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周辺機器 こだわりの一品


まだ底は見えぬ、レンズ沼

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 2014年は年初(3月)に大きなレンズ(プロミナー)を導入してしまったので、新しいカメラやレンズの導入は少し控えておこうと思ったのだが…年末に向けて怒濤の導入が待っていた…

思っていたよりもずっと便利な高倍率ズーム
実は中古で非常に安く譲ってもらったのだが、想像以上に使い勝手が良いことが判明。やっぱり高倍率ズームは一本持っておくべきですな
 
●初めての高倍率●
LUMIX G VARIO HD14-140mmF4.0-5.8ASPH MEGA O.I.S.
 2014年10月、新しいレンズの導入が決定した。今まで「高倍率ズームって便利だよなぁ、ひとつ欲しいよなぁ」と思いつつも、その画質や値段や使用頻度なんかを考えると、ついつい買いそびれてしまっていた。便利なのは分かっているのだが、実際自分の撮影スタイルを考えると、標準域はあまり使わないで、望遠側とか超広角レンズとか、そっちばっかり使っていたりする。なので、超広角側がどうしてもできない高倍率レンズというのはあまり魅力を感じていなかったりしました。

 しかあし。今回はちょっと状況が違っていた。10月にいつものカメラクラブのメンバーの話を聞いていると、メンバーの一人が実はマイクロフォーサーズを持っているということが判明。しかも、今回の高倍率レンズを持っているという。その方はFUJIに逝ってしまったため、マイクロフォーサーズはほぼ使っていないらしい。それなら、ちょっと貸してもらえないだろうか、ということで早速今回のレンズを借用。撮影会で使ってみると、思いの外色々使えると言うことが判明したわけだ。

 レンズはLUMIX G VARIO HD14-140mmF4.0-5.8ASPH MEGA O.I.S.…という長い長い名前だが、これはパナのマイクロフォーサーズの最高級機種、GHシリーズが出たときに一緒に発売された旧型だ。旧型と言っても当時は「世界最高のAF速度」とやらを誇っていたと記憶しているので、機能的にはかなりイケてるもののひとつだ。

 しかし、今となっては新製品に比べるとスペックとしては見劣りするのは確か。なんといっても新製品の名前は「HD」が取れて、LUMIX G VARIO 14-140mm F3.5-5.6ASPH. POWER O.I.S.と、少しだけ名前が短くなっているのだ(^^;。MTFグラフを見ても、新製品の方がちょっぴり良い。EDレンズを2枚に増やしたりしている効果が出ているのだろう。明るさも少し明るくなっているし、なんといっても重さが460gから265gと、200g近く軽くなっているのだ。もし自分で新品を買うとなれば、おそらく新製品の方を買っていたであろう。

持って見るとこんな感じ
E-PL5に付けたら少しデカすぎるかな、とも思ったのだが、操作性も上々で、こんな感じで使えてしまう。太さはさほど気にならないが、もう少し軽ければやはり…

 あまり新製品を見ていると悔しくなるし失礼に当たるので、話を今回手に入れたレンズに戻そう。重さはとにかく、E-PL5に取り付けた時はそのレンズの大きさがあるので、少々迫力のある姿となる。しかし、E-PL5そのものが結構コンパクトなので、思っているほど圧迫感は無いというか、持ち運びは十分許容範囲だろう。

それでいて28mm相当の広角から、280mm相当の望遠までシームレスに撮影できて、かつ50cmまでは寄れるので、拡大撮影も結構行ける。不足する場合はE-PL5のデジタルテレコンX2をかましてやれば、ほとんど不満は無いレベルになる。

 今まではカメラポーチにE-PL5を入れて出かける場合、標準ズームと超広角の7-14mmを入れたら、望遠レンズはフォーサーズの40-150mmを入れたかったのだが、実際にはかなり難しいというか、入りきらないというパターンだった。そもそも3本も4本もレンズを入れても、使い切れない場合の方が多い。それが、この14-140mmを装着しておけば、後は7-14mmを入れてしまえば14mm相当から280mm相当までの20倍分の焦点距離がカバーできてしまうのだ。

