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冬の天の川を挿す
今日も曇天9

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 小学生の頃から慣れ親しんできた天体観測だが、その頃から、「これは一生の趣味になるだろうな」という気はしていた。紆余曲折を経て、未だにあれやこれやと思い悩む天体写真、その顛末を記録してみました。「曇天」なのは、晴れればこのページを書いている暇が無い訳で、曇って星が見えない日に書いているからなんです。トラブルも多数…

ついに導入できたビクセンの最新?赤道儀。SXP
ついに導入することに成功したVixenの最新?赤道儀。SXP。そして、初めての自動導入赤道儀でもある。いやそれよりも、大事なのはノータッチガイドの精度なのだが…

2015年2月11日 ついに最新型 Vixen SXP赤道儀


 2015年1月末、ちょっとした事件が起きた。そもそも年末年始で色々Webを漁っていて、天体写真関連のアレが欲しいコレもいいなぁ、と物欲満載だったころに起きたのでなおさらだ。年末年始で気になっていたのは、iOptronの赤道儀だ。このとき使っていた赤道儀はジーナさんことVixenGPDと、恐らくこれ以上はなかなか期待できないであろう強力赤道儀、タカハシEM200Bだ。しかし、昨年の春にプロミナー指令&五郎を導入してしまい、ひとつ問題点が出てきた。

そもそも私の撮影スタイルはとにかく手軽に、というTNKだ。なので、自動導入も必要なければオートガイダーも必要としていない。とにかく極軸さえきっちり合わせれば、あとは自由自在に被写体に向けて赤道儀の精度に任せて1〜2分の露出をする。というスタイルを取っている。

 しかあし、この1〜2分の露出でも赤道儀の精度はモロに出てくるもので、EM姫ことEM200Bはさすがにほぼ大丈夫だが、ジーナさんことGPDだと歩留まりは一気に半分近くまで落ちてしまう。プロミナー指令を使うようになると、R200SSとの2台態勢を組みたくなることが多いのだが、GPDだとどうしても歩留まりが落ちるので、悔しい思いをすることも時々あった。

 なので、このジーナさんをEM姫レベルまでとは行かなくても、もうちょっと精度の良いものに変えたいな、というイメージがあった。具体的にはタカハシの赤道儀であれば、たいていどれでも行ける?のではないかと思われる。中でもEM-11なんかが手頃(30万円が手頃…か?)だとは思うが、いかんせん絶対的な値段が値段なので新品を買えるわけでも無い。なので海外製の赤道儀とかを見て、「これぐらい安いのでピリオディックモーションが小さければ、いつかは買いたいなぁ、」などと思ってたわけだ。

 たとえピリオディックモーションが多少あったとしても、今の赤道儀は高度にコンピューター化されているものも多く、海外製のものはだいたい自動導入装置がついているし、同時にPEC機能(Periodic Error Correction)を持っているものも多い。自分の必要なものはノータッチでもそこそこの精度が出れば良いので、PEC機能があれば、それでも大丈夫かも知れない(この辺は実写してみないと何ともいえないところはある)

たとえば、海外製の小型自動導入赤道儀。安くて便利
海外製小型赤道儀の例。天文クラブの方が導入したiOptronのZEQ25GTだ。本体は5kgぐらいしか無いくせに、耐荷重12kgとかあったりして、しかも自動導入付で13万円ぐらいだったりする…
 なので、海外製のコストパフォーマンスの高い赤道儀なんかを検討してもいいなぁ、などとブログでつぶやいていたりもした。実際、iOptronZEQ25GTを、所属している天文クラブの方が購入して、実物を見る機会を得た。実際に持たせてもらったら「軽い!小さい!」(本体重量約5kg)と感激したり、他の会員の方がCEM60を導入する!という話を聞いてうらやましぃぃ、と思ってたりしたのもこの頃だ。

 が、出会いは唐突にやってくる。そんな「うらやましぃぞぉ」ブログの書き込みをみて、ジーナさんの生みの?親、Namさんが再び私に愛の手をさしのべてくれたのだ。やってきたメールには、「自分は正直EQ6でいいので、今はあまり使わないでいるSXPを玄さん激安で買いまへんか?」という話だった。VixenのSXPは、出た当初から「いいなぁ、将来的にはこんな赤道儀が買えるといいなぁ…」と思っていた「あこがれの1台」だ。それが、激安でやってくる可能性がある!。即、飛びついて、価格交渉と相成ったわけだ。

