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1100m高原寒風山の秋の天の川
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 小学生の頃から慣れ親しんできた天体観測だが、その頃から、「これは一生の趣味になるだろうな」という気はしていた。紆余曲折を経て、未だにあれやこれやと思い悩む天体写真、その顛末を記録してみました。「曇天」なのは、晴れればこのページを書いている暇が無い訳で、曇って星が見えない日に書いているからなんです。トラブルも多数…

買ってしまったEM200B
この写真では三脚がまだ無く、GPD用の三脚に無理矢理チョコンと載せてあるだけ。が、買ってしまったEM200B。なんとか使えるようになるのはもう少し先の話である…

2013年9月7日 ついに大物、EM姫招集(EM-200)


 時期は2013年5月後半。まだ梅雨入りする前の話だ。梅雨入りしてしまうと、毎年のように感染してしまうあの恐ろしい病気、ポチリヌス菌による「ポチッ」と購入ボタンを押してしまう事態が起きてしまいそうなのだが、今年はもっとすごい事態になってしまった。

 この時期は、たまたま出張が多かったのだが、実は出張まぎわに、いつも星関係でいろいろお世話になっているふにゃ太郎さんから、「EM200がUTNに出てるよ〜」という連絡をもらっていた。う、また出たか、というのが正直なところだ。

このEM200、天体写真をしている皆さんにとっては移動用赤道儀としてほとんど鉄板的存在。精度や使いやすさから、かなりの人気を博しているタカハシの赤道儀だ。TNKが主体の(というか、それしかしていない)私でも、ジーナさんでもそれなりに出てしまうぴリオディックモーションからは逃れられず、2分露出とかしてしまうと撮影位置にも寄る、打率はがた落ちになってしまう。

「それなら、EM200だと結構行けるかもよ。貸してあげるから使ってみれば?」

と、親切な助言、いや、悪魔のささやきをしてくれたのがふにゃ太郎さんだ。この春先に実際に借りてみる機会があり、一晩だけテスト撮影をしたのだが、これがまたすごい結果になった。R200SSをセットしてテストしたのだが、普通に赤道付近を撮影しても、2分露出で打率が7-8割も出るのだ。今までスーパーポラリスやGPDでやってきたTNK撮影(打率2割〜6割)に比べると、もう雲泥の差。こっこっっ、これはさすがだ…

ちなみに、そのときの様子はこちら

これまでの赤道儀だと、こんな感じ

…と考えはするものの、EM200を使うには3つのハードルがある。一つはもちろん手に入れなければならないので、購入せねばならんのだが、もし新品を買おうものなら、三脚込みで50万円オーバーの出費となってしまう。少なくとも今の私にはそれはムリ。その辺を見ていると、ビクセンの精度アップできそうなSXP赤道儀(30万円オーバー)安く見えてしまうから不思議だ。

 もう一つはその重量。赤道儀単体で16kgぐらいあるらしい。これはかなり重い。ジーナさんの7kg程でも根を上げそうになっているのに、その倍以上の重量を車に積んだりおろしたりは相当に苦労しそうだ。実際、ふにゃ太郎さんに借りてテストしたときは相当に苦労した。

 更に3つ目。電源の問題だ。EM200の基本的な電源はDC12V。電流をどれぐらい食うかは不明なのでなんともいえないが、今使っているエネループの10V程度ではかなりムリがありそうだ。ふにゃ太郎さんに借りたときは、自動車用のバッテリーも同時に借りたのだが、これがまた10kgぐらいありそうなので、そんなのを荷物として車に出したり下ろしたり相当こたえる…当然バッテリーの購入も必要だしその充電器も必要になる。

 てなわけで、自分がEM200を導入することは無いだろうと思っていた。そこに、先の話=>である。中古であれば新品に比べれば相当に安く手に入る。(この辺で既に感覚がマヒし始めている…)しかし、このEM200は人気も高いので、中古が市場に出ても簡単には入手できない(すぐに売れてしまう)という問題があった。

 しかし、出張前に連絡のあったその中古のEM200(正確には、EM200B)。出張先でたまたま確認してみると、まだ買い手が付いてなさそうな気配だった。まぁ、もう既に交渉中だろうな、と思いながらも、念のため連絡を取ってみたのだ。

