がここまで使い勝手が良いので、同じものをもう一台確保するのが良いだろう。時期的にはKissX10が最新機種なのだが、改造機はまだ出てないみたいなので、同じもので良いだろう。が、普段でもKissX9の改造機(HKIR)はなかなか出てこない

さて、どうしよう、と悩んでいた年末に、ついに出てきた。しかし、何か違う。前回は新品のKissX9改造機だったが、今回は中古のKissX9[i]の改造機だ。i付きだ。以前もこのKissX9iの改造機が出ていたことがあったので少し調べていたのだが、撮像素子やバッテリー等は共通で、「違いはAFポイント数と連写機能ぐらい」という話を見ていたので、新品ではなく中古で、結果として値段が同じなら、「使い勝手も同じだろう。ええい、X9が次にいつ出てくるかわからないんだから、ポチってしまええ!」と、購入。

手順は前回と同じなので購入手順に迷いはない。そして、やってきた2台目のHKIRカメラ。同じ「KissX9」で、[i]があるかどうかだから、同じように使えるだろう、と思ってたんだが…甘かったorz…

外観を比べてみると、違いはモードダイヤルが出っ張ってるかどうか、ぐらいのイメージがあるのだが、使ってみると意外と違いがあって戸惑ってしまった。

操作性が圧倒的に良くなっている点もある。まずSDカードだが、グリップ部分に独立してスロットが付くようになった。これは普通に便利だ。次にメインスイッチ。KissX9の時は独立した平べったいスイッチで、結構力を入れて動かさなければならないので使いにくかったが、これがモードダイヤルに沿って大きめのレバーになったので力を入れなくても簡単に操作できるようになった。これは良い。


左がKissX9i。SDカードの位置や電源が異なる他、背面のボタンが増えて、操作性が…良くなってるというよりは、迷いやすくなっている(涙
しかし、戸惑うところもある。特に背面のボタンだ。グリップ部分が少し大きくなっていて、背面にボタンが多く配置されている。KissX9だと「AV/+-」ボタンしかなかったところに、「AV/+-」「Q」「WiFi」ボタンが配置されている。これが暗闇だと良く分からなくて操作をミスることがあったりする。そもそも撮影中はほとんど使わない(だろう)「WiFi」ボタンがここにある必要性はあるのか?(KissX9は左肩にある)。

他にも、シャッター後ろのボタンが2つから3つに増えて、フォーカスセレクトボタンが増えてる。この辺はEOS80Dに近いと言えばそうだが、真っ暗闇でISOを変更しようとして、押し間違いが増えてしまうのでちょっと困った。この辺は慣れろと言えばそうなのだが、そもそも天文専用カメラなので、それほどしょっちゅう触らないし、暗闇で操作することも多いので、なかなか覚えられないのだ。

まぁ、ボタンが多いのは致命的ではないし、その他の画質(撮像素子)やバッテリーは共通なので、便利に使えるところも多い。買って「しまった」ということは無いが、こと操作性だけは戸惑うことは必須だったりする。ちきしょー(^_^;。

あと、一つだけ気になることがある。ミラーアップでの撮影だ。KissX9だと、ミラーアップでセルフタイマー撮影をすれば、シャッターONの時は「チッ」というごく小さい音でシャッターが切れて、振動無さそうだな、という感じなのだが、同じように設定してもKissX9iだと「チャッ」という感じで、あれ?今ミラー動いた?というような少し大きめの音がするのだ。今のところ大きな問題は無いと思っているが、振動が少し気になる。この辺も含めて、実はKissX9とX9i、意外と違いが大きいのかもしれない。画質に関しては直接的な比較はしていないが、どこかで比較はしてみたいと思っている。

いずれにせよ、これで赤外カメラ2台体制が可能になった。バッテリーは普通に個別に入れているので電池切れの云々というのは同じように起きるのだが、なにしろこれまでは、「カメラ3種類」「レリーズケーブルも3種類」、「予備電池も3種類」…と、色々装備が複雑になりがちだった。少なくとも電池は共通のLP-E17バッテリーでいいので、あまり考えなくて良くなった。番号付けとかないと使ったのかどうかわからなくなりそうで困ると言えばそうだが(^^;;

予備バッテリーは、純正を買うとどうしても割高なので、安全性の問題とか寿命とかいろいろあるよな、と思いながらも互換バッテリーを使っている。だってむっちゃ安いんだもん。互換バッテリーにも色々あって、実はこのX9iを購入した時に、HOMESUITというメーカーから2本セットを買った(amazon)だが、1〜2回使っただけで電池が膨れてしまい、まともに挿入できなくなってしまった。販売業者に連絡を取ったところ、しばらくして全く同じものが送られてきた(不良品の回収はされない…)。

再送付してもらった電池を使おうかな、とは思っているのだが、実はその前に「こりゃ、アカンやろ」と思って互換バッテリーの実績がある(結局互換かい)ロワジャパンで購入してしまっていた。これで互換バッテリーばっかり大量にある(たいて2個セットで、X9の時も買ってたので、合計6個、純正合わせると合計8個…)ので、当面出番は出てこないかもしれない。ちなみに、問題となったHOMESUITの電池の「評判」では、「電池が膨れて使えなくなった」旨のコメントが数件あった。更に、今確認してみると、このLP-E17互換のは品揃えから消滅していた(やはり問題があったのだろう)。互換を買う場合は、評判を良くチェックしておいた方がよさそうだ…。




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