 Namさんの提案から、ここはジーナさんを出戻りで下取りに出し、その他こちらからモロモロを付けることでもっと激安に売りますよ、という話になった。いやもう、あまりに激安なので怖くてここで価格は書けないのだが、この提案を断ったらSXPを入手できるチャンスはまず無いだろうということもあり、無事に交渉成立。2月上旬には北海道から四国までSXPは旅してやってきた。その代わり、3年間がんばってくれたジーナさんは例の木箱とともに旅立っていった…

さて、SXP導入するのは良いのだが、問題がいくつかあった。

 まず一つは、電源だ。SXPの電源は今や当然の様に12V。コネクターはこれまでのセンターマイナスに代わって、センタープラスの極性統一プラグ(12V)となっている。コネクターの形も今までとは異なる。まぁその辺の調達は難しくないのだが、電源仕様そのものが結構厳しい。

 架台に乗せる重量にもよるが、最大積載の16kgを乗せた場合は、必要な電源容量が、12Vで電流2.6A必要になるという。今手元には12V出力ができるモバイルバッテリーが二つあるのだが、そのうちの一つ、ANKER PRO 20000mAhは、裏面に出力容量が示してあり、12Vの場合は最大1.5Aとある。足りないじゃんΣ(゜д゜

 もう一つの21000mAの「お星さま専用」バッテリーだが、こちらは色々情報を調べてみると、どうやら3A近くは出力できそうな感じだ。いざとなればもう一つモバイルバッテリーを導入するという手もあるが、あんましやっていると鉛バッテリーを導入したのと変わらない値段になるので、とりあえずはこの辺で運用してみようかと思う。いざとなればEM200の時に一緒に購入したSG-1100があるので、これでもなんとかなるとは思う。というか、SG-1100はほぼ全然使っていないので、たまには使ってやる必要があるかな…

 次の問題。運搬方法である。ジーナさんの時はその重さにちょっとびっくりして、結局リュックを用意したのだが、その後レトロな木製Boxを導入したので、それで運搬するようになっていた。今回この木箱と一緒に出戻りしてしまったので直接のケースは今のところ無い。しかし遠征して使うには車に積み込むときや保管じのケースはやはり必要になる。実はジーナさんのリュックはそのまま保管していたので、底板を工夫することでこれはこれで使えるようにするつもりだ。

 そして、最後の問題。赤道儀の名前である。ジーナさんの時は手頃な名前を思いついたのだが、今回はちょっと特殊だ。基本、赤道儀には女性名を、その上に乗る筒には男性名を付けるのが一般的(私がそう思い込んでいるだけ)なのだが、この辺はかわうさんがそうしているのを踏襲しているのが実情だ。ちなみにかわうさんは、SXP=>Pちゃん=>シャルロットと名付けている。(Pちゃんとシャルロットの関係は、ググって下さい…)。今回は、SXP=>スフィンクスP=>スフィンクスと言えばエジプト=>エジプトの美人と言えばクレオパトラ=>「クレオパトラ」の中ででPの頭文字部分とすれば、「パトラ」ということで、名前は「パトラー」に決定

 全然女性名らしくないぞと言われるかも知れないが、そこは無視(^^;。ちなみに、この際なので上に乗るR200SSにもこの際命名(今までは、譲ってもらった方にちなんで「トミー」と勝手に読んでいたが、この場合はボーグと間違えそうなのでオープンにしていなかった)。名前を「クレ男」とした。二つあわせてクレ男パトラーだ(無謀)。パトラー嬢、たのんだぞー。



セットにしたクレオパトラー。これを標準で使いたいぐらいだが…
ノータッチガイドの精度の件もあり、とりあえずはR200SSことクレ男を乗せて運用してみた。かなりの頑丈さと追尾精度を期待したのだが、実際には…

2015年5月3日 では動かしてみましょう〜SXP赤道儀その2


 さて、能書きはこの辺にして(と言いつつ、ずいぶん間が開いたな…実際にはかなり実戦投入してます)実際に動かしてみよう。電源は一応最初に買ったお星様専用モバイルバッテリーだ。ANKER ASTRO PROはこの20000mAhは既に発売されていないなど、色々ナニがありそうなのだが、EM姫に使う分には全く問題無いので、EM姫用専用となる。