 そうしたところ、実はまだ売れていなかったらしく、どんどん話が進む。これはモノがEM200Bと古く、自動導入装置が付いていなかったというのも関係しているとは思うが、運も左右したのだろう。価格的には安いとはいえなかったが、高いわけでもなく、比較的リーズナブルな値段で、本体で15万円。+1万円で電源(3kgほどのシールドバッテリー、SG-1100)とバランスウェイト(6kg)も付属してもらった。もし新品単体で買えば2倍ほどかかる値段だ(要するに中古で半値)、赤道儀も含めてかなりの美品状態だったので、価格なりの、いや、価格以上の価値はあるのではないかと思われた。

ということで、あれよあれよと決まってしまったEM200導入。しかし、交渉してたり色々確認してたりする間に世間はしっかり梅雨入りしてしまった。実力を確認できるのは梅雨明け、きちんと使えるようになるのはもっと後になる…。



三脚に収まったEM200
実はこの写真ではまだ未完成で、ネジがきちんと適合していないのだが、実際にはこんな感じで使えるようになった。実戦投入できたのは、もう秋になってからだったEM200B。

2014年1月12日 EM姫の足を確保せよ(EM-200)


 すっきり更新をサボっている間に年が明けてしまったが、状況としての時は2013年の梅雨入り前。ものの勢いで買ってしまったEM200。さすがに新品ほど(50万円コース)の値段はしないが、モノがモノだけにそれなりの値段はした。ここ最近でカメラ以外にこんな高いものを買ったのは、いや、カメラを含めてこんな高いものを買ったのは久しぶりではないかと思う。…実はこの後、お盆の時期に結構なものを買ってしまうのだが…(^^;

 しかぁし、実は購入したのは赤道儀本体のみ。これを使うためには三脚が必要になるし、主力筒であるR200SSを接続するためには、ヘッド部分にアリ溝アダプターも必要になる。アリ溝アダプターは、プレートホルダーSXというビクセン純正品が4千円ちょいで売られているのでそれを買うとして、(実際にはAmazonで3800円だった)問題はやはり三脚だ。普通にタカハシの純正品を買うと、新品で8万円もしてしまう。更に、中古品もそうそう市場には出てこない。気をつけないといけないのは三脚の長いの(屈折望遠鏡用)を買ってしまうと、R200SSを操作する際にファインダーが覗けなくなって苦労してしまう。前回ふにゃ太郎さんに借りたときがまさにそういう状態だった。

 では三脚をどうするか、困ったときのWeb頼みということで色々検索してみると、皆さん色々工夫されている。まず第一に候補に上ったのが、ビクセンのHAL130三脚を使う方法だ。このビクセンのHAL三脚は今使っているジーナさん(GPD)の三脚とよく似ているが、更に少し補強されたような形だ。重量も5.5kgとそれなりにあるが、比較的しっかりしている上、価格も3万円前後と安い。追加投資としては少々痛いが、これなら使い勝手も含めていいだろうと思う。

 しかし、そのままではHAL130三脚はタカハシのEM200を乗せることはできない。そもそも付属のネジも10mm(タカハシのはインチ規格の1/2インチ。これはISOで言うと12mm相当になるが、実際にはピッチも違うし径も少し大きい)なので、普通に考えるとネジ穴を広げて固定しなくてはならない。しかもベースの穴の大きさもタカハシは30mmなのでアダプターを何かかました方が良い。

 色々考えれば、専用のアダプターを作ったほうが良い。そこで調べてみると、以前パラコアの接続リングでお世話になったコスモ工房さん(…あれ?そーいやパラコアの紹介はしてないな…)で、この三脚アダプターを作ってるとの事だった。モノがものだけに受注生産で、価格も1万円以上するが、これを使えばベースの径も合わせられるし、ネジ穴の加工も不要という。どういう仕組みになっているのかは分からないが、とにかくコレを注文し、HAL130三脚はまた別途購入ということにした。