 これにデジタルテレコンを入れれば560mm相当だから、40倍分がかせげる。基本的にはここまであればまず不満は無い。後は明るいレンズで背景をボカしたいと言う場合が残るが、その場合は45mmF1.8をポーチの隅っこに入れ込んでやれば、イザという時にでも対応できる。

 で、この高倍率ズーム、結局気に入ってしまったので、その他のレンズ(望遠レンズ)と一緒にまとめて買い取らせてもらってしまった。ずいぶんと安く譲ってもらったので恐縮なのだが、初めての高倍率は、お気に入りの一本になりそうな感じだ。




片手に収まる小型の便利な高倍率ズーム
E-M5IIのキットレンズとして導入したM.ZDの14-150mm高倍率ズーム。長さはあるが、比較的細いので、ご覧の通り手のひらに収まるぐらいのコンパクトさ。これで300mm相当までのズームが可能
 
●「これ一本」の小型版●
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6II

導入は2015年の初夏。OLYMPUSの高機能ミラーレス、E-M5 MarkIIを購入したときに、レンズキットを買ってしまった。昔ならレンズキットはそれほど欲しくないレンズが多かったので意図的に避けていたのだけど、最近のは結構いいレンズが付いていたり、かなりお得な感じがする場合が多いので、つい、レンズキットになってしまうことが多い。ということで、今回のキットレンズはこれ、M.ZD14-150mm F4.0-5.6IIだ。

そもそもこの手の高倍率ズームは画質的にどーなの?と言うのもあるし、暗い場合が多いので積極的に買うことは無かったのだが、先日偶然に手に入れて使ってみたパナのLUMIX 14-140mmが結構使えて、実は相当に便利だったということが判明してしまって、俄然欲しくなってしまった。まぁ、それ以前にも色んな人が使っていた高倍率ズーム(SIGMAやTamRon)のをいいなー、と眺めていたのもある。

で、今回は実はそれほど積極的に選んだわけでは無いのだけど、レンズキットとしてお得だったコレだ。なんせ単体で定価8万円超えというので結構お高いのだが、防塵防滴なので、E-M5IIとセットで使うには相当に便利だったりする。なんと言ってもマイクロフォーサーズならではのコンパクトさだ。

φ63.5mm×83mmと手のひらに…収まらないけどそれに近い大きさで、結構小型だったりする。カメラバッグの隅に、とりあえず持って行く、という事ができる大きさだ。重量も285gとこれまた300gを切って十分に軽い。これで高倍率ズームなのだから使い勝手が良いのは当たり前か。ただ、重量だけで言うと、パナの新型14-140mmF3.5-5.6Aが265gと驚異の軽さを誇っているので、それには少し負けている。ちょっと長くてちょっと重いというところだ。

amazonで見ても、防塵防滴の分?OLYMPUSの方が1万円以上高い。防塵防滴と近接撮影にこだわらなければ、手ぶれ補正もある分パナのを買った方が幸せになれるかもしれないが、今回はレンズキットということで手に入れてしまったのでそこはあまり見なかったコトしておこう。

画質はOLYMPUSのM.ZDレンズならではの形で、解放からスナップ撮影するには全然問題無いレベル。一眼レフデジカメが出だした頃は、1〜2段絞らないと使い物にならないレンズが多かったのだが、今のレンズはだいたい解放から問題無く使える。絞りを絞るのは被写界深度を稼ぐためだ。

デジタルテレコン+トリミングして撮影したスズメ。多分1000mm相当ぐらい。むっちゃ拡大できる。
デジタルテレコン+トリミングして撮影したスズメ。多分1000mm相当ぐらい。むっちゃ拡大できる。