 何故か赤経体下面にある非常に接続しづらい電源コネクタに接続し、これまた非常に接続しづらい9ピンコネクタ(これは昔のPCのシリアルケーブルと同じらしい)を繋いで、電源を入れると、鏡筒を西に向けるように指示が出る。このホームポジションが最初のアライメントの原点になるらしい。その上で星をいくつか導入し、その位置を修正してALINGEボタンを押すことでアライメントを重ねて、おおよそ3つ以上でアライメント終了し、自動導入がしっかりできるようになるらしい。

 実際に自動導入をしてみると、これが結構すごい。今まで自動導入の赤道儀を使ったことが無いというのもあるが、結構モーター音が大きいのだ。SXPはこれまでのDCモーターではなく、パルスモーターで静かになった、という話を聞くのだが、自動導入時はあんましかわらないのでは?と思ってしまう。自動導入のOKを押すと赤緯赤経の両方のモーターが同時に動き出し、「キュウウイイイイイイイイイィィイイインン」と大きな音ともに回り出す。

 うるさいと感じる程では無いが、なかなかの迫力である。位置によってはどちらかのモーターが先に止まり、残りのモーターが「イイィィンンイインンイインン」と回って、最後は「イイィィンンふにょふにょ」と言って綺麗に止まる。止まった瞬間に星本点から「ポーン」とその昔どこかの高級PCから出てたような音がするが、「いや音出さなくても止まったのは分かるぞ」という感じだ。

正直、この音の質と大きさから、「いやもう、これはロボットだな」という感じを受けた。さすがにそこまでは行かないが、白くてかっこうよくてキュイイインと動いて、精度がある、となると、イメージは本当にロボットである。その形から、イングラムとでも呼んでやりたくなるが、それはまだよしておこう(^^;

 気をつけないと行けないのは、撮影時には「極軸を合わせた赤道儀」という設定にきちんと設定しておく必要があるということと、設置位置(東経北緯)をきちんと入力しておく必要があるということだ。この辺は自動導入の赤道儀としてお約束なのだが、これまで極軸さえ併せて電源入れれば即撮影、という分に比べると若干面倒な操作は増えることになる。但し、自動導入の精度さえ確保できるなら、当然高速に導入ができるので、特に暗い対象ならその辺の時間が迅速になるはずなので、その辺との兼ね合いだろう。

このコントローラーに相当コストがかかっているのは間違いないが…スターブック10
別売りで10万円もすることを考えると、このコントローラーに相当コストがかかっていることになる。実際使いやすいのは確かだが…。スターブック10だが、Web上では略して星本10なんて言われている。
 普通のテキストベースの自動導入コントローラーと違って、StarBook10では画面に星図が出るのだが、実はこれが相当に便利だったりする。どれぐらい動くのかが直感的に分かるのだ。左側のズームレバーが星図の縮尺を決めるのだが、この縮尺によってモーターの動くスピードが自動的に合わせて変更になる。この辺は何倍速で動かす、という指定よりは結構直感的でわかりやすい

もう一つ、これまで直焦点とかで星雲を手動導入した後、試し撮影してその構図を確認したら、次に狙いを真ん中に持って行ったり微妙に構図を確認するときは、一眼レフカメラのファインダーで星が見えれば、それに併せて微調整ができた。

 しかし、星が全く見えないと、モーターで動かしてもどれぐらい構図が変わったのか全く分からないのだ。これはミラーレスカメラで撮影しようとするともっと顕著で、液晶画面では星が全く見えないことが多いので、同じようなことが頻発する。

 しかし、StarBook10だと、実際のリアルタイムの星を見なくても、構図がどれぐらい動いたか、行き過ぎればどれぐらい戻せば良いかが画面上でイメージできるので、構図合わせの心配がかなり減ることになる。

 架台の丈夫さについてもちょっと期待はしていた。しかし、どうやらそう簡単では無いらしい。一番顕著だったのは、ピントを合わせるためにクレ男ドロチューブを動かした際、振動が明らかに大きいのだ。まぁEM200と比べるのは酷なのだが、その前のジーナさんと比べても、どうも振動が大きい気がする。ピント合わせの時だけであれば良いのだが、これはそのまま風に対しても弱いのでは無いかと思われる。

 この辺の振動がどこから来ているのかはまだ不明だ。三脚についても少し長い(HAL130三脚)ので、この辺からも来ているかも知れない。どこかで確認したいとは思っている。なにはともあれ、一通り使えることは分かった。後は運用性をどこまで高めていくか、だ。