コスモ工房さんの三脚アダプター
コスモ工房さんの三脚アダプター。中央の穴にタカハシの赤道儀が丁度ハマる。右側のが赤道儀の固定ネジで、そのままではビクセンのネジ穴に入らないが、取っ手の部分からネジが外れるようになっていて、細い首の部分をネジ穴に通した上で再度取っ手を固定できるようになっている。左側の四角いネジはは方位微調整用のピン。
 HAL130三脚購入を後回しにしたのは、一つ考えがあったからだ。このHAL130三脚の規格と同じと思われる三脚を、私は一つ持っていたのだ。そう、他ならぬドナルド君だ。このPOLTAの三脚が、実はビクセンの規格。しかも北極用のピンが立っていない(チェックしてみるとネジ穴はある)ので、コスモ工房のアダプターがそのまま付く可能性が高い。それならとりあえずこの三脚が使える可能性があるのだ。実際にはアルミ三脚の構造が弱いので強度的に無理があると思われるが、ベース部だけ利用して足そのものを自作で木製の少し太めのものに変えてしまえば使えるかも、と思ったのだ。

 到着したコスモ工房のアダプターを見てみると、予想通り接続は可能。狭い接続穴をどうやってかわしているのかな、と思ったら、接続用の専用ネジの取っ手が外れる構造になっていて、いったん外して細い首を通した上で再度ネジ止めするようになっている。この取り付けネジの構造が若干複雑になっているが、その分色々融通が利くわけだ。なるほどー。

 で、これならHAL130三脚を当面買わなくともテストができると思っていたのだが、思わぬ三脚が転がり込んできた。今回の僥倖も、R200SSを格安で譲ってくれた「たまご屋さん」だ。いやほんと、持つべきものは友達である。

 実は三脚の件で色々悩んでいて、とりあえずアダプターを発注した後、たまたま、たまご屋さんちに行ける機会があったのだ。そのときに相談してみると「あ、ウチに使っていないEQ6Pro用三脚があるよ、足は伸びないので使いにくいかもしれないけどアレなら丈夫だから、適合するなら使ってみる?」とのことだったのだ。価格は、なんと無償。いや、実際にはおみやげにシュークリーム二個持っていってたから、シュークリーム二個分かな(^^;

 で、本当に適合するのかどうかがまず問題だったので、たまご屋さんちでWebを使って色々確認。もともと、このEQ6Pro赤道儀が「中国版EM200コピー」と揶揄されているだけあって、この三脚ベースの仕様もほとんどEM200と同等であることが判明。ただし、取り付けネジだけはインチ仕様ではなく、φ12mmのISOネジだ。しかも、このネジ、長年の使用の関係かどうかは不明だが、三脚ベースから抜けなくなってしまっていた。

 と、とりあえず借りるね、ということでたまごやさんから借用し(実質、半永久貸与。たまご屋さん曰く、「適合しなくても返品は受け付けません」…)、EM200を乗せてみた。まず問題になったのはベースの穴。ここを測定してみると0.1mmほど細く、EM200がそのまま入らない。どうもその辺は塗装厚み程度であったようなので、サンドペーパーでしこしこ。なんとか普通に挿入できるようになった。

 もう一つ問題なのは取り付けネジ。これはさすがに1/2インチのちゃんとしたものを用意しなければならない。しかし、そもそも元の12mmネジが外れなくなってしまっているのだ。少し首が細くなっている部分からサンドペーパーを入れて、これまたしこしこ削ること3日。なんとかネジそのものを外すことに成功。しかし、ここの穴を拡張して1/2インチのネジが入るようにしても、この三脚は三角板を使って三脚の開き止め(実質しまり止め)をする構造で、そのネジは赤道儀の固定ネジを兼ねる形になっている。この長さ300mm程度のネジと、三角板が固定できるネジ(ナットなど)が必要になるのだ。普通のインチネジさえ扱っていない地元のDIYショップでは少々探してもムリがある…(後々、よく探してみると扱っていることが判明。もう遅いが…)