ズーム倍率は10.7倍。28mm相当から300mm相当と、日常の撮影にはまず困らない範囲が写せる。これにデジタルテレコンx2とかにすると、600mm相当の超望遠域までカバーされ、野鳥や夕陽撮影にも十分な画角が得られたりする。ブログなどの解像度を求められない用途であれば、ここから更にトリミングしたりすると、もう1000mm相当とかになったりするわけで、この小さなレンズでこれだけ遊べるというのは、フィルム時代から見ると信じられない世界だったりする…。

最短撮影距離も結構寄れる。0.5mで、150mmだと0.22倍(35mm判換算だと0.44倍と、0.5倍マクロ並みに寄れることになる)。次のレンズを導入するときにフォーサーズシステムを手放すことになるのだが、その時まで使っていた40-150mmF4.0-5.6も結構小型で使い勝手はよかった。しかし、いかんせん0.9mまでしか寄れなかったので色々苦労した。そう考えるとこれだけ寄れるのは画期的だ。更にデジタルテレコンx2をかませば、換算0.88倍になって、ほぼマクロレンズのレベルになる。あとこのレンズで撮影出来ないのは天体写真ぐらいだ(いや、それだってできなくは無い…)。

明るさ以外はほとんど完璧っぽいレンズだが、欠点も無くは無い。一番心配なのはそのフードだ。実はOLYMPUSのプラスチックフードは以前から病気があり、何度も付け外しをしているとプラの粉が溜まってきて、最後のはめ込みが恐ろしく硬くなるのだ。ZD12-60mmなんかは本当に何度も使っていたので、最後はフードのプラスチックのポッチ部分をカッターナイフで少し削って対応していたぐらいだ。このレンズのフードもその硬くなる病気が出始めている気配なので、ちょっと気にしている。自分でできる対策は多くは無いのだが、とりあえずかたづけ時にフードを逆に挿すときはクリックストップまで回さないように注意している。OLYMPUSはどうもこう、フードやキャップは作るのがへたくそな気がする。

どっちにしても使い勝手の非常に良い一本。何かの拍子にパナの14-140mmとかを手に入れたりしない限りは、お気に入りとして常にカメラバッグに入るレンズになるかと思う。


 
●マイクロ移行!まずは標準ズームを●
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
ついに本格的にマイクロフォーサーズに移行を決めて購入した12-40mmF2.8
ついに本格的にマイクロフォーサーズに移行する決意を込めて購入した12-40mmF2.8Pro。これ一本あれば相当に色々、満足できる撮影ができる
2015年10月。主な使用カメラがE-5からE-M5IIに切り替わってきた。それまではOLYMPUSの主力カメラとして使ってきたのがE-5で、一番良く使っていたレンズは12-60mmF2.8-4.0だ。これだとフルサイズ換算24mm-120mm相当となり、通常の使用域はまずこれでカバーできるE-5との組み合わせは、それまではとにかく最強で、AFの速さや使い勝手はかなりいい感じだった。が、2015年夏にE-M5IIを使い始めてからは次第に使用頻度が減ってきていた

広角側はパナの7-14mm、望遠側は高倍率ズームの14-150mmF4.0-5.6でだいたい足りているので、普段はこの2本を使って事足りてしまっていたのだ。この2本+場合によっては45mmF1.8、更に必要に応じてクローズアップレンズを使えば、マクロからボケが必要なシーン、そして超広角から望遠域まで全部事足りてしまうのだ。

しかし、しかあし!である。やはりそれだけでは物足りない。望遠側でAFスピードが欲しい時や、これ1本、で済ませたいときなんかはE-5を持ち出すこともあった。あったんだが…

E-M5IIの使い方を覚えて行くに従って、E-5の持ち出し頻度はどんどん下がってきた。そして、OLYMPUSもPROレンズのラインナップも揃ってきたので、これはもう、入れ替えるしかないかな、という感じになってきた。