造ってみた簡易ポーラメーター。これで北極星導入が大幅に楽になる…はずだった
とりあえず超簡単に作ってみた簡易ポーラメーター。三脚設置時の方位出しと水平出しをきちんとしておくことで、極軸望遠鏡に北極星が入るぐらいまで簡易的に出してしまおうという企みである。TNK(て・ぬ・き)を一歩進めるアイテムになるか…

2015年5月6日 自作ポーラメーターで三脚設置TNK


 EM姫(EM200)を使い始めて、便利だなと思った点と不便だなと思った点が出てきている。便利だな、と思うのは、極軸をセットする際に水平出しを無理にしなくても良い点だ。極軸そのものに水準器が付いていて、赤経方向を回して水平出しをすれば、それだけで良くて、ちまちま三脚の長さを調整して水平出しをする必要は無いシュークリーム三脚の高さ調整を取っ払ってしまったので、それはそれでかなり便利に使えている。

 不便だな、と思ったのは、極軸望遠鏡の倍率が結構大きいのと、三脚の水平出しをしなくなったので、極軸望遠鏡に北極星を入れるまでにすごく苦労することだ。倍率が高いのは精度があがるのでいいはずだが、現場で北極星を入れるまでに10分ぐらい四苦八苦していると、ええかげんイヤになってくる。

 問題は、北極星を導入する際の方位と仰角の両方が不定だからだ。極軸望遠鏡用のファインダーが欲しいと本気で考えるようになってきた。実は、同じことがパトラー(SXP)にも言えて、一見簡単になった極軸望遠鏡のセッティングが、実は北極星を導入するまでが大変という構図になってしまっている。

 ならば、仰角と方位をある程度固定できるようになってしまえば良い。仰角は三脚の水平が出ていれば、よほど緯度の違う場所に行かない限り調整しなくてもOKだ。方位は、方位磁石で一定の形になっていればOKだろう。ということで考えたのがこの簡易ポーラメーターだ。専用のものを購入するのは面倒だし高価だが、これならば水準器と方位磁石さえあれば事足りる。100円均一とかに水準器があるかどうかは分からなかったので、よく行くDIYの店でとにかくあるもので、安い物を調達してきた。むしろ問題だったのはその水準器を固定する板が平らでは無かったため、それっぽくなるまでやすりで削るのに苦労した(^^;

シュークリーム三脚にはでっぱりが…この部分は色々苦労してなんとか削り出した
EM200用の三脚だと、こんな風に北極星固定用のピンの下にナットが刺さってたりする。この部分が邪魔してきっちり収まらなかったので、なんとか苦労してナットの形に削ってへこませた。楽(TNK)するためには楽ぢゃない…(^^;
 板の一部にへこみを入れて、ここに三脚の方位固定用でっぱりをはめ込める様にする。三脚には板の位置を示した印をマジックで書き込む。この線は、一度方位をきちんと出した状態(極軸を合わせた状態)で、設置した磁石の向きがきちんと合致する位置になるようにしてある。こうすれば、磁石の向きを合わせたれば、方位は合うという算段だ。仰角については、角度がべらぼうに変わるような遠征はしないので、三脚の水平がそこそこ合ってれば問題無いはず、という形を狙っている。

実際、これを使うとかなーり楽ちんに方位を合わせられるので、正確さはとにかく、北極星はまず問題無く視野に入ってくる。この板を一枚パーツバッグに滑り込ましておくだけでセッティングは間違いなく早くなる

…はずだった。何が起きたのかは分からないが、方位がかなり狂ってしまう事態が発生している。庭でセッティングしたときに合わせたはずなのだが、寒風山で導入しようとしたとき、北極星の方角があきらかに異なるのだ。見た目に違うので、当日は迷わずに済んだ(といっても北極星を入れるのには苦労した)のだが、何故磁石が狂ってしまったのかは不明だ。この辺はもう少し検証が必要かも知れない。

とにかく使ってみるが、水準器も含めて、もうちょっと小型に改造したいなとも思っている。三脚に組み込んでしまうのもいいんだけどな…


実はSXPと同時に手に入れていたSSAG。とりあえずこれを使ってみたかった
実はSXPと同時に手に入れていたSSAG。これをうまく使えば、オートガイドができるはずなのだが、そのためには色んなものを揃える必要があり、なかなか活用できるところまで行ってなかった