 しかし、ここまで来て使えないのは悔しい。なんとかしたいのでこれまたWebで調べてみると、ネジクルというサイトで結構バラ買いできるできることが判明。ここは普通会社で利用するのが前提のようだが、個人でも利用可能。ユーザー登録が必要とか、バラ買いできるものとできないものがあったり、数の制限や結構割高になるものもあるが、必要なネジ類を一通り揃えようと思ったらここしかなさそうだったので、一通り注文。ネジそのものはできれば手回しできるようにしたかったので、吊ボルトと高ナットで代用した。本当は吊ナットがあればよかったのだが、それはバラ売り対応で無かったのが残念。他のボルトナット類も、普通のユニクロでは価格が安くてばら売りに対応していないものが多く、結局オールステンレス製となった。送料込みで三千円ちょい。なかなかのお値段である。
三脚の先端部
EQ6ステンレス三脚の先端部。この右側の部分が伸縮部になっているが、内部で変形しているのでうまく出てくれない。なので、内筒含めてこの白い部分を丸ごととっぱらってしまった。

 ネジが到着するまでに、その運搬方法なんかも考えてみた。そもそもこの三脚、円筒のステンレス製で伸縮式になっているので筒が二重になっていて、それなりの重さがある。丈夫な赤道儀を乗せるのには、重さは正義になるのだろうけど、こちらはそうも言ってられない。そもそも少し前までメインで使っていたSP赤道儀なんか、三脚込みで合計7kg程度しかなかったのだから、三脚だけで7kg(実質8kg近く)あると、車に持ち込むだけで相当に大変になる。しかも、長年の使用状況で内部の筒が少し変形しているらしく、伸び縮みは実質できなくなってしまっていた。

 それなりに悩んだのだが、伸び縮みできないのであればその機構ごと、内側の筒を取っ払ってしまえば軽くなるのではないかと踏んだ。外筒もステンレス製なのでそれなりに丈夫で、よほど無理な力を加えない限りは問題なさそうだった。しかも、一度EM200を乗せてみて気が付いたのだが、この三脚、反射にも屈折にも使えるようにしてあるのか、それなりの高さがある。EM200+R200SSで使うには一番低い状態でもちょいと高いのだ。伸縮機構を外すことで、少しでも低くなるのであれば、軽くなるのと合わせて一石二鳥である。

 が、外すにしてもそう簡単にはいかず、固定ねじの付いている外側のキャップのような部分を外すことで2本までは比較的簡単に外れたのだが、3本目は少し変形が強いらしく、そのキャップの様な部分を外すのに相当四苦八苦してしまった。いや、いい運動になりました…
たたんで持ち運ぶ時はこんな感じ
先端部を外して、三脚を畳んで持ち運ぶ際はこんな感じ。足の先端部は少し滑りそうなのと、ステン同士が当たって音を立てるので、今は2本に靴下を履かせてたりする

 結果、外した部分は3kgほど。残った三脚の重量は5kgを少し切るぐらいになった。まぁこれなら許容範囲である。そもそも購入しようとしていたHAL130三脚も5kgぐらいあるはずだから、伸縮機構がなくなっただけのようなものだ。

 元々の構造がそうなのだが、運搬するには、三脚を畳んだ状態での固定機構が無いので、一本だけ持つと残りの2本がだらりと下がってしまう。そのままでは横にして持ったり片手で持ったりするのにも無理がある。そこで、DIYで買ってきた9mmの金剛編みのロープを使い、上と下とで輪を作って持てるようにしてみた。これなら、やろうと思えば肩から下げることもできる。実はジーナさんの三脚にも似たような機構を付けているのだが、そちらの方はもっとしっかりつけることができた。こちらは全体的にひっかける場所がないので苦労してしまう。

 実際にこの状態で使ってみても、あまり違和感は無い。ただ、元々三脚の伸縮機構が動かなかったこともあり、水平出しにはちょいと問題(というか、できない)。EM200の場合、水平だしの必要は無いとは言うものの、少し坂道になった場所に設置するときもあるので、何らかの水平調整機構を準備してやりたいとは思っている。

 なお、この三脚、もらったときのいきさつで、シュークリーム三脚と言われているとか、いないとか…、



専用デイバッグに収まったEM200
そのままでは取っ手も無いため、持ち運びには非常に苦労するEM200。専用のケースを奢るほど余裕は無いので、工夫して大型リュックに収めてみた。

2014年5月3日 EM姫の個室とその性能(EM-200)