E-5E-PL5とかのミラーレスを使っていて一番便利なのが、デジタルテレコンだ。どちらもファンクションキーに2xのデジタルテレコンを割り当てているのだが、あと少し寄りたい、あと少しクローズアップしたい、という時にとにかく便利に使える。ビューファインダーは未だに光学ファインダーの域には達していないとは思うのだが、この2倍テレコンをかけたときに正確に反映できるビューファインダーは便利で、これに慣れてしまうと光学ファインダーで、時々物足りないと感じてしまうこともある。

話が逸れてしまった。とにかく、主力機種をE-M5IIにしてしまうために、PROレンズを揃えることにした。M.ZD12-40mmF2.8PROと、M.ZD40-150mmF2.8 PROだ。特に40-150mmF2.8PROは、欲しくてしょうが無かった150mmF2.0の画質を超えたという話を聞いていたので、それが実売20万円以下の価格で、しかもズームで買えるのだから(買えるかどうかは別として)お得に違いない

ただ、さすがにこのPROレンズ2本をいきなり買うのは無理がある。そこで、恐らくこの2本を買うと使わなくなるであろうE-5と12-120mm、そして50-200mmSWDセットで下取りにしてもらった。これが思いの外高値で売れたので、2本のPROレンズの導入はスムーズに進んだ。

前置きがずいぶんと長くなったが、とにかく手に入れた2本のPROレンズ。特に12-40mmF2.8は想像していたよりもよく使うことになった。

レンズ構成を見ると、9群14枚(非球面EDレンズ1枚,非球面レンズ2枚、DSAレンズ1枚、EDレンズ2枚 HDレンズ1枚 HRレンズ2枚)と、ものすごく贅沢?最近のOLYMPUSはこうした多枚数レンズが多い。コンピューターによるシミュレーションが正確に行われるようになってきたからだろうか。当然のように値段も上がるのだけど…なんせ定価10万円超えだ…。しかし、その分写りは一級品だと思う。

40mmでもF2.8、そして最短撮影距離が…0.2m。20cm!これは撮像素子面からの距離なので、40mmにズームしたときはほとんどレンズとくっつくんじゃ無いかというレベルまで寄れる。なので、最大撮影倍率は、驚異の0.3倍。今も持っているZD50mmF2.0のマクロレンズは、最大撮影倍率が0.5倍なので、ほとんどマクロレンズと言っても過言では無い。持っていて使っていても「寄れるなぁ、まだ寄れる…こんなに寄れるの?」ということが多い。

重量は382gと軽くは無いが、このスペックを考えると必ずしも重くは無い。ボケ量は違うが、フルサイズなら焦点距離24-80mm相当なので、そのスペックのレンズなら1kg前後は覚悟しなければならない。しかもこんなに寄れない。マイクロフォーサーズとしては必ずしも小さいわけでは無いが、E-M5IIとセットなら、十分コンパクト、かつ高性能ななキットになる。

M.ZDなのでAFの後のMFは特に不自由無く使えるのだが、PROレンズなのでフォーカスクラッチが付いている。手前にカチリと引けば、強制的にMFとなるのだ。んが、実はこのクラッチはほとんど使ってなかったりする。普段からMFがシームレスに使える上に、AFの設定はMF+親指AFにしてあるので、あまり使う理由が無いのだ。本当ならパンフォーカスにしたり、色々使えるはずなのだが、それはまたおいおい考えていこう。

E-M5IIとセットで使うことで、ついにOLYMPUSでもここまで天の川を描写できるようになった。これはこれで感無量だったりする。
E-M5IIとセットで使うことで、ついにOLYMPUSでもここまで天の川を描写できるようになった。これはこれで感無量だったりする。
使い始めはこの40mmまでという中途半端な?ズームに、あまり使えないかも、と思ってたのだが、F2.8という明るさと、場合によってはデジタルテレコンをうまく使うことで、思いの外便利に万能レンズとして使っている。