2015年9月26日 はじめてのオートガイド(PEC設定、撮影無し)


2015年初夏、SXP赤道儀を手に入れてから既に半年近くが過ぎようとしていたが、ここに来てようやく、このSXP赤道儀の本領を発揮してみようかと動き始めた。その気にさせてくれたのは、Namさんの小型ガイドシステムでした。Namさんが活用していたのはQHY5L-IIを使って、マルチスターガイドを行うことで、かなり短い焦点距離のガイド鏡で、見事なガイドシステムを組み上げていた。これはかなり手軽な感じがしていたので、せっかくSSAGをもらっていたこともあり、ここはひとつ試してみよう、と思ったわけだ。

SXPと同時にいただいた(というか、かっぱらった?)SSAGだが、ガイドケーブルでSXP(StarBook10)と直結できることから、早くから使ってみたいというのはあった。オートガイドをするにはPCが必要なのだが、これは比較的早い段階でVAIO ProにガイドシステムであるPHDガイドと、カメラのドライバーをインストールして使えるようにはしてあった。そもそもの目的は、SXPの記憶できるPECに情報を与えるため、ガイドをしてみたのだ。

庭先にセッティングしてみたの図。800mm+バローレンズでの超長焦点ガイドはちょっと無理が…(^^;
庭先にセッティングしてみたの図。800mm+バローレンズでの超長焦点ガイドはちょっと無理が…(^^;
 ただ、この時は、ガイド鏡やそのマウントは全然用意していなかったので、ガイド鏡となったのは、クレ男ことR200SSそのものだ。本来なら直焦点のカメラを設置するその位置にSSAGを取り付けてガイドしたことになる。さすがに焦点距離が800mm(実は、ピントが来なかったので更にバローを取り付けていたので、1600mm相当)になると、ガイドが少々シビアになりすぎてたりする。グラフがピコピコ跳ねていたので、どう考えても過補正だろう(^^;。

 本来ならPHDの調整をするべきだが、そこまで知識も無かったので、まずはここまで。PHDを使いこなすための知識と経験は、まだまだ全然足りなかったりする。

 とりあえず、ガイド鏡無しで試してみた形ではあったが、まずはガイドできることは確認できた。これを元にPECのデータの取得も行ったので、これでPECを効かせることができて、SXPのノータッチのガイド精度も上がったハズである。実はこの後何度か撮影しているのだが、実はそれほど追尾精度の向上は感じていない。まぁ、1600mmで過補正が起きている状態だと思うので、PECの設定そのものが怪しかったのかも知れない。もうちょっと、色々試してみる必要はありそうだ。次は撮影かなー。



ウェイト軸雲台に取り付けたオートガイドシステム
ガイド鏡とマウントを手に入れる必要があったのだが、お手軽システムということでこんな形に落ち着いた。余っているリングはピッチ変更のリングアダプタ。光路長が長くなりすぎる上、きちんとハマるので不要だった…

2015年9月27日 はじめてのオートガイド『撮影』


 PECの設定は一度やってみたSXP赤道儀ことパトラー嬢。なんとか使えそうな感触はつかんだものの、本来の性能は出し切れていないというのが実情だろう。ここはがっつりオートガイドで性能を発揮してやりたい。しかし、やはりきちんとしたガイド鏡とマウントを用意しなければ、オートガイドによるしっかりした撮影にはならない。問題は、ガイド鏡とガイドマウントを導入するには、少しハードルが高いということだった。

ここに現れたのが救世主ことふたたびNamさん(^^;。このガイド鏡+ガイドマウントを、超手軽にするワザを教えてくれたのだ。ここから先は、実は実施したときにブログにアップしてある。以下はその内容だ。

 ここでポイントになるのが、KOWAのCマウントレンズと、ミノウラのスペースマウント。KOWAのレンズは1万円ちょいで、75mmとか100mmのF2.8レンズが手に入る。Cマウント用なので色々制限はあるが、腐っても?「あの」プロミナーのKOWA。ガイド鏡としては十分な性能を持っているようだ。本当は100mmを使った方がいいのだろうが、マウントを極力簡便に済ませることもあって、ここは75mmF2.8(リンク先はamazon)をチョイス。13千円ほどだった。