 なんとか三脚も確保し、実際にEM姫こと、EM-200を使ってみた。しかし、やっぱり問題になったのはその運搬方法。本体だけで16.5kgほどあり、そのまま運搬するには取っ手などもないのでとにかく運びにくいのだ。このへんはかわうさんもAXD赤道儀を運ぶときに相当苦労されてるという話もあるように、日本の赤道儀はとにかく取っ手が無い。後付けでもいいから赤道儀やバランスウェイトに取っ手を付けられるようにすればかなり売れるんじゃ無いかと思うのは、私だけだろうか。

 とにかく、このままでは車までに運ぶのに苦労するし、この赤道儀だけを運ぶだけで出撃の車まで一往復するのにはあまりにも効率が悪いジーナさんの時にはリュックを一つ新調してその中に収まってもらって、両手を空けることで更にほかの荷物も持ち運ぶことができた。少々重量はかさむが、同じことができれば、とも思ったものの、実は同じレベルの1000円クラスのリュックでは、容量が小さすぎてEM姫が入らないことが判明した。20Lクラスのバックパックではだめなのだ。

 が、幸運は訪れる。普段行くDIYのお店のリュックコーナーで、ある日特大のリュックが同じように980円で売られているのを発見した。しかも何故か一つだけだ。大きさ的には40Lクラスだろうか。だいたい倍ぐらい入りそうな気配。これならEM200が入るはず、ということで早速購入。大きさ的には問題なかった。ただ、底板等が全くないため、そのままでは安定しないし、底が抜けてしまいそうだ。

こうしてしまえばすっきり運搬
重量が17kgほどあるため、背負うにしてもかなり重量級だが、それでも背負うことで重量がかなり分散して他の物も持てるようになる。出し入れが少し面倒なのが難点。
 そこでジーナさんと同じように、行ってきました100円均一アストロパーツショップダイソー。そこで何故か黄色い大きめのコンテナを買ってきて、これに2x4用の木材をねじ止め。左右に倒れるのを防止した上で、同じく100円均一で買ってきたクッションシート(緑色)を挿入。これでEM姫を入れるのだが、悩んだのはその向き。コンパクトな形で入れて、出し入れしやすい状態だと、結局極軸望遠鏡の部分を下向きにするのがいいという結論になった。本体が重いのでどのみち出し入れには相当苦労するのだが、まぁなんとかなる範囲だろうとなった。

 このまま立てて置いておくのは極軸望遠鏡の部分にかかる力があるので、カバーがしっかりしているとは言え少し不安になる。なので、車に積んだ後や普段の保管ではリュックごと寝かして保管している。もうすこししっかり保管してやりたい気もするが、たぶん今後もこのままだろう…運搬方法はまだ考えるかなぁ、でも、運搬方法としてはこの背負うのがベストの方法で、かつかなり重いので、両手が空いても同時に持てるモノは結構制限されたりする。R200SSの筒一本がせいぜいかな。

 さて、EM姫の性能そのものは、折り紙付きではあったが、実際に使ってみるとその安定度はやはり便利そのものだ。撮影スタイルがTNKということもあり、基本性能、すなわちピリオディックモーションの少なさが直接歩留まりに効いてくる。そもそもこのEM姫を導入する前に府にゃ太郎さんに一時的に借りてその性能は確認しているのだが、今回導入した機体が同じ性能を発揮してくれるかどうかは確認してみなければ…


苦手だった星雲もくっきり
今まで赤道付近の星雲・星団はかなり苦手で、どうしてもガイドズレが目立つことが多かったのだが、EM200のガイド性能だと、ノータッチでもかなりうまく行く。オートガイド無しで本格的な写真が…撮れる?