難点としては、先のように長い側の焦点距離がもうちょっと欲しい所だが、これは性能との兼ね合いなのでまぁいいだろう。むしろフードとキャップの造りが問題だったりする。どちらもスプリング内蔵のレバーが付いている高級感あふれるものなのだが、接着がちょいと弱い。どちらも一度はフタに相当する部分が外れてしまい、結局接着剤でくっつけてなんとかしのいでいる。高級感を感じさせる造りにしているのはいいのだが、耐久性が無いのはどーなのよ。OLYMPUSはどうもこのフードやキャップの造りが弱い気がする。

画質については今のところ不満無し。天体写真を撮影しても、周辺部の無理を言わない限り解放から十分な描写を確保してくれる。さすがのPROレンズ、できれば永く使ってやりたい。


 
●マイクロ移行!望遠もPROレンズで●
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO + MC-14
望遠レンズもPROレンズ。テレコンと合わせるとむちゃくちゃ使える
望遠レンズもPROレンズ。テレコンも合わせるとかなり使いでのあるレンズになる。フードの造りは相変わらずあまり良くない…

PROレンズで揃えるために、12-40mmF2.8PROと同時に望遠レンズのテレコンキットを導入した。しかあし、さすがにこのレンズ、ZD150mmF2.0(定価30万円以上!)を超える画質というだけあり、値段もそれなりにする…。定価208,000円!税込みで22万円超えとなる。まあ、実際には値引きもあるので購入時の価格は161千円。これに更にE-5やZD12-60mm,50-200mmSWDのレンズをそれぞれ下取りにしたことで、なんとか買えるレベルまで下げることができた。E-5はまだまだ使えるカメラだったが、いつまでも持ってても使用頻度がぐぐっと下がってしまうのは目に見えていたし、このPROレンズを2本買うことで12-60+50-200mmのSWDコンビの代わりになる可能性が高いというのもあった。動きモノには弱いが、既に子供の運動会を撮影する年齢では無くなったというのもある。

レンズ構成を見てみると、枚数は10群16枚と、大きさの割にはさほどでもない気がする。望遠レンズなのでこんなもんだ。大事なのはレンズそのものの質だ。EDレンズは2枚、その上の性能のEDAレンズが1枚。よく分からないスーパーEDレンズが1枚、そしてHDレンズが1枚、非球面レンズも1枚使っていて、かなり贅沢な造りにはなっているようだ。

最短撮影距離は0.7mと極端に近くは無い。しかし、300mm相当のレンズと考えると十分に近い。以前使っていたZD40-150mmの小型ズームの最短距離が0.9mだったので色々困ったことが多かったが、今回の0.7mは「意外と寄れる」というイメージだ。しかしこうして比べてみるとMZD14-150mmの50cmには及ばない。

重さは760g。三脚座含むと880gとなる重量級だが、1kgは越えてないので、十分に持って歩けるレンズになっている。ただE-M5IIと比べると圧倒的にレンズが大きいので、その大きさが目立つのは仕方が無い。

フードが内蔵式っぽい形だが、一応付け外しはできる。少しひねってロックを外せば、直進させてフードの出し入れができる形になっている。いちいち付けたり外したりしなくていいので便利と言えば便利だ。んが、このスライドがバッグに出し入れするときに勝手に伸びるのが困る。以前のZD50-200mmのフードがあまりにもバカでかくて使わなくなった事を考えると、十分小型だし使いやすいのはいいのだが、さすがに取り外し可能な形にしてあるので、強度的にはちょっと弱そうな構造になっている。レンズを取り出そうとすると、そのまんまにゅーっと伸びてしまうことがある。使うときはまだいいのだが、片付けるときにバックから少し出し入れしたりすると、また伸びてしまって「あーもう!」となることも…。そんなに頻繁に出し入れしないので、もうちょっと固い仕様にしてもらってもいい気がする。