 実はこのほかにも苦労があった。Cマウントレンズの接続だ。SSAGは、1.25インチのスリーブがデフォルトで付いていて、その根元が42mのネジが切ってある。望遠鏡側にカメラマウントがあれば直接取り付けられるわけだ。しかし、これだと購入したKOWAのCマウントレンズが付かない。そこで、Cマウント−42mmのアダプタがあれば良い。この手のはBORGリング地獄を活用すればなんとかなるはず〜と検索してみると、ありました、Cマウントリング(7527)。しかし、通常のカメラマウント用のピッチ0.75mmのネジではなく、ピッチ1mmのネジしか無い。なんじゃー。仕方が無いので、光路長さもまだ余裕がある(と思って)ピッチ1mm→0.75mmのアダプター(7856)も購入。

 これで完璧。と思ったのだが、試しに昼間の景色を見てみると、遠方の鉄塔にピントが来ない。光路長が長すぎるのだ。ひええ…どないすれば…あきらめきれずにピッチ1mmのままSSAGにネジこんだら、問題無く装着されてしまい、ピントも来た。すなわち、0.75mmアダプタは不要だったわけだ…とほほー(^^;。ちなみにCマウントのフランジバックは、Wikipediaによると17.526mm。おおよそ18mmあるので、まだ余裕だと思ったのだが…

 ま、まぁ、これでガイド鏡はなんとかなる。次なる問題はその固定方法だ。Namさんのブログにあったミノウラのスペースマウントは、同じようにamazonで購入。しかし、天文用のこうした固定具類はたいてい3千円以上するのが当たり前なのだが、これは自転車用の量産品とは言え、700円未満。反則的に安いぞ(^^;。

借り物の屈折の性能確認とともに行ったガイドテスト
借り物の筒と一緒にテストを行ったガイド撮影。色々苦労したが、とりあえず動くことは確認できた。後はもう少し安定運用できなければ…
 まだ問題は続く。こいつを「かませる」場所も制限がある。インチスリーブに入るような最新のCCDならそのまま本体をつかめるが、SSAGはそんなスペースは無く、本体も大きいので無理だ。ならば、レンズをつかむしか無い。ピントリングや絞りリングを避けて、なんとかつまむスペースは見つけたが、結構アンバランスっぽい感じにはなった。まぁ、全体が結構軽いので、こんなもんでもなんとかなっている。

 スペースマウントには底面に5mmのねじ穴があるので、φ5mmのネジを持ってきてどこかに固定してやればOKだ。その「どこか」は…ちょっと悩んだが、とりあえず自分のシステムの中にはガイド鏡を乗せる場所が無い。ならば、と選んだのがVixenのウェイト軸カメラ雲台これなら3千円ちょいで手軽に乗せられる。ガイド鏡システムが小型で軽いから使えるワザでもある。

 そのままだと付属しているネジは当然カメラネジ(1/4インチネジ)なのだが、ミノウラのマウントは5mmネジなので、元の1/4ネジを外して5mmネジを装着。ワッシャーで多少のスペース調整をして固定できた。あとは実戦あるのみだ!

 実際のテストは、ニワトリ(庭撮り)となった。PCを持ち出して色々することもあって、こういった作業は家でとりあえずシミュレーションできるのが良い、というか、晴れた日がなかなか無いというものある。使用した望遠鏡本体はKasaiのBLANCA-110ED。実は借り物で、写真性能を試して欲しいというカサイの11cmED屈折だ。眼視性能はすごいのだが、結果として写真性能はちょっと微妙だ。EDレンズなので一定の性能はあるのだが、赤ハロがどうしても少し残るので、写真性能は分かって使う必要がある、という形だった。

 閑話休題。このガイド鏡は、結論から言えばなんとか使えそうな感触を得ることができた。んが、やっぱりサポートがどうしてもいい加減なので、対象に向けていきなり撮影しようとすると、すごい動きをすることがある。しばらく置けばずいぶんと安定するようだ。この辺はまだまだ改善代はありそうだが、問題はそれほど使う機会が無いことだったりする。とりあえずは、パトラー嬢のPEC設定用のガイドシステムとして構築して、後は簡単に確実にできるのであれば、長時間撮影での相棒として使えるようになりたい気もする。とにかく使ってみにゃ〜。

 しかし、実際には75mmで500mmとか800mmとかをガイドするのは、さすがに無理があるような気がする。元々この辺の限界はガイド鏡の5倍ぐらいという話もあるので、75mm×5=375mm、すなわち、プロミナー指令(350mm)ぐらいが限界という話になる。五郎はちょっと無理かな〜。


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