 ということで、導入できたのが2013年6月の梅雨時期で、それ以後になかなか活躍する時期がなかったEM姫だが、何度か使っているうちに、とにかく安定しているということが分かってきた。きちんと極軸さえ合わせることができれば、TNKの1〜2分の露出であれば、歩留まりが8割以上行きそうなのだ。さすがに100%になることはなさそうだが、悪くても6割、調子が良ければ100%の歩留まりを見せる。極軸が思っていたよりずれやすいので、きちんと調整&確認が必要なのが難点(これは三脚など他の影響も大きいか)これなら多少焦点距離が伸びるパラコアを使っても十分な撮影ができる。いいぞぉ。




軽くて便利なリチウムイオン電池
12V,19Vも供給できる便利なリチウムイオン電池。手前のケーブルの束は極性変更&延長用

2014年5月6日 お星様専用バッテリー?21,000mAH Portable Charger


 EM姫(EM-200B)を手に入れたのはいいが、やはりしっかりした赤道儀だけあって、電源もそれなりのものを用意しなければいけないと考えていた。実際にはモータードライブを動かすだけであれば、今までのエネループ8本でも結構行けるというが分かったのだが、それでも基本はDV12Vが必要ということなので、少し考えてみた。

 元々赤道儀を中古で入手した際に、バッテリーも格安で譲ってもらっていた。ただ、これも鉛シールドバッテリー、モノはSG-1100。通常の車の鉛バッテリーよりは小型で軽いとは言え、重量は3kg以上ある。

 普段赤道儀や望遠鏡を車に乗せるためには、保管場所から運ばなければならない。ビクセンの赤道儀であれば普段エネループ8本で運用していたことを考えると、この移動が結構な負担だったりする。そもそも赤道儀もかなり重たくなっているので、できるならこうしたバッテリーは可能な限り軽いものを使いたいと思っていた。

 天文系ではあまり皆さん使われていないのだが、ここは最近色々モノが出てきて便利そうなリチウムイオン電池を探してみた。ただ、大抵のモバイルバッテリーは、2000〜5000mAhで、USBでの供給なので、5Vしか供給されない。

 それでも、最近はPCにも電源供給できるように電圧が選べて、かつ容量も大きいものがいくつか出てきている。これを利用しない手はない。今回白羽の矢を立てたのは、amazonで21000mAHと高容量で、かつ電圧も8.8V〜24Vまで供給できる「ポータブルチャージャー」だ。(リンク先はamazon)

 重さはわずか600gで、かつ薄型ということで、これなら望遠鏡と一緒に持って行ってもさほどかさばらないし重さも負担にならない。しかも、価格も1万円以下とお得。メイドインチャイナで品質上は少し心配もあるが、まぁ不良品に当たらない限りはなんとかなるだろう(^^;

 ただ、問題なのはやはり極性。EM姫もジーナさんも、電源はプラスアースだったりする。なので、マイナスアースのこのバッテリーから引くときは専用のコネクタかコードを自作して極性を逆にしなければならない。それはそれでたいした手間では無いが、できれば本体からの接続を1本のケーブルで済ませたい。だが、この本体側のコネクタが少し特殊で、通常売られているピンプラグでは適応する物が無い。まぁ、これは電源供給側と誤接続しないようになっているのだと思うが、正直ちょっとわずらわしい。

 実際に使ってみると、やはり軽くてコンパクトなのはいい。最初の内は思っていたよりも容量が無いのか、一晩どころか3−4時間も持たない気配がしていたのだが、数回使っていると、なんだか容量が増したような気がする。いわゆるエージングが必要だったのかもしれない。4本の目盛りで残量が表示できるのだが、通常の使用では2本以下になったことがなかったりする。とりあえずEM姫だけで使うには十分な容量だと思っている。

…というか、もしかして、EM-200Bって、消費電力かなり少ないのか?

 また、電源電圧として19Vが使えるので、PC系の電源としても使うことができる。実は一番使っているのはモバイルプロジェクターの電源としてだったりする。元々このプロジェクターはASUSのノートPCとACアダプタが共用できるように、電圧19Vになっているのだが、これをこのモバイルバッテリーで動かすことができるわけだ。

 バッテリー駆動のノートPCと併用すれば、完全電源レスなプロジェクターシステムが組めるわけだ。これはこれで便利だったりする。なお、容量が21,000mAHと大きいこともあり、充電は専用ACアダプターが必要だ。それはいいのだが、このACアダプター、コンセント部分が折れてくれないので結構かさばる。安いだけに「もう一工夫」が欲しいこともあるが、とにかく軽くて大容量なのはいい。今後も大活躍しそうである。



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