肝心の描写だが、これはさすがにピカイチ。そもそもZD150mmF2.0の画質を超えた?という話だったので期待はしていたのだが、それはもう全然不満が無い。実は思ったほど画質を比較できるほどの使い方をできていないのが正直なところだ。とにかく、トリミングしても何の問題も無いレベルに驚愕するが、実は最近のレンズやカメラだとこの辺が当たり前になりつつあるようだ。

PROレンズなので、フォーカスクラッチも付いている。普段は使うことも無いのだが、E-M5IIだと近距離のピンがなかなか来ないこともあり、近くにセットしておいてクラッチでパチパチとON/OFFすると、一旦近くにフォーカスが来るので強制近距離リセットとして便利に使えてたりする。普段はなかなかしないんだけどね。後は12-40mmもそうだが、とにかく防滴構造なのがありがたい。OLYMPUSはE-3を使い出した頃からそうだが、この防滴構造で雨とかでも全然気にせず持ち歩いたり撮影出来たりするのが気持ちいい。たいてい人の方が先に参ってしまうので、それほどヒドイ環境にはならいのだけど、雨でも全然気にせず使えるこの安心感は何物にも代えがたい。

天体写真にも十分使えるはずだが、まだその実力は発揮できていない。40mmまでなら先の12-40mmPROが使えるし、望遠側になるとEOS用レンズやプロミナーとFUJIのXシリーズを使った方が話が早いと言うこともあり、思いの外、天体写真でも出番が無いのだ。ただ、単に高性能な望遠が欲しい、という時は本体、場合によってはテレコンを装着して便利に使えている。AFスピードは問題無いのだが、E-M5IIの性能側でピンを外すことも多く、色々考えさせられることも多い。

多少大きいのと、望遠側が少しだけ物足りない気もするが、MC-14のx1.4テレコンと、デジタルテレコンを使えばたいていの場合は事足りるため、これ以上の望遠を買うことは無いかも知れない。後は、大三元の最後、7-14mmF2.8PROを買うかどうか、ということになる。これは価格の問題もあるが、パナの7-14mmもあるので、なかなか買うことにはならないだろうなぁ。


 
●驚愕のAF速度●
Canon EF-S18-135mm F3.5-5.6

標準から望遠域まで1本でカバーできる焦点距離。スペック的にはありきたりだが、使い勝手やAF性能から言って、値段だけのことはある。

2016年5月、EOS80Dの購入と同時にキットレンズとして導入したこのレンズ、似たようなスペックのものを以前持っていたこともあったのだが、今ひとつ中途半端だったこともあって、一度EOSから遠ざかったときに手放してしまっていた。今回EOS80Dを買うに当たって、標準レンズキットがこれだったこともあり、キットで安く手に入るのであれば、せっかくだからと導入してみた。元の定価83,000円と、決して安くは無いが、レンズキットであればそこそこお安く手に入った。

結論から言うと、このレンズ、多機能というか多才というか。凄いっす。
18-135mmという画角そのものはちょっとした高倍率ズームではあるし、便利に使えるのではあるのだが、欲を言えば広角側をもうちょっと頑張って欲しかった。16mmが理想だが、せめて17mmになってれば全然違ったかと思う。まぁ、そうすると値段や大きさも違ってくるんだろうなと…。

機能としてはパワーズームアダプターを使うとEOS80Dでリモート操作でズームができるとか、ナノUSMでやったらめったらAFが静かだとか色々特徴があるのだが、とにかくびっくりしたのはそのAFの速さだ。

EOS80Dのキットレンズで同時に導入したので、箱から出してまずは試し撮り。一番最初はカメラのAFターゲット枠を「AUTO」にしてあったので、カメラが少し考えてからAFが動いている感触があり、「なんだ、全然速く無いじゃん」とがっかりしてしまった。しかし、AF枠があちこちに移動する自動セレクトAFは、個人的には使いにくい。まずはシングルAFとして使ってもっとシンプルにAFを試してみなけりゃね、と試し撮り…あれ?AFが動いていない?おっかしいなぁ。被写体向けてAFボタンを押し…あれ?これ以上AFが動かないみたいだぞ。もっと近くに合わせてAFボタンを押し…!な、なぬー!

実は「動かない」と思っていたのは、実際に動かないのではなくて、「動いているのが分からない」というのが正解だったのだ。今までのレンズは、AF動作をするときに、たとえ超音波モーターだったとしても「ククク」とか、微妙な音か振動が伝わってきたものだ。しかし、コイツ、ナノUSMはそうした振動とかが全く感じられない。しかもほとんど瞬時にAFが合うので、「お、今AFしてるな」と感じる暇がないのだ。正直、うっそぉ。と思えるほど速くて静かだった。


EOS80Dとの組み合わせで爆速のAF性能をたたき出すため、こんな風に飛んでるツバメをジャスピンで捕らえることも可能になってきている。全部ピントが合うわけでは無いが、今までのカメラでは置きピンでないとできなかったことがAFでできるようになった
こ、これはとにかく使いこなしてやらねばなるまい。ただ、そのためにはやはり遮光するためのフードは必須だろう。いくら最近のレンズは逆光に強いといっても、レンズむき出しでこの大きさのものを持ち歩いていたら、ゴミが付着したりどこかにぶつけたりすることも考えられる。なので、私はなるべくフードを付けるようにしている。プロテクトフィルターは基本付けない。理由は、高価だからだ。どうしてもレンズに傷が入ってしまったら、修理すればよい。でも、今までそうなったことは一度もない。

で、フードを購入することにした。が、ここでやらかしてしまう。そもそも、「EF-S 18-135mm IS」というレンズは3種類もある。最初の無印と、18-135mm IS STMという2代目、そして今回のUSMの3代目だ。初代と2代目はフードが共通のようなのだが、3代目はフードが異なるのだ。気をつけていたのだが、旧式用のフードを発注してしまった。気がついたのはモノが届いて取り付けようとしてから。おや?付かない?と思って気がついた(おまぬー) レンズフードはEW-73Dが正解。間違ってEW-73B(1,954円)を購入してしまったが、。返品送料を考えたらもう…(涙。どうせ必要なんだから、フードを付属してくれー。

気を取り直して使い勝手を見てみよう。最短撮影距離0.39mと、200mm相当で40cmなら悪くない。というか結構近い。最大撮影倍率も0.28倍(0.44倍換算)と、ヘタなマクロを歌うレンズよりも大きくなるぐらいなのだが、あんまし寄れる感覚では無い。まぁ、OLYMPUSのMZD12-40mmを見てしまった(0.6倍換算)後だからそんなものなのかも。意外と寄れるハズなんだなと今実感。

重量は515gと結構重いが、少しかさばるからだろうか。もっともっと軽く感じる。EOS80Dと持ち運んでいてもそれほどレンズが主張することも無い。(コンパクトだと言うつもりは無いが…)。その他の性能としては手ぶれ補正が4段分と、この手のレンズとしてはかなりいい。EOSはカメラ側に手ぶれ補正が付いていないので、やっぱりレンズのIS付きというのは、もはや必須だったりする。手ぶれ補正が無いとまともに撮影出来ない体になってしまった…

レンズ径はφ77.4mm、全長は96mmと、長さはもっとある感じで、ちょっとかさばるイメージ。その昔、EOS10Dを買って最初に買ったのが24-135mmF2.8-4.5という5.6倍ズームで当時としてもちょっと広角側が物足りなかったが、今回のは18-135という7.5倍ズーム。29mmから216mm相当という十分な高倍率ズームで、万能選手だ。

このAFやリモートでズームもできる便利さをもっともっと使ってやるべきなのだろうが、2018年足下はマイクロフォーサーズ、天文ではFUJIが幅を利かせるようになってしまったので、ちょっと出番が減っていたりする(^^;。



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